映画祭ゲスト監督が地域で交流!

庄内地域での上映と交流の報告が届きました。

この企画そのものを1999年に発案・企画・実施してくださった「庄内ドキュメンタリー映画友の会」の飯野昭司さん。今回も充実して交流になったようですね、監督たち・通訳の山之内さん、そして実施してくださった皆さんの表情にそれが現れているようです。ありがとうございました。(高橋)

以下、飯野さんからの報告です。

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クラウド・ファンディング「映画祭会場を飛び出して。監督たちを山形各地に派遣し交流の場を」庄内上映会報告
報告者:庄内ドキュメンタリー映画友の会 飯野昭司


「山 形国際ドキュメンタリー映画祭2017」のポストイベントとして、映画祭最終日の10月12日(木)の18:30〜、鶴岡まちなかキネマを会場に『あまね き調べ』上映&監督トークを開催しました。庄内ドキュメンタリー映画友の会では、友の会が発足した1999年から山形映画祭に参加した海外の監督を庄内に お招きして上映会を開催していますが、今回がちょうど10回目になります。

今回の上映作品は、インドのアヌシュ カ・ミーナークシさんとイーシュワル・シュリクマールさんの共同監督作品『あまねき調べ』。映画の舞台はインドのミャンマー国境近くナガランド州にある農 村で、急斜面に広がる棚田では仲間との協働作業で田植えや収穫が行われ、作業中は掛け合いのような歌(ワークソング)が田畑に響きわたります。

映画に出てくる村の人々は笑顔にあふれていますが、その陰には今も続くインドからの独立紛争で多くの村が焼き討ちされた苦い記憶も残り、そうした苦難を乗り 越えることにも協働作業や歌が大きな役割を果たしてきたことが伝わってきます。撮影に3年、編集に3年かけたという映像は、音声も含めて美しく構成され、 詩的な雰囲気がただようすばらしい作品でした。

 

開会前に鶴岡まちなかキネマの木戸社長から館内を案 内していただき、この映画館が元は古い木造の絹織物工場で、その木組みを生かしてリノベーションしたことや内装や椅子にもできるだけ木材を使用し木のぬく もりを感じられる空間にしたことなどを説明していただきました。監督さんたちはこうした歴史をもつ趣のある映画館で上映できることに感激していました。

上 映会の入場者はスタッフを含めて総勢36名(うち小学生1名)で、映画が終わると大きな拍手が沸き起こりました。その後、今回の企画に賛同しボランティア で通訳を引き受けてくれた山之内悦子さんを交えて、監督トークと質疑応答を行ないました。庄内は映画の舞台と同じ稲作文化を持ち、また合唱も盛んな地域だ ということもあって、活発な質疑応答が行われ、閉会後もロビーで熱心に話し合う姿がみられました。

 


唯一の小学生は「字幕が初めてだったの でちょっと難しかった」ようですが、一緒に観たお姉さんは「農地をひたすら耕していくところが印象に残りました。素敵な音楽でした」との感想を寄せてくれ ました。また、後日「ハッピーな映画をありがとう。頭のなかでずっと彼らと唄っていました。農作業も坂道も苦手だけど、しばらくいたら彼らと一緒に唄えそ う!」との感想を葉書で伝えてくれた女性もいました。

上映会終了後は、監督と通訳さんを囲んでささやかな懇親会。監督さんはどちらもベジ タリアンなので、お店を探すのに苦労しましたが、鶴岡食文化映画祭のスタッフに紹介していただいたフレンチのお店が対応してくれて、和風だしと地元の野菜 などを使ったおいしそうな料理などが次々と出され、二人ともその味を絶賛していました。

 

翌日の午前中は心配された雨も止んだので、羽黒山 へ。神域の入口となる随神門から石段を下り、太い杉並木や禊修行を行う祓川などを眺めながら国宝の五重塔まで歩きました。仙台から来たというご夫婦に写真 撮影をお願いしたら、インドの監督たちとの出会いにいたく感激し、一緒に写真に収まってくれました。

昼食は、奥田シェフの地場イタリアン 「アル・ケッチァーノ」へ。監督さんたちはベジタリアンメニューでしたが、どれも通常メニューよりもおいしそうで、我々も同じメニューにすればよかったと 思うほどでした。さらに、隣の席には『あまねき調べ』と同じアジア千波万波の『風のたより』の田代監督さんたちがいて、映画と映画祭の話で盛り上がりまし た。

楽しい時間は刻一刻と過ぎ、監督たちが東京へ行く時間が迫ってきたので、最上川沿いをドライブがてら新庄駅まで送りました。映画祭期間中に山寺へ行ってきたという監督たちは芭蕉の最上川の俳句も知っていて、その句が詠まれた場所を見ていることに感慨深げな様子でした。

映画祭期間中には、過去に庄内へ来てくれた監督さん(インターナショナル・コンペティションの沙青監督、アジア千波万波の蘇青監督・米娜監督)との久しぶりの出会いがあり、言葉は通じないながらもお互いに再会を喜ぶ気持ちが伝わったと感じています。

今回はクラウド・ファンディングを活用し、庄内での上映会を継続することができました。こうした小さな取組みを続けることで、ドキュメンタリー映画の魅力が伝わるとともに、海外の監督さんたちにも山形(庄内)のことを心の片隅にとどめていただけたら何よりです。

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