冬の行動圏

お正月三が日、皆様もごゆっくりお過ごしになっていますでしょうか。

サシバもお正月をのんびり過ごしいることでしょう。今回はそんなのんびり屋のサシバの冬の行動について少しご紹介します。

ざっくりとしたお話ですがご了承ください。

サシバが奄美大島の捕獲場所にピンポイントに戻ってきたことは皆さん驚かれたことと思います。私たちもそういうことがあると聞いていたものの、若い個体も含めすべての個体がここまでピンポイントに戻ってきたことには驚きました。

これが何を意味するのかというと、旅立ち前の3月も、帰ってきた10月も同じ場所なのですから、冬の間ずっと同じ場所にいるということです。つまりは動かない（苦笑）。ねぐらは木がある場所なので、ねぐらとして利用している場所が離れていれば1kmぐらい通勤する個体もいますが、餌場とねぐらがセットになっている場所ではほぼほぼ移動しません。

行動範囲は0.1㎢あったら広いほうで、0.01㎢ぐらいの個体もいます。0.01㎢といったら100ｍ×100ｍです。冬の間その中で食べて寝てを繰り返すのですから、相当狭いです。ちなみに行動範囲は昨年捕獲してから旅立つまでの間に副産物的に得られた位置情報の集計ですから、参考程度ですが、ピンポイントで帰ってきたことを考えると、冬のサシバはこういうものだ！というネタにはなるでしょう。

ということで、冬のサシバはひたすら食べては寝てと寝正月を過ごしているかと思います。少しは散歩しないとメタボが心配と思うのですが、春の渡りに備えてメタボであることのほうがいいのかもしれないですね（笑）。移動しなくても餌が捕れる環境だという点も忘れてはならないでしょう。奄美大島の環境はサシバを堕落させる？？いやいや冬の餌が乏しいシーズンにサシバを支えているのが奄美大島なのです。