世界自然遺産のまち知床の芸術祭「葦の芸術原野祭」をご支援ください!

支援総額

1,531,000

目標金額 1,300,000円

支援者
151人
募集終了日
2024年9月1日

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2024年08月13日 12:00

ご挨拶 /「絵本 小冊子」について

こんにちは。

葦の芸術原野祭メンバーの小林といいます。札幌に暮らしています。

会期中、知床斜里に身体はなく、遠方からその活動を意識する、そんな距離にあります。

 

札幌から斜里、300kmの距離にある地続きの街のことを考えるとき、想像力の起点となる物事や出来事は多々あるのですが、最近は特に旧役場庁舎・旧図書館から考えが始まっていきます。大雨の後に雨漏りし、あちこちの床が軋む、山から海へ物見台からぐるりと街を見守り続けている、丘の上に佇む赤い屋根の建物の気分から、考えてしまいます。

 

 

紋別にある祖父母の家も赤い屋根の家でした。

僕の祖父は斜里町と同じくオホーツク海に面する町、北海道紋別市の生まれです。斜里町旧役場庁舎は築95年で、祖父と同い年です。彼らは、道東の異なる地点でそれぞれの時間をそれぞれに過ごしてきた、みたいです。

祖父、新津文夫は3年前、年齢と病気の影響で祖母とともに紋別から両親の暮らす札幌に引っ越してきました。紋別の友人たちは1人また1人と先に旅立っていき、家のことを任すことのできる知人たちはいないようでした。彼らは札幌に暮らす母や叔母と会話をして、これ以上の家の管理は難しいと結論しました。

 

「家と庭をならして、どなたかに土地を譲ろう」

自分の生まれ育った家、土地からいよいよ足が離れていく、自分たちの人生を包みこみ、人生の一部として育ち痛んで老いてきた住居を自らの判断で解体し、土に返していく、それがどれほどの重さのことなのか祖父母は僕に話しません。それでも彼らは、僕らを呼びかけ、住居を解体する前に家中を全員でピカピカに掃除し、空っぽになった生家に布団を敷いて全員で眠りました。あれはいい時空間でした。今ではもうあの家はありません。扉もありません。

 

 

それは道東の小さな町だけの話ではなく、北海道、のみならず全国、全世界にある膨大な動きの微細な一つでしかないのだと思います。僕は、そのようにして、気づくこともなく音も聞こえずに、建てられ解体されていく建物たちがあることを薄く透明に知りながら、心を寄せる必要もないまま自分たちの人生の外を流れていくそれらへの触れ方を殆ど知りません。

 

 

一つの海沿いの小高い丘の上に佇む、赤い屋根の建物のことを考えるとき、考えがめぐり発散し、そして収束し、自分がどこにあるかも意識しないほど没頭するとき、もしかしたら俺は、俺たちは触れているのかもしれない、と僕は思います。

その年老いた施設は2024817日から91日までの期間、誰に対しても、2万キロの距離にある人にも扉は開かれていて、その時間、建物に入り込む風とともに振る舞う人がいて、光の入り方によって什器と作品の位置が変わっていきます。内部の輪郭を辿るように建物の音を確かめる人がいます。心を寄せる必要のない強い流れの途中にあるものごとを、自分の心の深いところから丁寧に持ち出して、建物の中に整列してくれる人たちがいます。それらを熱心に記録する人たちがいます。強い思いではなくただそこで時間を過ごす人がいます。間違えて入り込んでしまったと感じている人も、いるかもしれません。僕は現地にはいません。そういう動きがあるということ、起こっていることをとても近くに確かに感じます。

 

 

これはもしかしたら触れているのかもしれないな、とやはり僕は思います。

遠くで流れていく、その途中にあるそれら何かに触れているのかもしれない、そんなことを思ったりします。気のせいではないという実感があります。そこで起こっているなにかを目撃していなくても、聞こえなくても、触れているような気がしています。明確でないのに焦点があっていくようで、僕はここからあの土地に座っているようです。

 

この取り組みに心を寄せてくださる全ての方々に、深い敬意を持っています。

この取り組みが続くことを心から祈っています。

 

よろしくお願いします。

リターン

1,000+システム利用料


あしげい応援コース

あしげい応援コース

メンバーからの感謝のメッセージ
このクラウドファンディングに協力してくださった方に、感謝の気持ちを込めたメールをお送りいたします。

申込数
34
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年12月

3,000+システム利用料


あしげい応援コース2

あしげい応援コース2

・メンバーからの感謝のメッセージ
・ウェブサイトにお名前掲載
このクラウドファンディングに協力してくださった方に、感謝の気持ちを込めたメールをお送りいたします。
さらにあしげい2024ウェブサイトに協力者としてお名前を掲載させていただきます。(掲載を希望されない方はご連絡ください)

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