オールマイティ485系、1964-2022

このプロジェクトの実施期間中に、まさか485系最後の2編成だった、JR東日本の「リゾートやまどり」と「華」のお座敷列車が引退する＝絶滅する報を聞くとは思いませんでした。

車体こそJR化後に新造された真新しい電車ですが、走行機器や電気部品の多くは国鉄時代に製造されたものを今まで利用していました。

願わくばその車体だけでも客車化するなど活用し、第三セクター鉄道や観光私鉄の光明に活かせればと願うばかりです。

 

2017年にはクハ489-501を、昭和39年12月25日にデビューした当時のクハ481-3の姿にしました。

この際にも多くの部材を造ったり治したりしながら、出来るだけ忠実に当時を再現しました。

ただ、その際分かったのが、補修をすればするほど車体の劣化部分が極めて限定的で把握すれば容易に更新出来るということでした。

車体を新造せずとも、劣化部分を一旦根こそぎ剥ぎ取れば、また見違える姿に出来る事が分かり、徐々に車体補修の考え方を鉄道会社方式から自動車鈑金方式へと変化進化していくきっかけになりました。

 

 

北陸には多くの485系団体列車が足跡を残しています。

中でも一番親近感があったのは、「シルフィード」「ＮＯ．ＤＯ．ＫＡ」の上沼垂運転区の3両編成でした。

ディーゼル発電による電源装置まであった、いわばゲテモノで、前面展望は165系パノラマエクスプレスアルプスとほぼ同じ、車内はグリーン車時代には座席中心でしたが、普通車格下げに際してカーペット車となり、故障して自走不能になっても機関車が牽引して事も無げに団体輸送をしていたのは印象深いです。

 

 

勝田電車区の「リゾートゆう」も全車車体新造で、651系スーパーひたちのタキシードボディと言われる白いスタイルに対し、ドレススタイルとでもいいましょうか、ピンク系で艶やかな、いかにもバブル時代の落とし子な室内と相まった列車でした。

なかなか北陸に来てくれる機会はありませんでしたが、それでも茨城から石川まで直通運転もしましたし、碓氷峠を越える事も、非電化区間を電源車を借りて乗り入れる事も出来ました。

 

 

パッチワークのようなデザインで派手目な印象だったのが「きらきらうえつ」で、年に１，２回だけ、普段の羽越本線の定期快速列車の運休日に団体で北陸へ来る機会がありました。

これも485系で、先頭車のうち1両に至っては、489系付随車のサハ489を生れに持つ改造先頭車クハ481-753を改造しています。

 

 

 

最後まで残ったのが、せせらぎ、やまなみとして高崎支社のリゾート列車で運行後、4両2本から6両1本にまとめられた、「リゾートやまどり」です。

じつはこの、最後の485系の先頭車は、元は181系グリーン車だった超キワモノです。

特急ときに使われ、昭和57年の廃止と181系廃車の後も、485系に転用する前提で製造されていましので簡易改造で編入され、青森区では「白鳥1・4号」として福井にも乗り入れています。

 

そんなリゾートやまどりの先頭車の元を辿ると、特急ときで一緒に連結されていたであろうクハ180-5の姿を再現しようという企画にも、国鉄の正統な特急形電車の歴史の彩を添えるという大義が備わったように感じます。

とはいえ、先ずはプロジェクト達成が大前提ですので、何卒この機会を盛り上げて、皆様のご支援をお願い申し上げます。