こんにちは。3月に入り、年が明けてから様々な地域プログラムを実施しながら、そして来年度のレジデンスプログラムの国際公募も始まりました。地道に資料調査を進めているアーカススタジオです。ご支援くださった方々からも、その完成を楽しみだと気にかけていただき、嬉しく思います。

(それだけ進捗報告が遅れてしまっているということでここでご報告!)

まず書棚の着工・設置する日がようやく決まりました。

ギリギリですが、年度末3月30日に棚がお目見えする予定です。

 

アーカスサロンの書棚予定図(若干変更あり)
ARCO architects 提供

 

設計は守谷で育った建築家の青木公隆さんによる書棚のデザインで、これまでにスタッフと何度も話し合いました。膨大な資料が収まる棚、そして耐震を考慮しながら廃校校舎の壁に安全に設置できるように、ということでひとつひとつの幅や高さ、中央の展示できる可動式棚のあるフリースペースに至るまで、わたしたちの目指す理想的な書棚ができそうです。ここで青木さんをご紹介します。

青木公隆氏

 

青木さんはARCO architectsの代表で、お隣の取手市は『取手アートプロジェクト』とのプロジェクト「取手アート不動産」では2016年に第4回常陽ビジネスアワード奨励賞を受賞。現在、これも守谷のお隣、柏の葉キャンパスにあるUDCK[建築・都市]でのディレクターを務めるなど、都市開発と同列に存在する郊外での地域再生に寄り添い、空き家/古民家の再利用にも取り組む建築家です。青木さんがてがけるプロジェクトはこちらからどうぞ。ARCO architects

 

解体後のサロン

 

年末に解体いただいた壁に新しい書棚が設置されるまでの間にも、アート&ソサイエティ研究センターの調査員の皆様と、アーカスプロジェクトの資料を丁寧に調べています。

アート&ソサイエティ研究センターの調査員の方々と保存容器について打合せ

 

保管するスライドフィルムやポジ・ネガなどの保有数量をはかり、保存管理に適した容器や特殊素材についても学びました。

歴代の記録集に使用されたスライドを照合

保存しているメディアも時代とともに変化しています。β(ベータ)カセットや、VHSビデオ、FD(フロッピーディスク)やMO、Hi8のビデオカセットやミニDVなど、今の若い世代の方々には見慣れないものも多数あります。

年度ごとに仮保管しているメディア類

 

そして、パイロット事業時(1995~2000年)に新聞や雑誌などに取り上げられた記事のコンディションをみながら、メディアクリッピングの量を年度毎にまとめました。

23年間のうち、本格始動するまでの初期がパイロット事業。

その中で、たいへん貴重な記事を見つけました。

まだプレ事業(1994年)が始まる前の1992年頃の茨城新聞に、アーカス構想が紹介されたときの記事です。

 

アーカス構想ができた頃はバブル絶頂期!

 

この記事を読み取ると、10ヘクタールの土地に、スタジオは25棟、ライブラリー、共同工房、ゲストハウスなどの建設予算は50~80億(!!!)、年間の運営資金の規模は億単位、とてつもない大きなプロジェクトだったことが想像できます。この記事にもあるように、藝大学長だった平山郁夫さんと当時の知事の会談から構想が固まった、という今まで歴代の言い伝えでしかしらなかったリソースとなる記事が発見できました。
この事業がきっかけで行政によるAIRが日本に上陸して世間はどうだったのだろうか、その時代のほかの地域はどうだったのだろうか...?などと思いが巡ります。

 

というのも、あらゆるおしゃれな情報記事は今ではネットで拡散されますが、90年代中盤のクリッピングをみてみると、ファッション雑誌やカルチャー紙がとにかく「紙」で全盛だった頃です。「ぴあ」や「STUDIOVOICE」「ハーパースバザー」やいろんな "オシャレ系雑誌" にたくさん出ているアーカス。アーカス事業が真新しく、新鮮に紹介されていたことがわかります。また英字紙にも取り上げられていました。

1995年度のレジデントが紹介されているGQ
「氷の微笑」のシャロン・ストーンと間違えられている校正指摘記事も発見。
日比野克彦さんの対談記事も!
(恐らくHIBINO HOSPITAL(1999~)直後の資料と思われる)
1999年招聘のさとうりささんの作品が表紙の雑誌。

 

あの、『STUDIO VOICE』ではシャロン・ロックハートの「GOSHOGAOKA (1996)」特集。('98年発行)
映像が完成し上映会で、海外はじめ、日本に再上陸した時の記事。
映っているのは彼女の作品に出演した当時の地元・御所ケ丘中バスケ部。


ひとつひとつ、いつ発行されたのか時系列に沿って整理しながら(これが、つい見入ってしまい、なかなか難しいのです)当時の社会背景と比べながら表現されていた事が見てわかるよう、将来的に公開記事にしようと整備しています。
 

様々な資料についてアート&ソサイエティ研究センターの皆様(右側3人)から
アドヴァイスをいただき、作業がはかどっています。

 

90年代当時のスパイラルのワコールアートセンターからアーカスを担当してくださっていたコーディネータースタッフが、ひとつひとつクリッピングしてくれていたお陰で、コンディションはとても良く、また当時の紙質も今に比べてとても良かったことがわかります。コピー紙についてもしかり。全てがバブルな感じがしました。

 

まだまだ2016年度までたどりつくにはほど遠い作業ではありますが、少しずつ着実に、アーカイヴ資料がお披露目できるよう、整備してまいります。

ご支援いただいた皆様に、完成した棚をお披露目できるであろう春が待ち遠しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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