プロジェクト概要

プロジェクトの終了が報告されました

 こんにちは! 私たちは、日本に住む外国人(主にラテンアメリカ)と日本人による演劇グループです。2003年に、セサル・イケダ(日系ペルー人)とすずきこーた(日本人)が中心となって活動を開始しました。

この15年余りの間、メンバーは10~15人くらいで、多少入れ替わりながらもコンスタントに毎年3~5回くらい公演を行ってきました。

 

 私たちの演劇は「バイリンガル」です。といっても通訳などを入れるのではなく、劇中では基本的に、スペイン語圏の人はスペイン語を話し、日本人は日本語しか話さず、それでもどちらかの言語しかわからない人でも話の筋がわかるようなつくりにしています。

 

 例えばこんな風…。

 

ペルー人:¡Hola¿Cómo estás?

日本人:元気だよ、君は?

ペルー人:Más o menos.

日本人:どうしたの? ちょっと元気なさそうじゃない?

ペルー人:La empresa me despidió

日本人:解雇されたって? どうして?

ペルー人:Dije, "por favor, vacaciones para Navidad.”

日本人:クリスマス休暇って、それは日本人にとってはお正月休みと同じじゃないか!

ペルー人:Si, pero mi jefe no lo sabía.

日本人:ちゃんと上司にも、日本人とペルー人はクリスマスの感じ方が違うって言わなきゃ!

 

 みたいな感じで進んでいきます。

 

 私たちの演劇の多くは、毎年世田谷で行われる「路上演劇祭Japan」(駅前の広場で行う演劇祭)や教会、学校などで上演します。興味のある人だけがお金を払って観に来るという演劇ではなく、人が行き交う駅前や、自分からは観に行かないであろう学校などがおもな舞台です。「ああ、こんな人たちも日本にいるんだ」という気付きを持ってほしくて、このような形態で活動しています。なので、1回の演目も、20~30分程度とあまり長くない作品であることも特徴です。

 

 また、たんにエンターテインメントとして楽しむだけの演劇をやろうとしているのではなく、外国人が日本に住むことの難しさ、世界で問題になっていること、それに対する私たちの問題意識など、社会的なテーマを含んだ作品をつくっています。

 つくり方も、脚本家がいて、誰かが演出をして、というのではなく、メンバーそれぞれが意見を出し合い、議論しながら作品をつくり上げていくというスタイルです。このようにテーマのある演劇なので、できる限り上演後にディスカッションの場を設け、会場の人たちと語り合い、一方通行ではない演劇のあり方を目指しています。

 

(El resumen en español está abajo.)

 

Cada zapato un clamor (2018年)

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 私たちはこれまでに、演劇を通して、ペルーの働く子どもたちについて身近に考える機会がありました。生活のために働かざるを得ない子どもたちを主人公にした劇も、いくつか作ってきました。

 広い目で見ると、アジアや中南米、アフリカなど幼くして家族のためや自分が生きていくために働いている子どもがたくさんいます。「子どもに働かせてはいけない、勉強させるべきだ」というのが一般的な意見でしょう。しかし、現実問題として、学校に行くお金がなかったり、学校自体が通えるところになかったり、子どもも働かないことには一家が飢えてしまう、といったこともあります。「子どもは働いてはいけない」と言うのは簡単ですが、それは現実に即していない、というのが働く子ども当事者の意見です。

 

 子どもの権利条約の中では、

 

「締約国は、児童が経済的な搾取から保護され及び危険となり若しくは児童の教育の妨げとなり又は児童の健康若しくは身体的、精神的、道徳的若しくは社会的な発達に有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利を認める。」

 

 と言っています。子どもが働くこと自体を禁じるというより、子どもから搾取したり、危険な労働をさせてはならない。そのようなことから保護される権利がある、と言っているのです。ペルーの働く子どもたちも、「『児童労働』という言葉はおかしい、労働は労働である。だからほかの労働者と同じように権利を認めるべきだ」と言っています。

 働く子どもたちの問題に関しては、多くの議論が必要だろうと思います。またこの問題は、日本で働く外国人や日本の働く女性たちが置かれている状況にも通じるものがあります。

 

 私たちのグループでは、演劇ワークショップなどを通じて子どもたちとかかわることが多く、またメンバーにペルー人が多いことから、ペルーを舞台にした劇もたくさんつくってきました。ペルーに行って劇をしたい、とくにペルーの子どもたちと演劇を通じて交流したい、というのが私たちの長年の夢でした。

