こんにちは。シャンティの菊池です。

 

突然ですが、ラジオ番組出演のお知らせです----

4月29日(日)のラジオ番組で、私が登場する予定です…!

番組内では、難民キャンプの図書館のことや、日本から届けている絵本、活動の苦労話や夢についてお話しします。よろしければ、どうぞお聴きください。

 

放送予定日時:4月29日(日)17:05-18:50

放送局:NHKラジオ 第一

番組名:ちきゅうラジオ

「ちきゅう人バンザイ」というコーナーです!

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そして本日は、よく聞かれることが多い、難民キャンプの中の教育についてご紹介したいと思います。

 

ヌポ難民キャンプにある第1保育所で子どもたちが遊ぶ様子です。

 

難民キャンプ内には、保育所、小、中、高等学校、ポスト高等学校(短期大学)、障がい児向けの特別学校、職業訓練学校、コミュニティ図書館など様々な教育施設があります。

 

「えっ!難民キャンプに学校があるんだ!こんなに充実した教育施設があるんだ!」とよく驚かれます。でも、キャンプ設立から34年経過していると考えてみれば、教育機会の保障は必要ですし、何もないはずがないですよね。

 

カレン民族が主流の7ヵ所の難民キャンプについては、カレン難民委員会教育部会の監督の下、難民キャンプ内の教育部会が国際NGOやカレン系のコミュニティ組織と協力しながら教育の機会を提供しています。

 

これら7カ所の難民キャンプでは、2017年12月末時点で、140校を越える学校があり、2万8千人以上の子どもたちが学校に通っています。学んでいる主な科目はカレン語、ビルマ語、英語、数学、地理、理科、歴史などです。

 

 

特別教育学校の壁に貼られている手話学習のポスターです。(タムヒン難民キャンプ)

 

 

国際支援減少の現実

 

近年の国際支援の減少は、教育分野にも影響が及んでいます。現在、小、中、高等学校への基礎教育に対する支援は続いていますが、2017年に保育所、及び高等教育を長年支援してきた国際NGOの2団体が撤退しました。そのため、残っている教育支援団体が分担をしながら、これらの学校の支援にあたっています。シャンティも、昨年からキャンプの保育所に必要な物資を支援することになりました。

しかしどの団体も事業の規模を縮小しているため、今後難民キャンプ内の教育状況は、さらに厳しくなると想定されています。

 

 

教育現場の課題

 

キャンプ内の就学率の統計は出されていませんが、学生の中退は学校教育の一つの課題です。例えば、学生数を持つタムヒン難民キャンプの学校(学期初めの学生数約1250人)を見てみると、昨年新学年が始まった5月から7月末までの3カ月間で、中退者数は約50人でした。このうちの10名は第三国定住や帰国といった肯定的な理由です。しかし、目立つのは、20名の「勉強への興味をなくした学生」です。そのほか、家庭の問題、健康の問題、そして性別にかかわらず結婚による中退も要因となり、昨年2017年末には学生数は1126人にまで減少しています。教育に対する親の考え方も、子どもの学習状況に影響しているとされ、状況改善のために親を含めた関係者間での会議などもなされているようです。子どもたちの教育環境は、難民キャンプ生活を取り巻く様々な課題や事情から大きく影響を受けていると言えます。

 

また、実際の教育の現場で近年課題となっていることは、人材不足、資材・教材の不足による教育の質の低下です。この1~2年で教員数や教員給与が減少し、学習教材や学校建物資材も不足しています。教員数が少なくなっているため、従来の業務を少ない人数で対応しており、教員の負担が非常に大きくなります。教員の離職も頻繁に起きています。また、教員のなり手がおらず、高校卒業後、数日の研修を受けて教員になる者も多くなっています。学生の落第や非行といった課題も、経験の浅い若い教員がクラスの運営や規律を維持できないことが要因の一つとしてあがっています。

 

ポスト高等学校の教室の様子です。(ウンピアム難民キャンプ)です。

 

このカレッジでは、2年間の一般教養を学んだあとに公共衛生の専攻コースが設けられています。

 

 

帰還に向けて

 

近年の本国ミャンマーへの難民帰還の動きを受けて、教育分野でも学生、教員の帰還準備として様々な取り組みがなされています。例えば、帰還を予定している学生に対して学業証明書を発行し、さらに教員が難民キャンプ内で受けた研修や教員経験を証明する書類を作成しています。なぜなら、現在難民キャンプでの学業証明書はミャンマー国内では公式に認められていないからです。タイ・ミャンマー(ビルマ)両国の教育支援団体がミャンマー政府に働きかけ、帰還に伴う円滑な学業の移行の実現へと努めています。

 

 

教育の質の低下に歯止めをつけるために

 

このような状況を受けて、シャンティが支援している難民キャンプのコミュニティ図書館では、これまで学校教育機関との連携を強化しています。具体的には、移動図書箱活動、学校図書館整備や教科書・教員指導書の印刷支援などを通して、学校教育をサポートする取り組みを実施してきました。また、非行が課題となっている青年世代を対象に、図書館青年ボランティアを組織化し、難民キャンプ内の各地区で読書推進活動も実施しています。これらの活動については、稿を改めて紹介したいと思います。

 

 

学習参考書の配布の様子です。(ウンピアム難民キャンプ)

 

 

ポスト高等学校の先生です。(メラウ難民キャンプ)

 

ミャンマー国内のカレン州へとドナーの活動が移っていく中で、学校の運営が難しくなっていると話しています。学校を存続させるためにも、学生と先生が協力してファンドレイジングイベントを開催するなどの活動も行います。

 

年々難民キャンプ内の教育状況が厳しくなると想定されていますが、私たちは継続して図書館活動を通じて学校教育の質の維持に尽力します。

 

皆さま、お力添えのほど、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

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