ウクライナ難民への緊急支援にご協力をお願いします

寄付総額

19,572,000

目標金額 1,000,000円

寄付者
1,945人
募集終了日
2022年5月26日

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2022年03月11日 12:17

「祖国防衛に残った夫と息子が心配」ウクライナ難民の女性たち

ウクライナ難民の母子=ワルシャワ郊外で3月10日撮影
ウクライナ難民の母子=ワルシャワ郊外で3月10日撮影

 

ロシアの軍事侵攻にさらされる東欧ウクライナでは、一般市民など数百人が死亡し、約200万人以上の難民が周辺国に逃れたほか、同国東部など比較的安全な地域に留まる国内避難民も100万人超に上ります(3月10日現在)。西隣のポーランドには難民の半数以上が流入し、恐怖と不安の中で避難生活を送っています。AAR Japan[難民を助ける会]はポーランドのカトリック修道会などと連携し、ウクライナ側に支援物資を送る活動を開始しました。AAR東京事務局の中坪央暁がポーランドの首都ワルシャワから報告します。

 

誰も予測していなかった事態に

「町中に突然、警報のサイレンが鳴り響き、やがて爆撃の音が遠くのほうから段々と近づいて来るのが分かりました」。ウクライナの首都キエフの西郊ジトーミルからポーランドに避難したルバさん(43歳)は、ロシアの軍事侵攻が始まった2月24日の様子を語りました。ワルシャワから車で南西に約1時間の田舎町。地元自治体が借り上げた簡素なホテルに、ルバさんたちウクライナ難民が数世帯仮住まいしています。

 

 

ジトーミル市長が女性と子どもの即時退避を呼び掛けたため、ルバさんはリュック2つだけを持って、12歳と3歳の息子2人を連れて用意されたバスに乗り込み、24時間かけてポーランド国境にたどり着きました。越境して別のバスでワルシャワまで移送されたものの、この先どうしたらいいのか途方に暮れていた時、ボランティア関係者の紹介でカトリックの修道院に送られ、数日間過ごした後にホテルに移動となりました。

 

避難先のホテルで避難時の様子を話すウクライナ難民の女性たち=ワルシャワ郊外で3月10日撮影
避難先のホテルで避難時の様子を話すウクライナ難民の女性たち=ワルシャワ郊外で3月10日撮影

 

ルバさんは「工場労働者の夫(46歳)は志願してウクライナ軍に加わりました。長旅に耐えられないので仕方なく残してきた76歳の老母を長男(20歳)が世話していますが、間違いなく徴兵されるでしょう。そうしたら母はどうなってしまうのか、夫と息子は生き延びられるのか、ただただ心配でなりません」と訴えます。


2014年にロシアに併合されたクリミア半島に近いサポリージャ州のアリナさん(35歳)は、2人の娘と避難して来ました。「ロシア人の住民も多い地域ですが、私たちウクライナ人との間で対立感情もなく、平和に暮らしていました。こんなことが起きるとは誰ひとり予測していなかったのに…」。アリナさんのエンジニアの夫(36歳)も現地に残り、ロシア軍の侵攻を阻むためのバリケードを築いているといいます。

 

「汚れなき聖母マリアの修道女会」のマザー・レティツィア(中央)とシスターたち=ワルシャワ郊外の同修道院で3月10日撮影
「汚れなき聖母マリアの修道女会」のマザー・レティツィア(中央)とシスターたち=ワルシャワ郊外の同修道院で3月10日撮影

 

ウクライナ政府が祖国防衛のために18~60歳の成人男性の出国を禁じたため、難民は女性と子どもが大半を占めます。女性たちは「ウクライナ人は強い精神を持っています。自由を求めるウクライナが最後には必ず勝ちます」と異口同音に訴えながらも、祖国に残る夫や息子、兄弟、高齢の親を思い、時おり涙ぐんでいました

 

修道会を通じた国内避難民支援

AARはポーランド・ウクライナ両国にネットワークを持つポーランドのカトリック教会「汚れなき聖母マリアの修道女会」と連携して、当会に寄せられたご寄付で調達した支援物資を陸路越境してウクライナ西部に輸送する支援活動を開始しています。同修道女会の支部であるウクライナ西部テルノピリ州の修道院には2月末以降、ロシア軍の攻撃を受けた北東部の都市ハリコフの母子施設で暮らしていた約70人の女性や子どもが身を寄せています。

 

 

ウクライナ西部テルノピリ州の修道院のシスターたち(オンライン会議)
ウクライナ西部テルノピリ州の修道院のシスターたち(オンライン会議)

 

同修道女会トップのマザー・レティツィアは「テルノビリ州の修道院は、国内に留まりたいという母子の避難先に加え、ポーランドを目指す避難者の臨泊施設としても機能しています。一帯には数千人の避難民がおり、これまでに2度送った食料や衣類、医薬品、衛生用品は修道院だけでなく、近隣でも配付しました」と説明します。混乱の長期化を見越して、この修道院は母子をはじめ東部地域からの避難者がある程度の期間、落ち着いて生活できるように200人規模の受け入れ態勢を整える計画です。

 

ワルシャワの修道院に集められた支援物資。ご寄付をお贈りいただいた一般社団法人Think The Day(道休紗栄子・代表理事)のロゴが貼られている=3月10日撮影
ワルシャワの修道院に集められた支援物資。ご寄付をお贈りいただいた一般社団法人Think The Day(道休紗栄子・代表理事)のロゴが貼られている=3月10日撮影

マザー・レティツィアは「仮に戦闘が終わっても、避難した人々がすぐに帰還できるわけではありません。今は緊急物資の提供が急がれますが、その先も必要な限り支援を続ける必要があると考えています」と話し、「AARを通じて日本から寄せられた支援に心から感謝します。ウクライナの人々を救うために、これからもどうぞ力をお貸しください」と訴えています。


国際秩序を根底から覆す軍事侵攻によって発生したウクライナの混乱は、21世紀最大級の人道危機へと拡大しています。AARのウクライナ難民・国内避難民支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。

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