シャンティの菊池です。

先日NHKのラジオに出演した際に、日本から絵本を届けていることをお伝えしました。番組でお伝えしきれなかったのですが、現地でも絵本を出版しています。

 

今日は、番外編として、図書館の運営以外の活動について、ご紹介したいと思います。

 

シャンティでは、オリジナルの絵本の製作・出版事業も行っています。当事務所では、2001年から他団体との共同出版のものも含め、これまでに77タイトルの絵本を出版してきました。

 

難民のイラストレーターが描いた原画です

 

民話を収集して出版する絵本

ー文化を残していくためにー

 

たくさんの人が関わり出版する絵本が、

子どもたちに届くまでの道のりをご紹介します。

 

◇おはなしの作成、選定

絵本作りは、おはなしの作成または選定から始まります。難民キャンプの図書館では、民話や創作したお話を収集しています。以前は、難民キャンプに住む高齢者から、口承で伝わってきた民話を収集しました。おはなしの作成、選定後は、主にカレン語で書かれたおはなしをビルマ語と英語に翻訳します。

 

◇絵づけ

おはなしが決まった後は、おはなしとイラストのすり合わせなどを行いながら、絵本に使用する原画を作成します。原画を作成するのは、イラストレーターです。イラストレーターには、難民キャンプの住民や、メーソットで芸術活動をしているタイ・カレン族やミャンマーの方を採用します。

ページごとの文章とのバランスも考えながら、絵付けの作業に入ります。この過程では、イラストレーターと当事務所職員の話し合いが何度か行われます。

 

絵づけについて、何度となく話し合われます。

 

絵本文章は、カレン語での出版とビルマ語での出版という形を取ります。双方の絵本に、英語の文章も入っているため、3言語での文章の作成を行う必要があります。文章の校正や、どの単語を用いるか、などについても考えを巡らせます。

 

子どもたちに読みやすく、伝わりやすい絵と文章を完成させます。

 

 

◇◆◇ 絵本コンテスト ◇◆◇

上記のおはなしの作成・選定、絵づけ以外に、コンテストを通して、おはなしと絵を選定する絵本コンテストもこれまで実施してきました。この絵本コンテストは、「平和」や「環境」、「多様性」などといったテーマを決めて、難民キャンプの中でおはなしのコンテストと絵のコンテストを二段階で行います。優勝したおはなしの作品に絵をつけ、絵本として出版されることになるのです。これまでに難民キャンプでの絵本コンテストを通して出版した絵本は13タイトルあります。

 

以前の新着情報で、第三国定住したアメリカ在住のシーショーさんをご紹介しました。シーショーさんは、この絵本コンテストを通して、イラストが高く評価され、絵本が出版されたのでした。

 

応募作品の選定の様子です。

 

 

◇編集、ISBN取得、印刷

その後、おはなしと絵を合わせる編集作業を実施し、絵本全体の最終確認を行って、図書を特定するためのISBNコードを取得します。タイの法律に沿って出版図書はタイ文化省管轄の国立図書館を通して申請し取得します。これらの過程を経て、次に印刷・製本の工程に移ります。当事務所には印刷・製本の設備がないため、外部に依頼して行っています。現在は事務所のあるメーソット市内の印刷業者に依頼しています。

 

 

◇いよいよ、配架!

印刷・製本された絵本は、当事務所から難民キャンプのコミュニティ図書館、学校、NGO事務所やコミュニティ施設の他、難民キャンプ外の移民学校や医療機関などへ配布されます。

昨年は、2タイトルの絵本を出版し、カレン語版計2,000冊、ビルマ語版計2,000冊を配布しました。

 

子どもたちに届けたい!
たくさんの人と想いを一つにして絵本をつくります。
仕上がった絵本を配送する時は、感極まる思いです。

 

コミュニティ図書館でも、出版絵本は人気があります。子どもたちは、自分たちにとって親しみのある文化が描かれている絵本が好きです。おはなし会や読書推進活動においても、これらの図書は広く利用されています。

 

新しく配架された出版絵本を読む子どもたち(メラ難民キャンプ、第4図書館)

 

 

この子たちが、「難民」ではなくなる日は、

どんな一日になるのか、

私は図書館から想うのです。

 

あと29日!

引き続き応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

新着情報一覧へ