スタニスラフスキーシステム



僕は、俳優を始めた最初の演技学校でスタニスラフスキーシステムという演技のシステムを学びました。これは過去の記憶や出来事を思い出して使うのではなく、実際に芝居をしている時に想像力を使って周囲の状況をリアルに感じていく方法を使います。

たとえば、空のコップの中に熱いコーヒーが入っていると想像して、リアルその香りや熱さを感じとっていきます。面白かったのは、本当に役者が感じている時には、何を飲んでいるのかが伝わってくるんです。少しでも何を飲んでいるかが明確でないと、見ている側は違和感を感じます。お茶を飲んでるのか、冷たいのか熱いのか。一体役者が何をしているのかわからなくなります。演技とは、日常無意識にやっていることを意識化して、それを表現する場なのだと学びました。演技をすればするほど、自分が日常でどれだけ無意識に人生を過ごしてきたのかがわかるのです。そして、意識的になればなるほど、演技力は向上していきました。僕は、外側のどううまく見せるか、声色を変えるかといった技術を一切学んでおりません。すべて内側を変化させることだけをやってきました。

芝居にのめり込めばのめり込むほど、人間としても自由になっていきました。

ですから、僕は芝居がやめられないのです。


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