カマキリと孫子

緑色に輝くその生物に遭遇したのは、私の自然農にあるビニールハウスでした。

細長く伸びた体に逆三角形の頭、その先端にある２つの目玉が異様に大きく、妖しく私を睨んでいました。

私はビックリすると言うより、何故か懐かしく甘酸っぱく感じられました。

古い友に再会したような気がしたのです。

 

よ、久しぶり！元気してたかい、いつ以来だろなお前と会うのは？

厳密に言うとお前の先祖筋だけどな。

俺がまだ小学生の頃だっけか、よく捕まえていじめてたよな。

あん時は本当にごめんな。

深く深く反省してるよ。

 

と、そんな感じの会話が有ったのか無かったのか。

とにかく懐かしく感じられました。

 

昆虫たちは私たち人間を見ると逃げ惑うのですが、カマキリは昆虫の中では上位に位置してるみたいで、私を見てもジッと睨んだまま逃げません。

キングオブ昆虫なのでしょう。

 

自然農の畑には様々な微生物がいます。その微生物や虫たちの排泄物や死骸が、その虫たちの営みが、土を豊かにしてくれているのです。

中にはせっかく育てた作物を食べ尽くしてくれる、あんまり有り難くない虫も確かにいます。

 

それらはしかし、いなくては自然そのものが成り立たなくなるのです。

豊かな土が有り、そこに微生物や虫たちがいて草が育つ。

その草を食べて草食動物が育つ。

その草食動物を肉食動物が食べ育ち、やがて死に絶える。

その死骸を微生物が分解して、土に還元してくれます。

皆さんご存知の食物連鎖と言われてるものです。

 

私の自然農の畑にはさすがに肉食動物はいないみたいですが、小動物や鹿や猪はいるみたいです。

こやつらとカラスも畑を荒らしてくれますが。😹

 

せっかく種から育てた作物が食べられていたり、草に負けて見る影も無くなっていたりしたら本気で凹みます。

しかし、凹んでばかりもいられません。いかにしてこの被害を最小限に食い止めるか、ここが大切です。

 

もちろん、自然の摂理に逆らって農薬や除草剤は使いません。

慣行農法を否定するのではなく、私はこの方法をやってみたいと言うことです。

 

そこで登場願うのがカマキリです。カマキリはキングオブ昆虫です。私が育てている野菜を食べてくれている虫を、食べてくれます。他にもクモやてんとう虫も手助けしてくれています。

子供の頃は苛めていたカマキリが今は、私を助けてくれています。

有難うカマキリよ！しかし、人間を見たらちゃんと逃げなさい。逃げるが勝ちだよ😼