 とはいえ、グループのメンバーはそれぞれ仕事を持ち、なかなか同じ時期に休みを取るのは困難でした。しかし活動歴15年も過ぎた今年、「今やらないでいつやるの!」と思い切ってペルー公演をやることにしたのです。

 

 

El gran país (大きな国) (2017年)

 

 

▼プロジェクトの内容

 この企画で交流を予定している団体は次の3つです。

 

 MANTHOC(Movimiento de Adolescentes y Niños Trabajadores Hijos de Obreros Cristianos) 

 1976年から活動している働く青少年の権利を守るためのキリスト教会系の組織。ペルーの10の地域で活動しており、約2500人の青少年が参加している。働く子どもたちのための学校を運営し、また格安で子どもたちに食事を提供するなどしている。https://www.manthoc.org.pe/quienes-somos/

 

Arena y Esteras

 1992年から活動する子どもたちによる芸術集団。演劇だけでなく、サーカス、音楽、ダンス、造形芸術などを青少年に教えている。

最近ピストル強盗が押し入り、パソコン、カメラ、プロジェクターなどが盗まれてしまったという。

http://teatroarenayesteras.blogspot.com/p/quienes-somos_7006.html

 

Ciudad de los Niños

 1955年から活動しているキリスト教系の施設で、経済的に困難な家庭の子どもたちに住まいと学習機会を提供している。演劇やダンスなどのクラブもある。

www.ciudaddelosninos.com.pe/index.html
 

 それぞれの団体で劇を上演し、演劇ワークショップで子どもたちと交流したいと考えています。Arenaのように強盗に遭って困っているところもあり、経済的な支援もしたいので、クラウドファンディングで集めた資金の中からできる限りの金額を各団体に寄付する予定です。

 

 

<スケジュール(予定)>

2019年3月7日 成田発。

3月8日 リマ着、午後Ciudad de los Niños 公演、交流。

3月9日 昼頃 MANTHOC公演、交流。夕方 Arena y Esteras 公演、交流。

3月10日 予備日

3月11日 リマ発

3月13日 成田着

 

現地滞在がわずか3日というたいへんな強行軍ですが、なかなか休みをとれないメンバーにとってはこれがやっとのスケジュールです。それだけ中身の濃いプロジェクトにしたいと考えています。

また帰国後、5月頃に報告会を行う予定です。詳しい日時と場所は3月末までに決定し、ご支援いただいた方々にお知らせしたいと思います。

 

参加メンバーは次の3人。

 

すずきこーた (日本人)

セサル・ホルダン・イケダ (日系ペルー人)

ケンジ・ゲレロ・ミヤモト (日系メキシコ人)

 

以下は、それぞれの自己紹介とこのプロジェクトへの意気込みです。

 

 すずきこーたと申します。世田谷パブリックシアター、穂の国芸術劇場PLATなどの公立劇場や、世田谷区、豊橋などの公立小中学校で、数多くの演劇ワークショップをしています。同時に、日本に住む外国にルーツのある人たち(子どもや大人)とワークショップをしたり演劇づくりをしたりしています。20年近くワークショップを行い続けていて、演劇のスキルを学び、多くの場で活用してきました。自分たちでやりながら発見したこともあれば、他の国の実践家たちから学んだことも数多くあります。それを今度は、日本や他の国の人たちにも伝えていく必要があると考えています。

 演劇や、私が行っているワークショップには、本当に多くの力があると信じています。それは、単に表現するということだけではなく、また、最近よく耳にする「コミュニケーション力が身に付く」ということだけでもありません。演劇作りを通して、自分のことを再認識したり、他者を再発見したり、自分のことや自分たちのコミュニティのことを伝えるツールにもなりえます。自分たちの文化を折り込み、自分たちにしかつくれない演劇をつくり、それを見てもらい、意見をもらう。そうやって演劇は一方通行ではなく、交差しながら、より良い社会を作って行くためのきっかけになるものなのです。

 今回、私たちは、これまでの私たちが大切に考えてきたことを折り込んだ作品を見てもらおうと考えています。むずかしいことを難しく考えるだけではなく、楽しみながらも多くのことを考えられればと考えています。演劇の中には議論の種になるようなものが含まれていて、見ている子どもたちから多くの意見を言ってもらいます。演劇は考えたり実行したりするための道具なのです。

 子どもたちには私たちの演劇を見てもらい、演劇という道具を受け取って欲しいと思っています。そして、できるなら、考え方や手法を手渡し、子どもたち自ら演劇をつくれるような手助けをしたいのです。演劇を使って自分たちのことを伝える手段を見つけて欲しいと思っています。ゆくゆくはラテンアメリカの他の国や、もちろん日本にも来て、自分たちの状況を伝えられるようになったら良いな、と夢見ています。

