プロジェクト概要

 日本の国土の67%を占める森林が、開発とスギ・ヒノキの人工林化により、大荒廃していることをほとんどの人が知りません。*1

 私たち人間は、たくさんの生命のつながった自然に生かされている存在です。でも、都会で自然と離れて暮らしているとそのことを忘れ、自然を壊しても心が痛まなくなってしまいます。

 自然に触れ、その中で生命を感じたことがなければ、自然や野生動物を大切にできる人にはなれない。都会で自然を知らずに暮らしている「子どもたち」と「自然」をつなぐ、架け橋になりたい。

 そのような思いから、毎年夏休みに、クマの棲む森を体験するバスツアー「くまもり原生林ツアー」を実施しています。原生的な自然は、日本ではほとんど失われてしまいましたが、目的地である「若杉天然林」(岡山県英田群西粟倉村)は、西日本でわずかに残った貴重な原生的な森林です。

 原生林ツアーは、子どもたちに、森の本当の姿を感じ、森から湧き出る水や酸素によって私たちが生かされていることに気づいてもらうことを、目的としています。

 道中のバス内では、森林や野生動物に関するクイズ、絵本の読み聞かせなど、親子で『楽しく』原生林や日本の森について学べるよう工夫しています。

 自然に触れ、生命を感じることは、子どもの感性を育み、心身の健やかな成長を支えます。

 一人でも多くの子どもたちを、原生林ツアーに連れて行ってあげたいと考え、今年から、「子どもの参加費は無料」での原生林ツアーを実現したいと企画し、そのためのご支援を呼びかけることにしました。みなさまからいただいたご支援は、バス代、ツアー会社へ手数料、保険代、交通費等に使わせていただきます。

 子どもたちに森の大切さを伝えるには、実体験が一番です。どうかご協力よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ごあいさつ

 一般財団法人日本熊森協会 会長 室谷悠子

 

 

 

 日本熊森協会は、水と空気の源である、クマなどの大型野生動物の棲む豊かな森を保全・復元するために実践活動をしている自然保護団体です。

 私たちの運動は、27年前、「ツキノワグマを絶滅から救おう」と立ち上がった中学生たちが、日本の森の危機を知ったことにより生まれました。当時、中学生だった私は、自然や野生動物を守るためには、法律の専門家が必要と考えるようになり、弁護士になりました。

 そして、昨年、ずっと一緒に活動してきた、中学校の理科の先生であった森山まり子初代会長を引継ぎ、日本熊森協会の会長に就任しました。

 私たちは、「森を残し、全ての生物と共存しなければ人間は生き残れない」との理念のもと、1997年の設立以来、動物たちがつくる豊かな森を再生させ、未来の子どもたちに引き継いでいくため、様々な自然保護活動に取り組んでいます。

 

大荒廃している日本の森林

 日本は国土の67%が森林の国です。しかし、原生的な自然はほとんど残っていません。*1

 これは、戦後の「拡大造林政策」により、奥山の自然林を次々と伐採し、木材生産のため、スギやヒノキなど針葉樹の広大な人工林が造られたことが原因です。

 拡大造林政策により伐採され、人工林に変わった自然林は、東北6県分の面積と同じ程度になります。*1

*1 林野庁の林業統計要覧から各年の拡大造林面積を足して計算http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/h29/1.html

 

 

 原生林を伐採して造られたスギ・ヒノキの人工林ですが、その後、外材の輸入や林業不振により、手入れがされず、放置されるようになりました。

 人工林の中は光が入らず、下草も消え、動物たちの食べ物はありません。そして、食べ物を求めて里に下りてきた動物たちは、農作物を荒らす、害獣として、次々と補殺をされています。

 放置された人工林の荒廃により、森林の保水力が失われ、川の水量は激減しました。そして、保水力のない人工林は、大雨や台風の度に崩れだし、土砂災害を発生させ、たくさんの方が亡くなる事態が発生しています。2017年の九州北部豪雨災害でも、2018年の西日本豪雨災害でも多数の放置人工林が崩れ、大災害を発生させました。

 

 

 

 

  また、スギ・ヒノキの人工林から発生する大量の花粉は、花粉症患者を激増させています。

 スギ・ヒノキの人工林は外から見れば、緑できれいに見えますが、中は生きものもおらず、表土が流れ、草もない砂漠になっています。このまま放置すれば、森の荒廃は進み、私たちは水源を失うことになります。

 

 

 

 

中学生たちから始まった日本熊森協会

 私たちの活動は、1992年、兵庫県尼崎市の中学校から始まります。ひとりの中学生が、当時、理科の先生をしていた初代会長 森山まり子のもとに、一枚の新聞記事を持ってきました。

見出しには、

『オラ、こんな山いやだ 雑木消え腹ぺこ眠れぬ 真冬なのに里へ…射殺

ツキノワグマ環境破壊に悲鳴』(1992年1月14日朝日新聞夕刊)とありました。

  記事には、山がスギ・ヒノキの人工林になり、生息地とえさ場を失ったツキノワグマが食べ物を求めて人里に下りてきては殺され、絶滅の危機にあると書いてありました。

 自分たちの周りにも人間のために絶滅を迎えようとしている生き物がいると知った中学生たちは、絶滅寸前のツキノワグマを守ろうと、声を上げ始めました。クマのことも自然のことも知らない、都会の中学生たちは、クマを救うために猛勉強をしました。

