
支援総額
目標金額 2,500,000円
- 支援者
- 162人
- 募集終了日
- 2024年6月30日
【これまでの活動2】平和劇に取り組む理由
ページをご覧いただき、誠にありがとうございます!
今回の活動報告は、本の紹介になります。
ぼくはこの本を読んで、自分が平和劇に取り組む理由を自覚しました。

本の紹介の前に、すこし話がそれます。
ぼくは2019年、パラオにあるペリリュー島に行きました。
ここは沖縄戦の前年1944年に、日本軍と米軍の激しい戦いが行なわれた島です。
ペリリュー島にある共同墓地に、沖縄の塔というものがありました。
沖縄県出身者の慰霊のために作られたものです。
ぼくはこの沖縄の塔を見たときに、なぜか涙がボロボロと出てきました。ペリリュー島に先祖が動員されたというような繋がりはありません。それでも、なぜか涙が止まりませんでした。
なぜそうなったのか、そのときは分かりませんでした。

そして2020年、ぼくはこの本を手に取りました。
日本の哲学研究者、近内悠太さんが書いた『世界は贈与でできている - 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』です。
この本は、平和について書かれたものではありません。
資本主義における『贈与』の存在について書かれた本です。
本書では「お金で買えないもの・およびその移動」を贈与と定義しています。
贈与を学ぶために、「贈与ではないもの」として「交換」という概念が説明されます。
「交換」をすごく簡単に言うと、「ギブ&テイク」もしくは「ウィンウィンの関係」です。
「◯◯してあげる。で、あなたは何をしてくれるの?」
これが交換です。
交換は、見返りを求めます。
しかも与えた側は、なるべく早めに返してもらうことを期待します。
贈与は、それとは異なる立場をとります。
贈与をする人は、見返りを求めません。
さらに、そもそも贈与したことさえ、相手に気づいてもらえない可能性を引き受ける必要があります。
贈与の代表例として「親の愛情」が取り上げられています。
たとえば、ある人が結婚をして子どもを産み、育てることになった。
子どもは愛おしい。何もできなくても、ただ生きていてくれるだけで愛おしい。
その人は、なにも見返りを求めず、子どもに愛情を贈与します。
その過程で、気づきます。
「自分もまた、自分の親に愛されていた」ことに。
自分が愛情をもって子どもを育てる中で、自分もこうやって愛情を注がれて育ててもらっていたんだ、と気づく。
その瞬間、その人の世界に「贈与」が立ち現れます。
もちろん、子どもを育てたからといって、自分が親から受けた愛(贈与)に必ず気がつくかといえば、そういうことはありません。
親の愛情は、相手に一生気づいてもらえない可能性もあります。それが贈与です。
本書の183ページに、このように書かれています。
何気ない日常の中で、あふれている無数の贈与(のありがたみ)は隠されています。それらは「あって当たり前」であって、それが無ければ僕らは文句を言う。
コンビニの陳列棚の商品、自動販売機、部屋の空調設備、電車の定時運行、あるいは衛生環境やインフラ、医療。
逆説的なことに、現代に生きる僕らは、何かが「無い」ことには気づくことができますが、何かが「ある」ことには気づけません。
いや、正確には、ただそこに「ある」ということを忘れてしまっているのです。だから僕らは「ただそこにあるもの」を言葉で述べることができません。それはすなわち、それらが与えられたものであること、それがただそこに存在するという事実が驚くべきことであること、そして、もし失われてしまえば心底困り果ててしまうことに気づくことができないということです。
ぼくはこの文章を読んで、あのペリリュー島での出来事を思い出しました。
なぜ沖縄の塔を見て、涙が止まらなかったのか。
おそらく、ぼくはあのときに気づいたんだと思います。
ぼくが人生の中で受けた最大の贈与が「平和」であることに。
顔も名前も知らない人たちが作り上げた平和な社会を、ぼくは贈与として受け取っていた。
顔も名前も知らない人を、近内さんは「アンサング・ヒーロー」と表現しています。
その功績が顕彰されない影の功労者。歌われざる英雄(unsung hero)。
アンサング・ヒーロー。
それはつまり、評価されることも褒められることもなく、人知れず社会の災厄を取り除く人ということです。
この世界には無数のアンサング・ヒーローがいた。
僕らはあるときふと、その事実に気づきます。
(210ページより引用)
近内さんの言葉をお借りすると、現代に生きる僕らは、平和が「無い(戦争状態)」ことには気づくことができますが、平和が「ある」ことには気づけない。
平和が、ただそこに存在するという事実が驚くべきことであること、そして、もし失われてしまえば(戦争になってしまったら)心底困り果ててしまうことに気づくことができない。
平和とは、無数のアンサング・ヒーローの存在があって維持されてきた。
「沖縄の塔」と「世界は贈与でできている」から、ぼくが考えさせられたことです。
平和な社会をつくることは、未来の誰かにとっての贈与になり得るのではないか。
これが、ぼくの平和学習に対する行動原理です。
ペリリュー島に行くまでは、そしてこの本を読むまでは、「なんで平和劇に力を入れているの?」と聞かれても、「やりたいからやっています」といった返答しかできませんでした。
でも今は「つぎの世代の子どもたちに、平和な社会をつなぐためにやっています」と明言できます。
顔も名前も知らない人たちが贈与してくれた平和な社会を、次の世代につなげるために活動を続けていこうと思います。
ご一読いただきありがとうございました!
リターン
5,000円+システム利用料
応援コース5千円
【リターンが不要な方向け】
◇御礼のメール
◇プロジェクト報告書PDFのご送付
※いただいたご支援をより多く平和劇に充てさせていただきます。
※こちらのコースで複数口のご支援も可能です。
- 申込数
- 60
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年3月
10,000円+システム利用料
【観劇コース】平和劇へご招待
◇御礼のメール
◇プロジェクト報告書PDFのご送付
◇平和劇のご招待(2024年10月-12月予定)
※会場・日時は調整中となっております。2024年7月末までに詳細をメールにて連絡を差し上げます。
※万が一当日お越しいただけない場合は、アーカイブ映像視聴をご案内しますのでお問い合わせください。
- 申込数
- 37
- 在庫数
- 制限なし
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※万が一当日お越しいただけない場合は、アーカイブ映像視聴をご案内しますのでお問い合わせください。
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