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タイトルの「制作秘話」ですが、実を言うとこの服の開発には長い時間がかかっています。その間の色々な話をこちらで少しづつ書いていこうと思います。第一話は「手」の話です。

 

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このごろ「手」という言葉を聞かなくなりました。「次の一手は」とか「その手があったか」とか「手は打ってある」というときの「手」です。意味としては「対応策」とか「解決策」ですが、私の感覚でいうと「狙って収める」というか「思い通りにならないものをピンポイントで押さえる」イメージです。

 

私は一時期、着付け師をしていたことがあります。着付けの先生からいろいろな「手」を習いました。和服は平らな布です。それを複雑な形をした人間に美しく添わせるには本当にたくさんの「手」を覚えなければいけません。

 

最初に背中の丸い人の服を作りたいと思ったとき「あの手とあの手、それからあの手を使えばダーツ*なしで出来る」と確信しました。ですから皆に「無理だ」「出来ない」と言われてもあまり気になりませんでした。

 

ただ、それを洋服の型紙に落とし込むのにはだいぶ時間がかかりました。洋服には洋服の決まりごとがあって、それを崩さずに着物の「手」を組み込むのは難しかったのです。結局、差し障りのなさそうなところは崩してしまいました。

 

どうでしょう。型紙に詳しい方ならどこを崩したかわかりますよね。でも、詳しくない方はたぶんわからないと思います。要は着る人が良ければ良いのではと思い、この型紙を完成としました。

 

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※ダーツとは余分な布をくさび型に畳んで縫い合わせたもの。人の肌にたとえると手術の傷跡のようなものです。布の美しさを損なうため、無ければ無い方が良いとされています。

 

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