野生動物と生きて30年。ゾウを密猟から守る車が廃車の危機に！

厳しい残暑が続いておりますが、皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか？　UAPACAA国際保全パートナーズの岡安です。

 

UAPACAAパートナーズの事務所がある葉山は気候の良い土地柄で、この日本全国、酷暑の予報が続く中でも、最高気温32℃で済んでホッとしております。それでも、幹線道路では救急車のサイレンが何度も響き、熱中症の方たちだろうかと心配する日々です。新型コロナ感染症の再拡大も収まる様子が見えず、ご苦労をされている皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 

さて、日本では山の日の翌日に当たる8月12日は、2012年から始まったWorld Elephant Day（世界ゾウの日）です。

 

拡大する象牙の国際違法取引により、絶滅が危惧されるアフリカのゾウたち。中でも、マルミミゾウと呼ばれるゾウたちが暮らす中部アフリカの国々では、熱帯ジャングルの奥深くまで高度に武装した国際密猟団が入り込み、現地政府には対策が難しい状況が続いてきました。

 

特にカメルーン政府にとって2012年は、ブンバ・ジダ国立公園で500頭を超えるゾウが犠牲となり、国際社会に悪名を馳せてしまった因縁の年。WWFなど自然保護団体の技術的、資金的支援を受けながら、2度と同じ暴挙を起こさせぬよう、対策が進められています。

 

一昨日、その世界ゾウの日に当たり、昨年2019年のカメルーンの象牙違法取引摘発の状況が、報告として届きました。

https://www.uapacaa.org/12478124541239235937292732146224341/-2019

残念ながら、逮捕される極悪犯人の数は減ったものの、押収された象牙の数は2018年を上回り、漸増傾向に戻りつつあるようです。それにつけても、今年の初めに、ロベケ国立公園にランドクルーザーを届けることができたのは幸運で、密猟団を勢いづけないためにも重要な節目の活動となりました。改めてお礼申し上げます。

 

今、コロナ禍でどんな影響がでているか、新たにどんな対策が必要か、現地のスタッフに情報収集を呼び掛けているところです。全国的に移動が制限される中、自然保護関係者は地元コミュニティとも共同戦線を張り、アウンの呼吸で密猟を未然に食い止めていかなければなりません。不足する物資や調達手段など、少しでも力になれることが具体的になりましたら、また皆さまのご支援を、ぜひよろしくお願いいたします。

2020年8月14日