 そして、中学生たちが知ったのは、『日本の森の危機』です。日本人は、山をスギ・ヒノキの人工林にすることで大荒廃させ、野生動物たちの棲みかを奪い絶滅の危機に追い込み、自分たちの生命を支える水源の森を失おうとしているのです。

 

 役場や猟友会にクマを絶滅させないでと訴えたり、町内を回って署名を集めたり、必死で頑張る中学生」たちに森山先生は尋ねます。

「君ら、なんでそこまでするんや」

 

 すると、一人の男の子が言いました。

「先生、これクマだけの問題と違うねん。僕らの問題でもあるんや。先生、僕ら寿命まであと何年生きなあかんと思う?今の自然破壊見てたら、僕ら寿命まで生き残られへんてはっきりわかるねん。僕ら、寿命まで生き残りたいねん。」と。

 

 その後、中学生たちの活動は、当時兵庫県知事をされていた貝原知事を動かし、環境庁を動かします。生徒たちの活動により、兵庫県のツキノワグマの狩猟禁止令が発表されました。

 

 

「絶滅していく動物たちを助けてあげたい」という、優しい中学生たちの思いから、始まった活動を発展させ、もう一度、動物の棲める森を復元し、日本に豊かな森を再生させることを目的に、1997年に設立されたのが「日本熊森協会」です。

 熊森協会の誕生秘話は、「クマともりとひと」

(発行:日本熊森協会 1冊100円)で読むこと

ができます。52万部発行され、今も売れ続けています。

*「クマともりとひと」PDF版はこちら

  http://kumamori.org/

 

日本にも、本当に自然を守れる自然保護団体を!

 多様性豊かな自然の森がもたらす水は、農業を支え、工業を支え、都市の生活を支え、海に流れ出た後は豊かな漁場を作ります。

 もし、日本の奥山を、今のように行き過ぎた開発と人工林で荒らしたまま放っておけば、近い将来、次々と森は崩壊し始め、全産業が衰退し、文明の危機に陥ってしまう。

「自然保護大国でなければ、21世紀、この国は生き残れない。」日本にも、本当に自然を守ることができる100万人規模の自然保護団体を作りたいというのが、私たちの目標です。

 自然を守るのは、行政でも、学者でもない、動物たちが滅びていくことに胸を痛め、動物たちの気持ちになることができる子どもたちや、心やさしい普通の人々です。そういう人たちとともに、そういう人たちの思いを集めて、私たちは、活動しています。

 

日本熊森協会の自然保護活動

●水源の豊かな森の復元 

 私たちは、設立した当初から、地元の方たちとともに、「動物たちに帰れる森を、地元の人々に安心を」を合言葉に、放置人工林を伐採し、天然林に再生する活動に取り組んできました。

 

 

 一度壊してしまった森林を再生するのは気の遠くなるくらい時間がかかります。しかし、2002年にクリやどんぐりを植えた植樹地では、植えた木が実を付け、クマたちが帰ってくるようになりました。

熊森植樹地(兵庫県)では16年かけてクマのえさ場復元に成功!

野生動物保全

 絶滅寸前のツキノワグマの保護活動に取り組んでいます。生息地の復元の外、クマが人里に出て来ないように、民家近くのカキの実を取って山へ持って行く、集落周辺の草刈りをするなど、クマと人の棲み分けのために地元のお手伝いをしています。

●環境教育

 未来を生きる子どもたちに、森の大切さを伝え、全ての生きものに優しく、豊かな森を守ることができる大人に成長してほしいという思いから、保育園、幼稚園、学校等で環境教育を実施しています。

 子どもたちは、自然や生きものと仲良くなる名人です。小さい頃の豊かな自然景

観が、子どもたちを優しく、強く成長させてくれます。

 

原生林ツアーに皆さんの力が必要な理由

 未来の自然を守るのは、子どもたち自身です。日本熊森協会を立ち上げたのが

子どもたちであるように、失われゆく森の姿を知り、自然破壊に歯止めをかけてほしい。

 子どもたちが大人になった時、自然を大切にすることが当たり前の社会を創りたい。そのためには、幼少期に本当の自然の姿を知り、大切にしようという心を育む必要があります。

 そのために毎年実施してきた原生林ツアーですが、近年のバス代高騰などにより、参加費を高く設定せざるをえなくなり、子連れで気軽に参加していただけるイベントではなくなってしまいました。

 ツアー自体の中止を考えたこともありましたが、日本の森の危機や森の大切さを伝えるには、実際に現地を見てもらうことに勝るものはありません。

 市民と自然をつなぐイベントとして、原生林ツアーを失くすべきではないと判断し、クラウドファンディングの力を借りて、たくさんの子どもたちに来てもらえるツアーとして、生まれ変わらせたいと考えています。

なんとか昨年まで実施してきました。しかしながら、参加費が上がるに伴い、参加者が減っているのが現状です。

 私たちが、命がけで守ろうとしている自然を、50年後に守るのは、今の子どもたちです。

 子どもの自然離れが深刻な現代。自然の森の美しさ、ここちよさ、愛おしさを、子どもたちに体験させてあげたい。自然を愛おしく思う心は、実体験なくして育ちません。私たちは、子どもの参加費を無料にすることで、より多くの子どもたちが参加しやすいツアーにできればと願っています。皆さまのあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします!

 

 ・プロジェクトの終了要項

 2019年8月4日、若杉天然林で「くまもり原生林ツアー」を開催したことをもって、プロジェクトを終了とする。

・関連事項

 天災等やむを得ない事情により予定していた日にイベントが開催できなかった場合は、延期する(延期日:未定。2019年7月31日までには決定する)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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