カンボジア、プノンペンの歴史的建築物を長期に渡り保護したい。

▼自己紹介

 

プノンペンに残る数少ない歴史的建築物を安全に住める環境に変え、継続的に文化財として守りたい。

そして地域歴史文化を守る大切さを住民とともに考えたい。

 

はじめまして。

プノンペン中心部にあるフランス統治時代に建築された築100年程度の集合住宅の一区分を購入、内装をリノベーションして住んでいる内舘と申します。

 

私の住んでいる地域は19世紀末から20世紀初めに当時の宗主国フランスによって造られた街で、現在でもその頃の区画割は殆ど変わっていません。

街並みもフランス統治時に建設された建物が所々残ってましたが、近年の経済発展による都市開発により破壊されたり改築され新しい建物になっています。

今後も経済重視の都市開発によって、建物の歴史的価値を顧みないまま消えていくのはカンボジアの近代史を後世に伝えるうえで大きな損失となってしまいます。

 

• 1921年のプノンペン地図。赤丸の場所がプロジェクトの場所です。

• 現在の航空写真。

 

私の住んでいる住宅は古いですが、激動のカンボジア近代史を見続けてきた価値のある建築物という事で愛着が湧いてきます。

そして他の住民ともこれを話題に親交が深まり仲良くなり、カンボジアで言う“ソックサバーイ(心地良い)”　な生活が送れてます。

 

しかし、心地良い生活は送れても、それと同時にこの古い建築物は確実に着々と崩壊に向かってるという現実があります。

 

なんとか崩壊を食い止め持続的に維持するにはどうしたらいいか？

お金があれば解決できるが、足りない…

 

玄関ドアを開けるたびに天井の崩壊が見え、日々悩み、解決方法を考えてました。

そして今回一つの解決策が浮かんだので資金面で皆様に協力頂きたく思いクラウドファンディングに申し込みました。

 

私は移住して6年です。その間、カンボジアの人たちに、困った時に助けてもらったり、いろんなことで大変お世話になりました。

そのお返しに、まずは小さなコミュニティ内ですが、歴史的な建築物と生活の安全を守っていくというプロジェクトで、お互いの未来につなげていき、今以上の幸せを分かち合いたいと思っています。

 

• 建物外観。活気のある街の中心部に位置してます。
• バルコニーや柱にコロニアル建築の意匠があります。

 

• 建物内部。部屋はリノベーションすることで快適に過ごすことができます。建物外部もこのようにリノベーションが必要です。

 

• 建物の内側から見た外観。天井が高いです。
• 改装・増築されてますが、装飾など所々往年の雰囲気が残ってます。

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

良い建物だけど劣化が気になる、住むのが怖い。事故になってからでは遅い。

解決したいが住民に金銭的に余裕がない。

即急に何とかして修繕し、今後も修繕に困らないよう費用を捻出したい。

住む人に安全と文化を守る未来を作りたい。

 

完成から100年の間、南国の強烈なスコールと太陽熱に晒され、構造物にひび割れ、腐食など相当ガタがきてます。今までのメンテナンス不備もあり、このままにしておくと崩壊が進むだけです。

 

• 共用廊下の天井。雨水により腐食し、漆喰が剥がれており、時々破片が落下しています。
• 内部コンクリートも脆くなり一部は破損してます。非常に危険な状態です。

• 屋上の通路。雨が降ると水が溜まります。
• 排水がうまくできておらず、なかなか水が引きません。
• この水捌けの悪さが階下の天井に悪影響を与えてます。

 

• 共用階段。雨水処理が機能していなく、雨水の通り道となっています。
• そのためコンクリート階段のひび割れ、剥がれがあります。
• 気をつけて利用しないと転んでしまう可能性があります。

 

 

3階建で21区分あり住民も多数住み、もちろん子供達や高齢者もおります。

 

皆んな毎日通路の天井から何が落ちてくるか警戒し怯えて生活しております。

特に小さな子供がいる親は、天井から瓦礫が子供の頭に落ちてこないか心配で、絶対に共用部分では遊ばせません。

 

