歯科領域から見つかる HPP 症例

　本日は、歯科領域から見つかった HPP の症例について、これまでの経験をもとにお話ししたいと思います。最近では、多くの先生方の気に留めていただいてることもあって、当科に「乳歯の早期脱落」を呈する症例をご紹介いただくことが増えてきました。

　HPP の症例の場合は、一般の歯周病のような炎症はあまり認められず（出血などがなく）、「歯と骨の接着がもともと弱い」という特徴から、私たち小児歯科医では初診時に何となく推測できます。そして、専門の小児科医への紹介を経て HPP の確定診断につながる症例も増えてきました。

　歯にしか症状がないタイプ（歯限局型）が多数を占めますが、成長期の管理をしていますと、全身の骨に症状が生じる場合があることが分かってきました。また、すでに低身長などの全身の症状が生じている症例（小児型）が、歯科領域からのアプローチで見つかることも出てきました。

　このように、歯科領域の所見から HPP を早期に発見して、小児科医と小児歯科医の管理に置かれ、適切な時期に適切な治療が受けられるようなシステムができつつあります。今後、このような実例の啓発活動を広く行っていくことで、全国的にこのような流れができていくことを期待しています。