プロジェクト概要

 

ガンという病は、縄文時代にもあった。人骨を辿れば、その時代の生活が見えてくる。

 

大学や研究所で骨の研究をしている、谷畑美帆と申します。専門は、「古病理学」です。

 

これまで博物館・教育委員会・大学(ときには警察署)などの依頼を受け、縄文時代から江戸時代にいたるさまざまな人骨を資料として、どんな病気がいつからあるのか、地域や社会的階層によって病気のバリエーションはどうなのか……といった調査を実施してきました。

 

 

今回初めて、国内の人骨にとどまらず、日本を取りまくアジアの隣国から出土した人骨も用いた研究に踏み出したいと思っています。日本史の研究深化のためには、周辺国との比較が不可欠だからです。

 

しかし、残念なことに日本ではあまり馴染みのない古病理学に潤沢な予算はつきません。現状ですら、多くの部分を自腹で研究を進めている状態です。そこで皆さまのお力を借りられないかと考えました。

 

クラウドファンディングを通して、関心を持っていただける方と繋がりを持つことができたら、今後の研究にも生きてくるのではという思いもあります。

 

人骨の研究から、過去の社会構造や文化、交流などへと思いを馳せる。そんな一歩を一緒に歩んでいただけませんか?

 

もろい骨はウレタンで包んで発掘現場から移動してから取り出します

 

骨はヒトなり。人骨で明らかになる、数万年前の社会。

 

まず、骨からいったい何がわかるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

確かに人間の体は水分や筋肉など軟らかい部分がほとんどで、骨は人体の数%にすぎません。しかし骨は、身長などの外見的特徴のほか、罹患していた病気など多くの情報を持っています。

 

骨は、皮や肉と違って、埋葬されたあとも長く残り続けるので、何千年も前を生きた人の身体の情報をダイレクトに受け取ることができます。DNAを取り出すこともできます。これらの情報を文献と照らし合わせて考えることで、当時の社会状況がよりクリアに見えてくるのです。

 

骨から性別、年齢、病気の痕跡を調べたのちは、博物館に展示することもあります

 

 

では、人骨を調査することで、なぜ当時の"社会状況"まで浮き彫りになるのか? それは、人の健康状態は、当時の生活様式や社会と密接な関わりがあるからです(現代でも、「生活習慣病」があるように)。

 

例えば……

 

ここで、いくつかクイズです。

 

 

Q1. 人骨のどこを見れば、男女が判別できるでしょうか?

 

 

 

Q2. 古くから日本人の命を奪ってきた結核。何時代からある病気でしょうか?

 

 

 

Q3. この歯は、何時代の人でしょう?

 

 

 

 

Q4. この写真は、何の病気を抱えた人でしょう?

 

 

 

 

次の研究フィールドは、東アジアの隣国へ。

 

今回のプロジェクトでは、このような社会構造や移ろいを、もっと視野を広げて、日本と大陸との交流といった側面から浮彫にしていきたいと思っています。

 

というのも、日本の社会は、周辺の東アジアの国々との交流とともに発展してきました。日本の人骨だけを対象とするのではなく、隣国との比較の中で、その歴史的影響を考えなければ、見えてこないものがたくさんあります。

 

手始めとして、日本と関係の深い韓国の遺跡(6世紀)から出土人骨を調べていく予定です。対象資料とするのは、池山洞古墳群および林堂洞(イムダンドン)出土例など韓国南部のものです。

 

■プロセス

①現地における収蔵状態の確認

②資料から得られる基礎情報の整理・リスト化(性別・年齢・身長など)

③合成樹脂で製作された標準資料と比較して観察(使用した資料の一部をリターンとして希望者に送付)→骨に残された病気の痕跡を確認する。

④副葬品や遺構との関係性を加味しつつ、個々人の人物像を探る

⑤最終成果として、研究結果の書籍化を目指す

 

※出土状態図を参照し、副葬品や遺構との検討を実施
※ファンディングがうまくいって研究資金が潤沢にあれば、DNA分析や食性分析も実施

 

韓国の研究者と慶北大学にて交流を深める
(右:慶北大学教授朴天秀先生、今回もご協力いただきます)

 

 

日本の古病理学は、まだまだ発展途上。ステップアップの一助を!

 

今回クラウドファンディングに挑戦しようと思ったのは、ひとえに、普段知られるチャンスの少ない分野に少しでも光が当たってほしいという願いからです。

 

欧米で始まった古病理学。法医学との関係性が深いことから、警察の捜査の一つとしても取り入れられており、アメリカでも盛んです。しかし日本はまだまだで、アジアも含めて開拓・新たな発見の余地が多くあります。

 

皆様にも、このプロジェクトを追いかけていただく中で研究のプロセスを見ていただき、身近に感じていただけたら何よりです。応援どうぞよろしくお願いします。


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