前回は、社会人と中高生の距離を近づけるためのシステムとして、「社会人の生き方データベースを作り、中高生が価値観という切り口で検索できるようにする!」というプロジェクトを立ち上げたところまで書きました。
その後大きく分けて、3つの転換点があり、LMDBのコンセプトは明確になっていきます。
1.見せたい大人はピカピカのビジネスマンなのか? → 否
アスデッサンという団体内(その時はまだ、4、5人になったばかりでした。)で、コンセプトをある程度考えられたという段階に来た私たちは、キャリア教育に関心のありそうな友人を中心に、有識者会議を開きました。
この中で、は様々な指摘をもらったのですが、特に重要だったのは、どのような中高生にどんな大人を見せたいのか? ということを掘り下げる必要があると認識できた点でした。これをきっかけに、LMDBを通して見せたい大人と見せたくない大人を、アスデッサンとして限定するのかという論点に向き合うことになりました。
アスデッサン有識者懇談会 |
2.男性に偏ったデータベースで良いのか? → 否
下の写真はアスデッサン説明会の写真です。ここに集まってくれた人の中から有志がLMDBに登録してくれることになるのですが、一つ気づくことがありませんか? そう、男性が圧倒的に多かったのです。こうなった一番大きな理由は、アスデッサン社会人メンバーが一人を除き全員男性だったことです。
アスデッサン説明会 |
そんな折、第一回説明会で講演をしてくれた山村さんはじめ、色々な方から、「アスデッサンは女性について勉強すべき」という御指導や御指摘をいただきました。
これを受け、女性の生き方を勉強するためアスデッサン唯一の女性メンバーであるエギちゃんを中心に、アスデッサンカフェを開催しました。
アスデッサンカフェを通して、勉強が足りないながらわかったことは①結婚、②出産をどのタイミングで行うのか(もちろん、行わないという選択もあります)、その時に③職場ではどう扱われるのか、これらの要素を考慮した上でないとロールモデルとは成りえない。
そして、それ故にロールモデルに多様性が必要であることに私たちは気づきました。ここにも、LMDBが重要な役割はあると感じ、女性の記事を増やすことの重要性を再認識しました。
アスデッサンカフェ |
3.主婦や趣味に生きる社会人などをDBから排除すべきか → 否
当初このデータベースを企画した時、働く社会人を想定していました。しかし①上記のような多様な女性の生き方の勉強、②インタビューを通して仕事ではない部分に生きがいにして生活している人との出会い、を通して仕事をベースにしているだけでは、十分に社会人の生き方を中高生に伝えられないという問題意識を持つようになりました。
アスデッサン内でも、議論を重ね「中高生へ多様なロールモデルを提供するという意味では、「仕事」に限定するのは不適切で、「生き方」を提供する方が本質的」ということの重要性を確認し、名称もキャリアマッチングデータベースからライフマッチングデータベースへ改称しました。
まとめ
以上の議論を経て、アスデッサンは職業、職種、性別、有名かどうかなどを限定しない、広く生き方の多様性を提供するデータベースとしようと考えています。最初はどうしても、偏りが出来てしまうと思いますが、できるだけ早く是正する方向に向かうため日々議論を重ね、実行に移しています。
本当はこの後も絶え間なく議論がされ、現在でも結論が出しきれていない部分もありますが、とりあえず今回で終りとします。ここまで読んでくれた人はありがとうございますm(..)m