 このような活動が世界中に広まり、世界の状況や世界の貧困の問題などを、他の国の問題としてではなく、自分たちの問題として捉えられるような世界になって欲しいと、私は考えています。

 

 僕の名前はセサル・ホルダン・イケダ、日系ペルー人です。ペルーのリカルド・パルマ大学で建築学を、国立演劇芸術学校で舞台芸術を学びました。ペルーの演劇グループ「ジェゴ」の創設メンバーのひとりで、ベネズエラにいたときは「テアトロ・カンディレハス」に参加、そして日本では友人のすずきこーたとともに演劇グループ「セロ・ウアチパ」を立ち上げました。

 僕は1980年にペルーを後にしたので、今年で39年も国外にいたことになります。一時帰国は何度もしましたが、家族を訪問するだけでした。しかし今回は初めて演劇の仲間と2つの劇を上演するために行くのです。僕がどれだけ感無量でいるか、もう想像していただけると思います。

 ペルーの人々の前で再び演じることができること、そしてもうひとつ、僕の頭の中を行き来するのが、コロンビアの劇団カンデラリアの監督サンティアゴ・ガルシアの言葉です。「ペルー人(ラティーノ)がどれだけ日本人になれるか、日本人がどれだけペルー人(ラティーノ)になれるか」…もちろんそれは冗談でしたが、しかし僕たちの劇はどれだけラティーノの文化を、あるいは日本の文化を反映しているのか、僕は自問しています。われわれはバイリンガルで対話しているので、それを考慮に入れると、この問いはより興味深いものになると思います。今回はおもに子どもたちを対象に劇をする予定なので、出てくる意見や質問は新鮮で思いがけないものになるでしょう。それを分析することで、先の問いへの答えも見つかるかもしれません。

 そして「ジェゴ」にいたとき、いつもプログラムに書いていたスローガンの「若者」を「子ども」に代えて、締めくくりとしたと思います。「子どもたちの未来は人類の未来。われわれ皆の問題だ」

 Mi nombre es Cesar Jordan Ikeda, peruano nikei. Estudié Arquitectura en la Universidad Ricardo Palma y Escenografía en la Esc. Nac. de Arte Dramático, fui uno de los fundadores de grupo YEGO, en Venezuela integré en el grupo de Teatro Candilejas y en Japón junto con el amigo Kohta Suzuki fundamos el grupo de Teatro Cerro Huachipa.

 Yo salí del Peru el año 1980, es decir este año cumplo 39 años fuera de mi país, he regresado varias veces pero siempre en plan de visita familiar, pero esta es la primera vez que vamos con el grupo a presentar dos de nuestras obras, ya imaginarán la gran emosión que estoy sintiendo, el reencuentro con el público peruano y una de las cosas que me da vueltas en la cabeza es una pregunta que nos insinuó Santiago Garcia, director del grupo La Candelaria de Colombia;”cuánto de peruano(latino) podrá llegar a tener un japonés y cuánto de japonés podrá llegar a tener un peruano (latino)”... sin duda fue una broma, pero en nuestras obras me pregunto que tanto de la cultura latina o que tanto de la cultura japonesa reflejan, creo que estas preguntas resultan un tanto interesantes más aún considerando nuestro diálogo bilingüe, este es el punto que me gustaría responderme y creo que puede ser posible analizando las opiniones y/o preguntas que hagan, más aún que nuestro público la mayoría serán niños, sus preguntas y opiniones serán más frescas y espontáneas.

 Además quiero terminar con un eslogan que en YEGO siempre escribíamos en nuestros programas de mano solo que yo lo cambiaría reemplazando jóvenes por niños:”El porvenir de los Niños (Jóvenes) es el Futuro de la Humanidad, por eso nos preocupa”.

 

 僕はケンジです。東京に暮らすメキシコ人の僕にとって、壁は心の中にあるもので、国境は政治的なものだと信じています。そして芸術的表現は僕たちの社会的、個人的なアイデンティティです。セロ・ウアチパのメンバーとして、(今回のペルー訪問で)僕が心から切望するのは、そのことを再確認することです。

 社会が直面する問題と、人々がいかにそれに立ち向かっているのか、認識を深めたいと切に願っています。

 劇を上演することは、国境やイデオロギーの違いを超えて、他者を理解し、また自分自身を理解するためのひとつの楽しい方法です

 国境は心の中にあるということを、僕たちは演劇を通して示したいと思います。

 

  Soy Kenji. Como mexicano residiendo en Tokio, tengo la convicción de que los muros son mentales, las fronteras son políticas y las manifestaciones artísticas son nuestras identificaciones sociales y personales. Mi empeño, mi afán como miembro de Cerro Huachipa es confirmar esta convicción.

