みなさんこんばんは。いよいよ9月に入りました。

最終日の9月9日が近づいてくると、わたしたちが今、何ができるか色々考えます。。。はやる気持ちをおさえたいところではありますが、まず目の前のレジデンスプログラムをしっかりとこなすこと、ということでスタッフ一同、今年のレジデントアーティストを迎えて最初の一週間を過ごしています。

 

彼らにとって初めての日本。関東、茨城、そして守谷。

日本の印象は生活したその場所の印象で最もはっきり強く残るもの。これまで招へいした94人のレジデントアーティストの中には、アーカスでの滞在生活を「日本のAIR のスタンダード」と思ってくれているアーティストもいるようで、たいへん光栄に感じています。

来日して最初に受けるオリエンテーション

昨日は国際課の職員が茨城県について、そして守谷市役所の国際交流員が守谷での生活についてオリエンテーションと題して彼らに説明をする日でした。

わたしたちコーディネーターも来日翌日に概要は説明しますが、より、海外の人が日本で生活する目線でも話をしてもらうのです。それは日常生活についてだけでなく、天災や万が一のことが起こった場合に日本ではどうするか?日本でのゴミ捨てのルールなど、全く母国とは違う仕組みを、彼らは来日してすぐに知ることになります。皆最初に驚くのは、日本のゴミの細かい分別。自国とのギャップが、日本の細かさが、彼らにとってカルチャーショックのようです。

守谷のマップで市内の説明だけでなく、ゴミの捨て方や公共交通機関の利用など、いろんなことを知る一日。


そしてスタッフはそれを小耳にしながらも、去年の今頃を思い出します。
去年の常総市での鬼怒川水害はまさにそんなオリエンテーションがあった直後の出来事でした。突然の警告音や、日本語で発信される水害時の避難勧告メールを受信するアーティスト達は、夜な夜な眠れない晩を過ごしていたことを、今でも思い出します。アーティストたちにとっても、その年によって、何かしらの印象づける出来事として彼らの「日本の印象」は残っていくのです。2011年もまさにそうでした。そして、制作に反映されたりもするのです。社会問題や環境問題、あらゆることにアーティストたちは真摯に取り組んでいきます。

Googleマップで見える、鬼怒川決壊の場所(右上)と、もりや学びの里(赤丸の位置)。
(右上が常総市。左端の太い川が利根川、赤い○の左が鬼怒川)


去年の例でいえば、レジデントアーティストたちが制作するスタジオの両隣・真下、全ての教室が災害避難所となった時の状況は、今でも忘れることが出来ません。今年の台風もそうですが、日本の自然災害において地震や初めての水害に遭った外国人アーティストらがすごしたアーカスでの時間・空間は、水害に遭い、家を失った日本人が避難所生活を送った場所として同時に過ぎていった時間・空間でもありました。このような経験は、過去20数年の間にもなかっただろうと推測します。

避難所となったアーカススタジオの階下

 

そして1年後の今年、それらの経験を踏まえて、新たなアーティスト達への情報として、この街の歴史、出来事を伝えていきます。一方で、アーカスのOBアーティスト達の中からは、KENPOKU ART2016 茨城県北芸術祭へ参加するため、再び茨城に戻って来る先輩アーティストらがいます。

1年前のわたしたちは1年後の今を想像することができませんが、日々、活動を積み重ねていくことで23年分の歴史ができあがっていきました。ひたすら継続していった活動は膨大な資料となり、経験として残されています。

 

守谷市の会田市長と今年のレジデントアーティスト

今年のアーティストたちも、市長に表敬訪問してこの110日間を充実したものとなるよう、市長から励ましの言葉をいただきました。市長はこれまで多くのアーティストを守谷へ迎え入れ、そして守谷から世界へ送り出しています。

3人の様子は、今日の朝日新聞でも記事に掲載されました。

 

朝日新聞2016年9月1日版 *文中の訂正:今年で23回目になる。です。
取材を受ける今年の3人。

 

23年間でアーカスプロジェクトを通じて日本を体験したアーティストたちが再び戻ってくるとき、彼らが見た日本、彼らが経験した茨城、守谷、そして芸術活動を地域で体験した記憶は、どんな変化に気づくでしょうか。
そして、どれだけ成長して帰ってきたか、わたしたちも楽しみにしているのです。同時に、そのアーティスト支援をし続けた後の「成果」という目に見えない価値付けにくい実績を、どうやって広く伝えていくか。という課題を、長年の蓄積された記録とともに、調査・分析してこれからレジデンスを活用したい方々へと伝え繋いでいきたいと考えています。
 

アーティストがお土産に市長に送ったブックマーク。

 

残りの7日間、どうぞ宜しくお願い致します。

 

アーカススタッフ一同

 

 

 

 

 

 



 

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