寄付総額
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- 2022年8月29日
<カリフォルニア・ファージ書簡> 第4回
<カリフォルニア・ファージ書簡> 第4回 ファージセラピー研究最前線
皆さんこんにちは。本日はUCSDから藤木がファージセラピー研究について記事をお届け出来ればと思います。 ※普段より少々記事が長いです。
日本では未だファージセラピーについて馴染みがあまり無いかと思いますが、西洋諸国でも決してメジャーな治療法という訳では有りません。しかしながら、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌の顕在化を背景に、確実に注目を大きくしている感染症治療法の一つです。ヒト医療への応用はもちろん、家畜やペットに対する応用も行われていて、意外に思われるかもしれないですが、ポーランドなどの製薬メーカは養鶏や水産業向けのファージ製剤を既に販売もしています(Proteon Pharmaceuticals: https://www.proteonpharma.com/)。以前にProteon Pharmaceuticalsの担当者の方と話した際には、日本は「進出が極めて難しいマーケットだ」と仰っていました。これは新しい製剤の承認・販売プロセスが行政的にとても難しいことを受けての感想では無いかと思います。
しかしながら、これは逆手をとると国外のメーカは日本のマーケットを注視しているとも考えられます。すなわち、日本国内でファージセラピー研究が進展し無いと、もしかすると30年、40年先には、日本では輸入されたファージ製剤、ファージセラピーにしか頼れなくなるのかもしれません。このコロナ禍にあっても、日本のワクチン、抗ウイルス薬の開発・製造は欧米諸国の後塵を拝した感が否めません。この点から鑑みても、現在のフェーズで日本のファージセラピーを大きく前に転がすことができるか、これは2100年くらいの日本の医療基盤を占う上で、極めて大切な時期と考えています。今この記事を読んでくださっている読者の皆様も、ファージセラピー的にはそんな重大局面の転換期を生きているということです!今回のクラウドファンディングを契機に、ファージセラピーの盛衰を注視頂き、ぜひ歴史の証人になって頂きたいくらいです。個人的には、自分が晩年に病床に臥す頃に、病室のベッドで遂に国内製造されたファージバイアルを片手にとり、研究生活を回顧できれば満点のスピード感かなとも思っています。
さて、そんなロングスケールの規模間でも、自分の目の前でできることは一つ一つの実験でしかありません。しかしながら、そんな小さな実験の積み重ねだけが、恐らくとんでもないステージまで続く唯一の道のりの様にも思えます。本プロジェクトのリーダーである岩野教授が書かれているように、日本のファージセラピーは獣医から始まりましたね、と言われる様に基礎実験や臨床試験症例の成功に向けて邁進するのみです。
本学の臨床試験症例でも言えることですが、これまでのファージセラピーの適応症は、いわゆる古典的な“感染症”でした。つまり、原因となる細菌が患部で悪さをし、炎症を起こしているようなケースです。例えば欧米で開発が進められてきたファージ製剤は、耳の炎症(外耳炎、酪農大でのファージセラピー成功症例と同一)や熱傷に伴う皮膚感染、術後の創傷感染などをターゲットとしてきました。自分が日本で所属している酪農大・獣医生化学教室でも、基本的にこういった感染症を解決するための手段としてファージセラピーの研究を展開しています。もちろん、原因となる細菌に抗菌薬が効きにくいことが大きな問題です。一方で、私たちの最新の研究成果では、細菌はファージにも(特に試験管内ではとても簡単に)耐性化し、抗菌薬同様の課題が有ることを提示しています。そこで、私たちが取り組んでいることが、①ファージ耐性化の根本的な阻止、そして②ファージ耐性化の“都合の良い”誘導です。
①は、とても分かりやすいアイデアで、世界的にも、複数のファージを組み合わせて(なんでも良いという訳ではない)カクテルにすることで効果が得られることが実証されています。我々も、緑膿菌に対して効果の高いファージカクテルの設計方法を見出したり、或いはそういった考え方に基づいて臨床試験に臨んでいます。また、②の戦略では、“都合の良い”誘導って何?と思われると推察されます。ファージセラピーでは基本的に抗菌薬が効きにくい細菌を相手にする訳ですが、例えば、そんな細菌がファージに耐性化してしまった時、かわりに抗菌薬の効き目が回復すればなかなか凄くないでしょうか?これがファージ耐性化を感染症治療にとって都合よく、有利に誘導するという方策です。私たちの最新の研究では、緑膿菌に対してこういった戦略が有効となるパタンを発見し(つまりファージが効かなくなると今度は抗菌薬の効き易さが上がる仕組みを発見!最後に抗菌薬でとどめをうてる!)、また、他の薬剤耐性菌に対してもファージに耐性化すると劇的に抗菌薬が効きやすくなる場合があることを見出しています。
一方で、UCSDで取り組んでいる研究では、“非”感染症領域におけるファージセラピーの実現を目指しています。こんな背景もあって、UCSDでの細かい所属は医学部消化器内科学講座になっています。ご存知の方も多いかもしれませんが、私たちの腸内には本当にたくさんの細菌が存在しており、いわゆる腸内細菌叢を構成しています。もはや一つの臓器として振舞っているかのように、私たちの健康にとても大きな役割を果たしています。特に、自分がUCSDで所属しているラボでは、この腸内細菌叢の乱れと肝臓病との関係を専門としています。これまでに、腸内で特定の細菌種が増えると、それに伴って肝疾患が引き起こされることを発表しています。こういった疾患は、感染症のように急激な変化を伴うというよりは、いわゆる慢性的な経過をとることが多く、じわじわと進行するまさに生活習慣病のイメージです。
既にお気づきの方も多いかもしれませんが、肝臓病の原因の一端を腸内の細菌が担っているということは、“腸内細菌叢の乱れをファージで改善すると、もしかすると慢性肝臓病も良くなるかも!”と考えることができます。これが自分のUCSDでの研究テーマです。腸内細菌叢の乱れを抗菌薬で治そうとすると、いわゆる体にとって良い細菌までも殺菌してしまい、より一層腸内細菌叢を乱してしまう懸念があります。なので、特定の細菌だけを殺菌できるファージが良い(良い細菌は殺菌しないで残せる)という理屈になります。
UCSDではこういった非感染症領域でのファージセラピーの研究に着手できましたので、日本に帰国後にはこういった慢性代謝性疾患なども対象にファージセラピーの枠組みを拡張できればと思っています。是非、臨床試験まで繋げたいプロジェクトです(一方で、自分の専門領域のラボに留学すると、帰国後にその焼き直しや違う種類の同じものをやりがちなのが少し怖いですね、つまり本当の意味の斬新な発見が少なくなるかも)。ひた向きに新しい発見に向けて少しずつデータを蓄積して行ければと思います。配信の残り回数も少なくなりましたが、次回はサンディエゴの魅力をレポートしたいと思います!
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