54シリーズ  by inu it furniture x FabLab Kamakura

 

 

9月8日
蔵にレーザーカッターを置けなくなるので、どこか別の場所に移動させないといけない。蔵から徒歩圏内の場所に設置できるのが理想的だった。まずはじめに鎌倉でプロジェクトを一緒に行なっている方々に、状況をお伝えする。「一時的ならレーザーカッターを置いてもいい」とお声掛けしてくださる方もいらしてくれた。その中には今回、Readyfor?のプロジェクト引換券として提示している[54シリーズ](*上記写真)の制作を一緒にさせて頂いている inu it furnitureさんもいらっしゃった。本当にありがたい。しかしながら、起こりうるリスクを考えて少し慎重に物事を進めないといけない。こちらの事業や研究を進めることで迷惑をかけてしまった場合など、いろいろな事を検討した結果、ひとまず鎌倉から一時間ほど離れた場所に移動することになった。置かれている状況もわかって頂き、地域の皆さんも納得してくれた。蔵のオーナーにも、今回の一部始終の出来事をきちんとお伝えした。




9月9日
レーザーカッターの移動場所は決まったものの、人手がいるのと運搬手段や移動場所の段取りもあり、すぐに移動できるということでもない。明日からは、ファブラボ筑波でレーザーカッターの修理に立ち会い、そのまま前回の作業を継続させてもらうことになっていた。気がつくと携帯電話が鳴っている。鎌倉駅から徒歩5分くらいのところにある陶芸作品などのギャラリーを運営させている方からだった。


「ゆうかさんにぜひ紹介したい作家の方がいるの、来れない? なんでかは、来ればわかるわよ」と



お店のドアを開けると、中央のテーブルに荒々しくもシャープさを兼ね備え、かつ愛らしい不思議な急須がたくさん置かれていた。「ねぇ、どう思う?」と問われ、率直な感想を述べたが、心ではなく頭で考えた言葉を使ってしまった。感覚の鋭い方は、その辺を見抜くから面白い。作品と間をとりながら、だんだん心で感じる言葉の感覚を取り戻していった。少々追いつめられていたせいか、頭で考え過ぎな毎日を痛感し深呼吸した。手の感覚を大切にしている方々だからこそ、作家やギャラリストの方に「手」と「デジタル」でつくる事の違いを聞いてみた。どうデジタルを捉えているのかはいつも気になっている事だから。



「もちろん全然違うけど、人がつくるモノと大きくとらえると、どちらも同じよ」



「そんなに難しく考えないで、ファブラボは人に夢を与えるような場所になればいいのよ。あなたは、ドラミちゃんになればいいのだから。」




ここに呼ばれた理由が、その時わかった。なんとなく私の役割も。少しずつ時計が回りはじめてきた。

 

 

 

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