 Mi anhelo, mi objetivo es mejorar mi percepción de los problemas que las sociedades enfrentan y como las resuelven.

 Hacer estas obras, es una manera divertida de entender a otros y entenderse a sí mismo sin importar las fronteras ni ideologías.

 Las fronteras son mentales y tenemos el teatro para mostrarlo.

 

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<支援金の使途>

各団体への寄付          60,000

現地滞在費            15,000

リターン用お土産購入費      20,000

リターン送料             5,000

Readyfor手数料          25,920

旅費の一部             74,080

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               計 200,000円

 

 

左・セサル、右・こーた。「アンデスのクリスマス」(2017年)より。

 

 

左からセサル、こーた、ケンジ「アンデスのクリスマス」より(2017年)

 

 

▼リターンについて

ご支援してくださった方には、活動報告書と現地で活動中の写真をお送りするとともに、支援額に応じて、ペルーの民芸品や現地で行った劇のDVDを贈呈する予定です。

プロジェクト終了の報告会においでいただければ手渡しできます。

どうぞよろしくお願いいたします。

左・こーた、右・セサル。2018年路上演劇祭にて。「Caña dulce(サトウキビ菓子)」
 
上演予定の「リマのドン・キホーテ」練習風景

 

 

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このプロジェクトは、以下の2つを実行したことをもって終了とします。

1. 2019年3月8~10日、ペルー国リマ市にて、上記3団体を訪問し、演劇やワークショップを行う。いずれも予定で、最終的な決定は2月28日までに行う。

2. 2019年3月10日までに、それぞれの団体に日本円で2万円相当の寄付を行う。目標額以上に集まった場合は、寄付額を増やす。

 

スケジュールは上記のとおり。

天災等で予定するイベントが開催できなかった場合は、経費を差し引いた金額を現地団体に送金する。

 

現地団体への寄付について。

寄付方法: MANTHOC、Arena y Esteras、Ciudad de los Niñosの3団体に各2万円。各団体のURLは上記のとおり。

寄贈方法: 手渡し(予定)

寄贈先からの同意: 取得済み

 

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<Resumen en español> 

Los empeños constantes que Cerro Huachipa ha fomentado durante dieciocho años es hacer que individuos de diferentes naciones hispanohablantes así como japoneses de diferentes formaciones profesionales, nos tengamos que comunicar con nuestros niveles de conocimiento de la otra lengua, así como ensamblar nuestras diferentes formas de pensar y abordar nuestras ideas para la construcción del hecho escénico, que desarrollemos nuestras capacidades creativas, destrezas sociales y compromiso por las causas sociales a través del teatro.

 

  El objetivo específico en Lima es identificarnos con la voluntad del público al que vamos dirigidos. Dar a entender que las personas de cualquier parte del mundo no somos indolentes ni inconscientes ante las injusticias sociales y que una propuesta es el ludismo y el arte como una forma de sensibilizar y sensibilizarse constantemente. Ampliar el paisaje humano a través de la estética dinámica que ofrece el teatro.

 

  Cerro Huachipa se dirige en esta privilegiada ocasión a tres públicos.

A los niños trabajadores  de MANTHOC(Movimiento de Adolescentes y Niños Trabajadores Hijos de Obreros Cristianos), una entidad organizada por niños y adolescentes que por sí mismos resuelven problemas que tienen en un mundo de adultos.

  También haremos una función en el Teatro Arena y Estera, un grupo de artistas que les enseñan a los niños y jóvenes teatro, danza y otras actividades artísticas.  

  Y el otro público es Ciudad de los Niños, que es un organismo que trabaja con comunidades en situaciones de desarrollo. Es un afán comprenderlos y que se sientan comprendidos y que nos comprendamos en ellos con este teatro tan lúdico y que una vez llevado este proceso de entendimiento múltiple o mejor dicho de comprensión artística, llevarlo a Tokio para extenderlo.

 

  El proceso de creación y llevar a Don Quijote de Lima y Náufragos, implica la responsabilidad de ser ligera y divertida por sus características de teatro comunitario, pero inteligente y propositiva por el público al que nos dirigimos. Es un reto digno de Cerro Huachipa por la expansión de la consciencia.

 


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