曹洞宗人権研修東北大会に映画祭2017大賞受賞監督が参加交流!

「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017」と曹洞宗人権研修東北大会との連携イベントとして、10月12日[木]の10:00から山形市の国際ホテルを会場に、インターナショナル・コンペティション大賞作品『オラとニコデムの家』の上映と監督トークを行いました。

曹洞宗山形県第一宗務所さんより、「山形が誇る国際映画祭の作品を上映して、監督とお話の機会をいただけたら、僧侶の知見をより広げることができる」との申し入れをいただき、今回の上映企画を行う運びとなりました。「障がいを持った方々から学ぶ」ことをテーマとした研修会と同時開催ということで、自閉症の弟の面倒を見ながら家族の再生を誓う少女の献身的な姿を描いたポーランド作品『オラとニコデムの家』の上映とアンナ・ザメツカ監督によるトークを行うことに決定。11日の映画祭授賞式にて当作品が大賞を受賞したことがメディアで報道されると、僧侶のみなさんの期待も尚のこと高まり、当日を心待ちにされていたようでした。

一方のアンナ・ザメツカ監督もまた、日本の僧侶のみなさんと交流ができると聞いて大変に色めき立っていました。受賞記者会見でも語っていましたが、監督は日本の精神文化に大変強い興味をお持ちであり、そうしたことに触れることもまた今回の来日の目的であったそうです。大賞受賞の望外の喜びに加えて、さらにそうした夢の一つが叶うとあって、その期待感は並々ならぬものでした。

上映会当日は40名の僧侶のみなさんが参加されました。山形県外からの参加者もいるとのことで、まず最初に映画祭事務局から「山形国際ドキュメンタリー映画祭」についての簡単な説明と、『オラとニコデムの家』の作品紹介を行いました。山形国際ドキュメンタリー映画祭誕生に尽力されたドキュメンタリー映画の巨匠小川紳介監督の名作『三里塚シリーズ』の撮影現場で、かつて映画で描かれた農民たちを支える活動を行なっていたという位の高い僧侶の方もおり、映画祭について大変強い興味をお持ちいただきました。

映画は14歳の少女オラを中心に、自閉症の弟ニコデムがキリスト教の儀式である聖体拝領式を迎える過程を描きつつ、酒飲みで無職の度し難い父親と、別居中の母親との関係性も盛り込みながら、家族の再生を願う少女の献身的な眼差しに密着していました。まるで劇映画のような展開とカメラが寄り添う家族との近しい距離感が、少女オラが直面している境遇の苦しさを身に迫る感覚で描き出した素晴らしい作品でした。

上映後のトークでは、アンナ監督からこの映画を撮影するに至った経緯とカメラに映っていない少女オラの人柄など、こぼれ話を含めてお話いただきました。質疑応答では、待ってましたとばかりに次から次へと質問が飛び交います。いったいどうやって撮ったのかと誰もが疑問に思う、カメラの存在を感じさせない家族との近しい距離感やそれにまつわる撮影手法について、ポーランドでのキリスト教的世界観の捉え方について、などなど宗教者らしい質問なども発せられ、アンナ監督はひとつひとつ噛みしめるように非常に丁寧にそれらに答えていました。なかでも、注目となったのが、映画で描かれた後の少女オラについてでした。映画を観た方々は、彼女がこの先いったいどうなっていくのかがとても気になるようです。後日談として明かされたアンナ監督の話に、会場の空気がホッと緩むのが感じられました。

僧侶の方々に最新のドキュメンタリー映画を鑑賞いただき、さらに監督との交流も行うという試みはなかなかない機会でしたが、参加されたみなさん、アンナ監督ともにとても充実した時間となったようです。最後はアンナ監督たっての希望で、僧侶のみなさんとの記念写真撮影会となりました。

クラウド・ファンディングによって、この貴重な上映の機会をいただくことができ、とても感謝しています。僧侶のみなさんと、遠い異国の地に暮らす家族に思いを馳せ、文化や価値観の違いを超えて様々に交流できたことは、今後「法話」という形で多くの方々にオラとその家族の話が伝わっていくことを考えると、非常に価値のある時間となったのではないでしょうか。ご支援いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

(報告者:山形国際ドキュメンタリー映画祭 事務局次長 日下部 克喜)

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