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支援総額

1,230,000

目標金額 1,200,000円

支援者
59人
募集終了日
2021年4月19日

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2021年04月14日 23:20

【プチ講座】「社会的通念」とは何か

社会問題の当事者がその被害を訴える国賠訴訟等で、よく出される敗訴判決文のパターンがある。分厚い判決文で9割以上原告の訴えを認めながら、最後に「しかしながら、社会的通念に照らして著しく違法とまでは言えない」と結ぶのである。

 

被害実態からの損害論、因果関係からの責任論……長い時間をかけて立証してきた弁護団の努力を、小馬鹿にするような判決だ。裁判官でありながら、法理に照らした判断ではなく「社会的通念」という定義もあいまいな用語でちゃぶ台返しをするのだ。

ならば、「社会的通念」とは何か。平たく言えば世論のことである。

この世論の形成に大きな役割を果たしてきたのがマスメディアであることは、言うまでもない。だが、その世論形成のプロセスが問題だ。

どこまで正確なのかは自信がないが、上図は私がイメージする、現在の「世論」と市民活動、一般市民の立ち位置を示した概念図である。

 

まず、2008年のリーマンショックで何が起きたか。


あまり知られていないが、多くの放送局で外注プロダクションとの契約を切った。その結果、社会問題の現場に足繁く通うスタッフが激減し、記者クラブに依存する「発表報道」の歪んだ構造がますます肥大した。

 

福島原発事故や復興に関する報道が、その典型だ。

マスメディア、特にテレビは、政権や省庁の広報機関に近いものになってしまった。問題提起を試みる記者やディレクターも少数ながら存在する。だが、全体の趨勢としては政権・省庁寄りのロジックが目立つ。

始末の悪いことに、映像にはイメージを印象的に描く力がある。それによって、多くの人々の世界観もまた、歪められてしまう。

同じ事実を映像を撮っても、構成によって映像メッセージの印象は、実は大きく変わるのだ。

 


物語論では、人を説得する物語を「ナラティブ」と呼ぶ。パンヴェニストという記号論者は、「ナラティブ」は正確にはイストワール(具体的な場面)とディスクール(物語言説)に分けるべきと主張する。

 

例えば、世界で最も有名な物語はおそらく「聖書」だろう。

 

語られているのは古代の中東であったユダヤ教徒社会における、イエス・キリストや預言者や弟子たちの個別具体的なドラマである。

 

しかし、それが世界的に広がったのは、その奥底にある「人々の苦難に愛を与える」メッセージ、すなわちディスクールが、非常に普遍的だったということを意味する。

 

この見方はテレビ報道の分析にも非常に有用な枠組みだ。

 

上図は、一般的な報道特集の構造を概念化したものだ。現実の断片から構成されるイストワールは、当然それぞれが説得力を持つ。だが、多くの人は、ディスクールには気づかず、その論理も含めて「事実」と受け止めてしまう。

 

逆に言うと、映像による報道を行うにあたって重要なのは、そのディスクールを社会問題の現場からいかに紡ぎ出すかという点にある。

 

「まず企画ありき」で、「必要なコメントだけ拾えればOK」などという取材方法では、ディレクター自身が取材によって何も得ていないのと同じだ。取材してみて想定と異なる場合は、企画自体を疑う必要があり、プロットは常に更新するべきだと私は考える。

その具体的な方法論については、最後の回に述べたいと思う。

 

なんにせよ、政権が世論を、裁判所が「社会的通念」を頼りに判断するなら、それらをより人権的配慮のあるものに変えればよい。これが私の仕事だと思っている。今までも、そしてこれからも。

リターン

5,000


「ボトムアップ!」有料会員権 付き応援コース

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支援者
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2021年5月

30,000


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全力応援コース(3万円)

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