ー 私の想い その11 ー

 

 釣りに興味を見せない家族と、車社会にどっぷりと浸りこんでしまった生活は、静間川を疎遠なものにしていた。町に行くにも車に乗って橋を渡るだけ。子供と手をつないで散歩することもなくなった。キラキラと輝く川面を覗くことも、じいちゃんが連れて行ってくれた故郷の川のにおいすら忘れ、思いだすこともなかった。

 

 子供が小学校に上がる頃、私は家庭環境を考える女性を中心とした任意団体を立ち上げ活動をしていた。平成15年にはもう少し広い視野に立って活動をしようとNPO法人化を企てていた。「草原や里山の環境保全についての啓発と実践」というテーマは女性にとって重く、離れていった者もいるが、面白がって逆に仲間に入る輩も出てきた。男性の仲間も沢山増えた。

 

 私にとってもう一度静間川とめぐりあうチャンスが訪れた。大阪からUターンしてきた仲間(今の事務局長である)が、「静間川源流の旅」を企画したのだ。何日かに分け、マイクロバスに乗って源流から河口までを旅し、弁当を食べながらその地のキーマンから話を聞き、それを報告書にまとめるという事業だ。発案者の彼がマイクロバスを運転もしながら川への思いを語る。その真摯な姿に忘れかけていた「ふるさとの川への想い」を思い出させてもらった。そして、一緒にマイクロバスに同乗していた息子と目が合い「静間川が、わが子のふるさとの川になるんだ。」と悟った。

 

(続く)

新着情報一覧へ