先人からの贈り物、古代からの貴重な大豆をこどもたちへ

前回は補助金がもらえなかった話でしたが、今回も似たような話で「認定農業者」という制度についてです。

 

「認定農業者」として国に認められると、いろいろなメリットがあります。その最大のメリットは超低金利でお金を貸してもらえるというものです。

 

事業をしたことがない方のために簡単に説明すると、普通に銀行から1,000万借りたとすると、だいたい5年間でおよそ1,400万返済することになり、400万以上もの金利を払うことになります（年利15%として）。

ところが、農業のために特別に用意された資金調達の方法を利用すると、上限額は10億円（！）、返済期間も最大25年（！）・・・金利も0.3%に満たないので、同じように1,000万を借りて、返済期間を5倍の25年にしても、金利は30万程度にしかなりません。

この資金調達の最大の要件がこの「認定農業者」であること。せっかく農業をしているのだから、これを利用しない手はないわけで、当然最初の段階からこの申請をしてきました。

 

ところが、やはりここでも「すべて加工品」というところで躓いてしまいます。

 

そもそも申請書がそうなっていません。申請書自体の項目が

 

作物名、面積、収穫量、キロ単価・・・

 

加工品なんて書く欄はありません。

 

大豆の場合ですと

 

大豆　1ha　2300kg　200円　＝　460,000

 

収穫量とキロ単価については一般的な栽培（農薬使用）の場合の指標が出ていますので、作物と面積を書いた時点で、自動的に算出されるようなものです。

 

ここくは自然栽培、在来種ですから実際は

 

大豆　1ha　1500kg　200円　＝　300,000

にしかならないのですが、こうした売り上げから経費を引いて300万以上の農業所得（純利益）を出す計画書を書かなければ認めてもらえません。＊今はコンバインもないので、1haの半分しか育てられていませんから150,000です。

 

これでは到底やっていけないので工夫をして加工品にして販売しているわけですが、書く欄がない・・・それでも工夫して加工品にした場合の計画書を別添の販売計画書などで補いましたが、最終的にはまた同じ答えです。

 

「前例がないので確証がもてません」

 

・・・そもそも農業は「営農類型」という分類がなされており、宮崎でいえばキュウリ、トマト、ナスなど、すでに取り組まれている農業の形で分類されていて、それぞれに数字の指標ができあがっています。当然、このどれにもあてはまらないので、この時点で門前払い。指標もなく、販売計画書を見ても役場は判断のしようがないというわけです。

 

こういうわけで、毎年1.5ha近い畑で汗をかき、草払いをしてきちんと農地を守っていても「あなたは農業として認めない」と言われ、補助金ももらえず、お金も貸してもらえず、7年間自己資金でなんとかかんとか奮闘してきました。

 

しかし7年間、奮闘してきた結果、たくさんのお客さんのおかげで「実績」ができました。

 

これが確たる証拠となり営農類型に「その他」という項目を設けることで、7年経った2020年にようやく「認定農業者」として認めてもらえました。

 

 

こうしてようやくお金を借りられるようになり、一般的な農業のスタートラインに立ったかのように思えました。次回は手厚くサポートされているはずの６次産業のための補助金についておはなしいたします。