「生き残ったマツの子どもたちをふるさとの海岸に帰そう!」
【ご支援くださった皆様に】
このたび、平成30年3月31日をもって「東日本大震災で生き残ったマツの子どもたちをふるさとの海岸に!」プロジェクトは終了いたしました。多くの支援者の皆様に心より深く感謝申し上げます。マツの子どもたちは、寒さと海岸の強い風に耐えながら厳しい冬を忍んで参りましたが、中には耐え切れずに枯れてしまった若木もありました。そうした若い樹木の無念さをしっかりと受け止め、わたしたちは生き延びたマツの成長をこれからも見守り続けて参ります。今後とも、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
【経過報告】
京都府緑化センターで平成24年4月に播種されたマツの幼苗は、1年後、名取市高舘の圃場に移植され、ここで大きく成長いたしました。5年生のマツ苗(もう苗とは呼べないほど立派に成長したマツの若い樹)は帰る時を迎え、多くの人々のご支援の下、平成29年11月、仙台市荒浜海岸の植栽地に運ばれました。
「復興植樹祭」と銘打って行われたマツの移植会には、情報労連宮城県協議会の皆さんが家族連れで参加してくださいました。この日は好天に恵まれ、予定した100本の若樹はしっかりと海岸に植えられました。それに先立ち、ゆりりん愛護会は10月、宮城県と協定を結び、0.2ヘクタールの植栽地に計1,500本のマツを植えることにしておりました。その内の100本が11月3日にボランティアの手で植えられたのです。
3,000本を超えるマツの掘り起こし作業には、造園家や樹木医など、専門性を持ったプロの技術者の協力を得る必要がありました。1本1本、ていねいに掘り起こされたマツは根に土を付けた状態で"根巻き"され植栽地に運ばれたのですが、残されたマツ600本は高舘の圃場に近い場所に移され、"冬越し"をすることとなりました。
しかし、今年の冬はとりわけ寒さが厳しく、海岸に吹き付ける強風の影響も受けて多くのマツが枯れてしまいました。わたしたちは、支援してくださった方々に申し訳なく思うと同時に、枯れたマツを掘り出し、そこに元気の良い樹("冬越し"をしたマツ)を補植しました。
そんな中、良い知らせも入って参りました。名取市が市内の公有地に"残存松"の移植を認めてくれたのです。この事業には名取市のクリーン対策課、教育委員会が全面的に関わってくれ、本数は少なかったものの、「閖上(ゆりあげ)斎場」や「閖上小中一貫教育校」など、教育上も景観上もとても好ましい場所に"生存松"は植えられました。
【収支報告】
<収入>
・クラウドファンディング募金額:1,075,000円
<支出>
・移植費用: 600,000円
・補植費用: 200,000円
・圃場整備費:300,000円
<合計1,100,000円>
~皆様からの支援金は上記のように使わせていただきました。
【リターン状況】
・お約束しております"リターン"につきましては、支援者の皆様に対し個別にご連絡
させていただきますので、暫しお待ちください。
【今後について】
・今回のプロジェクトは一応終了いたしますが、植栽したマツのフォローはこれから
も続けて参りますので、引き続きご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
このたびは誠に有難うございました。
ゆりりん愛護会 代表 大橋信彦