ボランティア リレー⑩

初めて動物と暮らしたのは大学生になってから、当時は動物を飼うために必要となる費用やいつか来るお別れは意識しても、保護猫保護犬のことや殺処分についての知識はほとんどありませんでした。辛すぎる面を感じ、正直あまり深く知らないようにしていたところもあります。

社会人となってしばらくしてから、地域猫活動や保護譲渡を個人で行っている方々と知り合う機会を得て、時々地域猫にご飯をあげるお手伝いをしたり、お留守の際にお家の猫のお世話に行ったりするようになりました。保護猫を譲り受けて一緒に暮らすようにもなりました。

言葉を交わすことはなく、当初は表情も読み取りづらい気がして、一抹の恐れを感じていた小さな生き物でしたが、とても近しい優しい存在になりました。

同時にいつの間にか、それまでは目を向けないようにしていた現実を意識し、考えるようにもなっていったと思います。

あわねこ保育園と出会ったのは5年ほど前、前述の個人活動家を通じてつながり、今は事務局の中で後方支援を担当しています。現場から少し離れたところで園児一覧の管理や会計といった事務のお手伝いをするのは、自分の生活スタイルや性格に合っているのかな、と思います。

ここでなければ出会うことのなかったであろうメンバーとともに、どこかで重なる思いを持って、目標のためにそれぞれが猫のためにできる何かをする。

あわねこ保育園の活動に出会えてよかったと思っています。

開放型シェルターは、殺処分ゼロ、外猫ゼロの目標のため、みんなの思いが形をなした施設となるに違いありません。

優しくて無邪気な猫たちがこの地上で幸せに暮らすことができるようにと願っています。

たけおか　けい