こんにちは、藤﨑です。

 

バングラデシュに33万人いると言われる家事使用人の中でも少女への支援活動を始めたのは2006年。それから10年が経ちました。

 

私たちの活動はヘルプセンターの活動だけではありません。2012年からはもっと広く一般市民に少女たちのことを知ってもらうためにキャンペーンを開始しました。例えば現地の大学生と協力してリキシャ(人力車の自転車版、バングラデシュの人々の足)に「ほうきではなく本をください」というスローガンが書かれたステッカーを貼ってもらって、市内をラリーもしました。

 

リキシャの後ろにステッカーを貼って出発!(左が藤﨑)

 

さらに、子どもの権利や児童労働について活動するNGOのネットワークに加わり政府や行政への働きかけを2015年から行っていました。すると、2015年12月「家事使用人の権利保護と福祉政策(以下、政策)」が閣議通過したのです。2010年に政策案が提出されてから動きが見られなかったので、そのニュースを聞いたときの喜びは忘れられません。

 

そして、このチャンスを逃してはいけないと思いました。

 

この政策は14歳未満の雇用を原則禁止している他、労働条件を書いた雇用契約書を交わすことなど家事使用人の労働環境を改善する内容となっています。子どもに特化した内容ではありませんがこれを根拠にした雇い主や保護者、地域住民への働きかけがより説得力を持ったものになることが期待できます。

 

政策はゴールではありません。最終的には拘束力を持った法律となることが目標です。政策段階でも行政や人々にきちんと理解されて実行されるよう働きかけが必要なのです。ダッカ市長との対話を求めたりメディア向けセミナーを開いたり、他のNGOと連携を取りながら働きかけを強化しています。

 

行政への働きかけを強化するのなら、ヘルプセンターの運営はもうやめてもいいのでは?と思われたでしょうか。そういった選択肢もあるのかもしれません。

 

ただ、私は現場の声、肌感を大切にしたいと思うのです。ヘルプセンターに通う少女の表情や声のトーン、センターの先生への甘え方には少女一人一人の状況が如実に表れます。雇用主や保護者との対話の中では彼らもまた何かしら問題を抱えていることがわかったり、正論をぶつけるだけでは物事が進んでいかない現実を知ることができます。

 

理想論ではなく、こういった現場のリアリティを基にした政府や行政への働きかけをしていきたいと思います。そして、何より私たちが出会えていない少女たちがまだたくさんいます。少しでも多くの少女たちとセンターで出会い、そしてその出会いを活かして社会を変えていきたいと思います。

 

(C)Atsushi Shibuya

 

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