今回は、アーカスプロジェクトの日頃の活動紹介をさせていただきます。

アーカスプロジェクトでは、アーティスト・イン・レジデンスプログラムの他に、「地域プログラム」という、地域のさまざまな世代の方々が、アートを身近に体験出来るプログラムを実施しています。アートと地域を繋ぐことで、地域の人々が主体となって芸術文化活動に関われる環境づくりに取り組んでいます。

 

今回ご紹介するのは、アーカス‖シェア‖スタジオ

あらゆる創造活動支援を目的に、期間限定でスタジオの貸し出しを行っています。自身の作品制作はもちろん、スタジオ利用者さんは、自主企画のワークショップなどやりたいことに挑戦できます。

7月29日(金)・30日(土)には「書アート体験」というワークショップを開催しました。企画者は茨城県守谷市在住の現代書家、熊谷雲炎(くまがい うんえん)さんです。

 

 

ワークショップの対象は4歳以上。子どもから大人まで参加できます。
29日(金)は13:00と15:00の回、30日(土)はその2回に加えて11:00の回も実施しました。1回の体験時間は約1時間40分です。

 

最初に書にまつわる基本的なお話を聞き、その後は大きな毛氈に身体ごと乗って、まずは自由に筆を扱うための

 

 

1. ひく
2. つく
3. ねじる
4. たたく

の練習です。例えば、「“ひく”線の場合、学校の書道の時間に習ったであろう“線を引くときは、ななめ45度から入る”というようなルールはあまり必要あ りません。」や、「“たたく”では淡墨だと、美しい飛沫が生まれます。」というようなコツを教わりつつ、さまざまな表現に挑戦です。

 

 

 

ちょっと変わったものを筆にしてみたり…これはフルーツなどの梱包によく使われているネット。

 

同じ筆でも上の端を持つとコントロールしにくくなり、予想外のかたちが生まれます。

 

 

見ていてハッとさせられたのは…
間違えて紙を2枚重ねて書いてしまった参加者がいて、下の紙にも墨が染み込んで滲みがついてしまっていました。この子に対して雲炎さんがしたアドバイスは、「その下の紙についた滲みを利用してさらに書き足してみても面白いかもね。」というものでした。

 

 

1枚の紙の上に、異なる濃さの表情が同居している様子が何とも新鮮でした。

 

今回使用している淡墨は雲炎さんがさまざまな材料を配合してつくったオリジナルのものです。写真一番右に見えるものは『黄山松雲』という古墨で大変古いものだそうです。非常に高価なもので、色が大変美しいとのこと。そういったことも聞いて初めて知りました。

 

違う筆を3本まとめて使うという素敵な発想も生まれました。

 

 

参加者は、たくさん制作した作品の中から気に入ったものを選んで落款(らっかん)を入れてもらいました。今回のために作った雲炎さん手製の「ARCUS」という落款です。

 

 

押す場所によって作品が締まったり、より広がっていったりと、落款の妙。とでも言いましょうか…。見ていてとても面白いです。

 

 

最後に全員の作品を並べての鑑賞会です。

 

 

背後から入る自然光が、紙の透ける感じや、繊細な墨の表情を浮き上がらせ、床に置いてみていた時とは違った印象を与えてくれます。

 

 

今回が初めての書道というお子さんもいらっしゃいました。こんなに本格的で自由な「書」を体験した参加者の皆さんの今後も楽しみです。
少し「書」に対するイメージも変化したのではないでしょうか?
 

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ちなみに、雲炎さんの前日までのご自身の制作風景もご紹介します。

 

 

 

大きな筆を用いて書く場合は、ご自身の身体性、例えば身体の運びや呼吸などが作品の仕上がりに深く関わるそうです。

 

 

…とこのように、

アーカスプロジェクトは、芸術文化に興味のある方がイベントに参加するだけでなく、プレイヤーとして活躍できる場を提供し、支援しています。

あらゆる人々が主体性をもって関わり、交流できる場所、それがアーカススタジオです。

 

 

 

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