プロジェクト終了のご報告
皆様ご無沙汰しております。2023年5月から7月にかけて実施したアウトリーチ・訪問看護の継続活動のためのクラウドファンディング「ラオスで訪問看護を続けたい。山を越え悪路を進み、子どもたちのもとへ」では、多くの方にご支援をいただきました。改めて感謝を申し上げます。おかげさまで無事にゴールを達成し、そして、1年が経過しましたので、これまでの成果をご報告したいと思います。
■まずは活動のメインとなる訪問看護のご報告です。
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2023年 |
2024年(1月‐8月) |
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訪問件数(月平均) |
584件(49件) |
431件(53件) |
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走行距離(月平均) |
41,817km(3,485km) |
29,406km(3,676km) |
訪問件数、走行距離共に昨年よりも多くなりました。2023年の走行距離が4万キロを超えていますが、それは、地球1周と同じです。今年は、それを更に上回ることが予測されます。4万キロと言ってもただの4万キロではないです。こんな道を走って、走っての4万キロだということを皆さんにお見せしたい!
▼動画
活動の拡大につながった要因の一つは、4月に新たにソーシャルワーカーを1名雇用し、対応できるキャパシティが広がったことがあります。それまではソーシャルワーカーは1名でした。しかし、当院がかかわる患者さんには、安心して医療を受けることを妨げる様々な問題を抱えていることが多々あり、ソーシャルワーカーのニーズはとても高くなっていました。
プロジェクト概要でお伝えしたように、入院した患者さんが退院しスムーズに家庭での生活へ戻るためのサポートや、安心して治療を受けるために必要な経済的サポート、社会心理的サポートなど、身体だけ治せばよいということではないことを日々実感すればするほど、「やるべきこと」と「できること」の間のギャップにストレスを感じていました。しかし、このクラウドファンディングで多くの皆さんに支えていただき、活動の継続と、更に充実したサービスを提供することが可能となり、新たなスタッフの雇用へつなげることができました!
これまでは、訪問看護へは看護師が行くことが常でしたが、身体の回復後もその健康を維持するためには、環境や教育は大きな要素となります。そのようなサポートのために、ソーシャルワーカーが単独で訪問する日もあり、その分、訪問数も増やすことができたと振り返ります。
活動が広がったもう一つの要因は、訪問看護師が運転免許を取得し、自ら運転し訪問看護に出られるようにしたことがあります。そうしたことで、車2台で別の地域へ行けるようになり、また緊急な患者さんの搬送や患者さんからのSOSに対応できるようになったことは、単に訪問数が増えただけではなく、より必要な時に必要なケアの提供ができるようになった =(イコール) つまり、遠かった医療が少し近づいたのではないかと思っています。
■次は、院内での活動についてのご報告です。
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2023年 |
2024年(1月‐8月) |
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電話コンサルタント |
966件 |
739件 |
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経済アセスメント |
324件 |
260件 |
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カウンセリング |
801件 |
519件 |
他にも院内活動はありますが、主だったものをあげました。今年の12月までには2023年の数字を超えることが予測される数字となっています。
- 電話コンサルタントは、電話で状態を確認して状態や服薬の状況、食事の摂取など必要に応じた情報を得て対応を検討する材料にしたり、また、患者さん側からどうしたらいいだろうか?という連絡が入り、その対応をする活動になります。
- 経済アセスメントは、治療を継続するには、院内での食材提供、交通費支給、その他のサポートが必要な患者さんがいます。限られた財源を適切に使うことを念頭に、この経済アセスメントが始められました。この経済アセスメントの項目には、収入をはじめ、家族メンバーリスト、土地の広さ、水源、住宅の作り、家畜の有無など、ラオスの文化を考慮に入れたものになっています。
- カウンセリングは、病気の治療を安心して継続することができなくなるような様々な問題や悩み事をかかえて来院しているご家族は、たくさんいます。また、当院は15歳以下の子どもたちを対象に医療を提供していますが、ティーンエイジャーはどこの国も悩んでいます。患者さんの親が、そのティーンエイジャーであることも多々あります。そのようなケースに、個別にお話しをしていることをカウンセリングとしています。
このような活動の件数が増えているということが、患者‐医療者間の信頼関係を強くする効果はとても大きいです。件数の増加=患者さんや家族との時間が増えるのです。次々と患者さんを診療しなければならない医師との距離をこの活動が縮める役割をしているのです。
皆さんのおかげでこのように活動の幅を広げ充実させることができました。スタッフたちも【やりたいことvs出来ること】のフラストレーションを感じていましたが、訪問件数や頻度を増やすことができたことは、患者さんに必要なケアを提供するという意味では、スタッフも満足する結果となりました。もちろん、まだまだ今後の充実は必要ですし、これで終わりではありませんが、将来の発展へ向けて大きな一歩になったことは皆さんからのご支援がなければ成し得なかったと改めて感謝をお伝えしたいです。そして、今後もこの活動の意義を証明すべく、スタッフ一同頑張りたいと思います。
ありがとうございました!!


















