国内初！国際小児脳腫瘍のファミリーデーを開催したい！

第19回国際小児脳腫瘍シンポジウム (ISPNO2020) の会長を務めさせていただいております、国立がん研究センターの市村幸一と申します。ISPNO2020は2年に一度アメリカ・ヨーロッパ・アジアの回り持ちで開かれる、世界最大の小児脳腫瘍のシンポジウムです。世界中から専門家が集まり、脳腫瘍に苦しむお子さんたちのより良い治療や成長を助けていくことを目指して、最新の研究成果を発表して意見を交換する学術集会です。

実は日本の小児脳腫瘍研究は、以前は世界に大きく後れを取っていました。しかしこの数年、日本でも徐々に共同研究体制が整えられて研究が進み、ようやく国際社会の歩みに追い付きつつあります。この結果が、最先端の診断法や治療が日本の脳腫瘍のお子さんたちにできるだけ早く届けられる機会を作ることにつながることが期待されています。

このように国内外で小児脳腫瘍に対する関心が高まっている中で、この領域における世界のトップの研究者がほぼ全員日本に一堂に会するISPNOを今回日本で開催できることは、私たちにとって大きな喜びであります。ISPNO2020は必ず日本における小児脳腫瘍研究を前進させるきっかけとなり、また日本発の研究成果を世界に発信することができる機会になると考えております。

私たちは3年前からISPNO2020の開催準備を開始し、前回のデンバー大会（2018年）で正式に開催がアナウンスされてからは、国立がん研究センターで小児脳腫瘍に関する市民公開講座を開催するなど、一般の皆様への小児脳腫瘍に対するご理解を深める活動も行ってまいりました。シンポジウム開催まではあと4か月余りとなり、すでに前回大会をはるかに超える過去最大の発表演題が集まっております。

このように世界から注目を集めるISPNOですが、他の学術集会との大きな違いは、ISPNOでは患者さんご本人やご家族のためのファミリーデイという集まりも企画されていることです。学術シンポジウムが医師・研究者のためだけの学会ではなく、その成果の受益者であるべき患者さんとご家族にも、ISPNOをより実りあるものとするためにご参加いただいております。

ISPNO2020でファミリーデイを開催することは大きな意義があります。皆様の温かいご支援を、会長として心よりお願い申し上げます。

第19回国際小児脳腫瘍シンポジウム

The 19^th International Symposium on Pediatric Neuro-Oncology

(ISPNO2020)

会長　市村幸一