特に劣化がひどい3階共用部分と屋上通路を安全のために修復延命工事をしなければならないのですが、私も含め住民(ほぼ地元民でオーナーだが日々の生活でいっぱい。場所柄観光関係者が多くCovidで大打撃)は修繕資金の余裕がありません。日本のような管理組合的なものもありませんし、もちろん行政は何も関与しません。

 

そこで、なんとかしようと日々悩み考えて、一つのアイディアが生まれました。

 

古い建物ですので一時的な修復だけでは一時寿命を延ばしただけに過ぎず意味がありません。継続して建物を保全するには定期的な修繕が必要になります。

その修繕費を捻出するため、建物を利用して長期的に資金を調達しようと考えました。

ちょうど私の所有区分の上部にスペースがあり、そこに部屋を増築し、民泊等の貸し部屋として資金を獲得し修繕費として積み立てていくという計画です。

折角ですので、貸部屋以外にも住民同士のコミュニティスペースとしても利用します。

今後の管理を考えたり、問題のある箇所を話し合ったたり、子供が安全に遊べる場として、交流パーティをしたり、という事を考えてます。

 

この計画の初期にかかる費用を日本の皆さまから募って、問題箇所を修繕し建物を維持できるシステムを構築したい考えです。

 

そして、この価値ある建築物に住民が愛着をもち文化財として保護しつつ、安全に末永く暮らせる住居にしたいと考えています。

 

 

 

▼プロジェクトの内容

 

まずは危険箇所の修復、悪化防止。

今後の修繕費も生み出し不安の解消を。

もう恐怖もなく住民が楽しく安全に過ごせる大切に思える、生きた建築文化財にする。

 

構造物(共用階段、通路、天井、雨水排水設備)の修復・強化・防水・美装。

 

防犯の為、タイマー付きソーラー照明を共用通路に設置。

 

今後の修繕費を確保するための収益施設としての住民交流スペースを兼ねた宿泊設備。

サイズ4m*15m、上部ロフト部屋設置。

景観を崩さない方法で建物内側屋根裏に建築

 

• 屋根裏へ設置するゲストルーム、交流スペース案

 

• 通り裏側の目立たないところに設置。逆サイドの通りに面した部分は外観を現状維持します。

 

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

収益施設設置により継続的に修繕費用が捻出でき、長期に渡り建物メンテナンスできるようになります。

このモデルは、住民はもちろん、周辺の住民も興味を持つはずです。

それによって近隣地域内での交流が今まで以上に深まり、お互い啓発し合い、美しく魅力ある地域になると期待します。

これからの未来を背負う子供達にも良い影響を与えると思います。

そして支援いただいた日本の方を通じて日本の印象がカンボジアでますます良いものへとなる事を期待してます。

 

安全で住みやすくなるとここに愛着も生まれ、収益によって日頃からメンテナンスも行うようになり建物も長く存在できると思います。

 

この建築物はプノンペンで数少なくなってきてるフランス時代を偲べるフレンチコロニアル建築であり文化財です

今住んでいる子供達の未来に残すために今のうちに保全しておきたいのです。

 

病院や学校建設のような直ぐに大人数に役立つプロジェクトではないですが、

長期的には必ずカンボジアという国の今以上の文化的発展、観光資源、教育の充実という事で役立つものと思ってます。

 

カンボジアは親日家の方が多く、私が日本人と分かるととても親密に接してくれます。

このプロジェクトにより一層日本人に親密が増すと考えます。

そんなカンボジア人の感情を今後何世代にも渡って続くよう、小さなコミュニティ内ですが実現したいと思っています。

 

私はカンボジア、この街、この建物が好きで、今後も可能な限りこの街に住む考えです。

この小さなプロジェクトを足掛かりにカンボジアと日本の架け橋となり、お互いの未来をより良いものへとしたいと思います。

 

 

• 子供たちの笑顔がいつまでも続く明るい未来を共に。