予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい

予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 3枚目
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 2枚目
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寄付総額

10,420,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
289人
募集終了日
2024年10月31日

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2024年10月12日 12:00

【CF34日目】どうして45mmなのか

皆さんこんにちは、樺です。

 

本日は、

何故F-HAAAT試験の参加基準は「腹部大動脈瘤の直径≦45mm」なのか

についてです。

 

腹部大動脈瘤は大きさによって破裂率が異なることを前回お話いたしました。現在ガイドラインに記載されている手術の基準は55mmが絶対適応50mm以上で推奨、です。

 

45mmという数値は出てきていません。では今回我々はなぜ45mmに設定したのでしょう。

実は腹部大動脈瘤は、概ねの年間成長率が分かっています。もちろん、これまでもご説明してきたように、AAAは成長したりしばらく休んだり、成長のペースが読みづらい特徴があるのですが、たくさんのAAA患者さんのデータから平均してこれくらい1年間に大きくなる、という数値はわかっています。

45mmのAAAの場合、概ね3.0mm/年程度の成長率と予測されています。単純に考えれば平均的には、試験開始時に45mmの方は試験終了時(1年後)は48mmくらいの可能性があるということです。しかしヒトの体は機械ではありませんので、予測式通りに変化するわけではありません。余裕を見て1.5倍の速さで悪化しても49.5mmと、手術の推奨基準である50mmには届きません。つまり、臨床試験の期間を、手術へ移行することなく安全に過ごせる可能性が高いのは45mmの方までかな、と考えられるわけです。

 

女性の腹部大動脈瘤の場合は体格等も考慮され、45mmで手術推奨基準となる場合があります(これは施設や手術を担当される方の考え方にもよります)。また、AAAは虚血性心疾患をはじめとした、他の病気と合併している可能性があり、特に45mm以上のAAA患者さんでは心不全等の合併症が起こる確率が少し高くなるとも報告されています。

 

我々のF-HAAAT試験は、ヒトAAAに対して初めてトリカプリンを使う試験ですので、安全性が重要視されます。リスクが少し高いとわかっている45mm以上の方々をエントリーさせてしまうと、トリカプリンのAAAに対する安全性が過小評価されてしまう可能性が考えられます。また、倫理的に「効果があるかわからないものを、ハイリスクな人に使うのはどうなんだ」という話にもなります。

 

こういった理由から、45mmまで、と決めているのですね。

実際に試験に参加を希望されて受診された患者さんの中には、46mmだったのでお断りせざるをえない方もいらっしゃいました。「1mmくらい良いじゃないか」と思っていたと思うんですが、その方はそんなことは決して仰らず、45mmを超えると試験に入れない理由をしっかり説明させて頂いて、納得してお帰りになりました。

 

この1mmで何が変わるんだと言われたら、わからないとしか答えられません(まだ結果が出てないので)。しかし、一番最初の臨床試験で不安な結果が出てしまったら、そこから研究を発展させるハードルはとても高くなりかねません。

安全性試験と謳っている以上、基準に対して妥協ができないところは、日常臨床と違って少しいじわるなようで、辛いところだなと思っております。

 

 

では、また次回。

ギフト

3,000+システム利用料


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3千円:腹部大動脈瘤の治療薬創出を応援

⚫︎寄附金領収書
⚫︎お礼のメール
⚫︎研究成果報告書(研究成果のご報告に関する書類を作成しメールでお送りいたします。研究終了後、2026年3月ごろに送付予定です。)
⚫︎大阪大学未来基金HPに寄付者のお名前掲載(ご希望制)

▽累計50万円以上のご寄附をいただいた方は、ご芳名をプレートに記し大阪大学施設に掲示。
※累計額は大阪大学クラウドファンディングを含む、大阪大学未来基金へのご寄附を累計します。大阪大学未来基金についてはHPをご覧ください。
https://www.miraikikin.osaka-u.ac.jp/

申込数
130
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年4月

10,000+システム利用料


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申込数
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