■専用扇子ケースが、いよいよ完成します!

 

皆様、こんにちは!
前回に引き続き、京都市北部で革工房Takuを営まれる伊藤拓さんから、扇子ケース制作のレポートをお送りいただきます。

それでは伊藤さん、よろしくお願い致します!

伊藤さん『ケース本体にも穴あけ用のケガキ。作業を見ていた息子が「父ちゃん、それ鉄砲?」って(笑)』
ハンドプレスを作ってリベット打ち
ホックボタン縫い付けの為の下穴あけ作業
一本の糸の両端に針を通して縫い縫い
ハンダゴテで縫い上がり糸の処理
穴あけ完了
プレス使ってベロパーツをリベット留め
ディバインダーを使って罫書き
ぴったりタイミングで届いたColanl刻印を、木槌でトントントン!
ゴム糊を両面に塗り接着作業
ハンマーで接着箇所を叩き圧着
若干サイズが異なる部分を革包丁でカットし整形
右手が整形前、左手が整形後
更にヤスリで断面を整える
ケガキのラインに沿って菱目打ちで穴あけ作業
この部分は違う道具を使うけど、用途は同じ菱目打ち
二本足のうちの一本は手前の穴に合わせて行き、均等の間隔で下穴があいていく。根気の要る作業
リベットで留めたパーツは回転可能な為、パーツを回しながら穴あけ
場面によって、同じ用途の道具を使い分ける
付属のパーツの厚みに合わせて革を当てて穴あけすることで、革への負担や伸びを抑える
穴あけ作業が完了。この後は手縫いで一つずつ仕上げ
一本の長い蝋引き糸の両端に手縫い針をそれぞれ通す。基本は縫う距離の3倍の長さの糸を用意
ひと針ひと針が手作業。強く引きすぎると革が縮むし、引きが弱いと糸が緩む。いい加減をキープ。
縫い上がったら、ハンダゴテで糸を焦がしてほつれ止め
最後の手縫い作業が完了。今回使用した糸は、手縫い用の中太サイズ、ナイロン製に蝋引きがしてあり、
きめ細かな糸は半ツヤで控え目。デザインの雰囲気に合わせてチョイスした高級糸
続いてコバ面(断面)の面取り作業。ヘリ落としを使ってエッジをカットし、尖った角にアールをつける。
これを両面に。カーブは特に神経を使います
製作工程を3分クッキング形式でご紹介!「そして出来上がった物がコチラ!」
加工を加える度に革は自由を求めて動く。穴をあけると革の繊維は動き、手縫いの力加減で伸びたり縮んだり。
程よい加減で縫った後はハンマーで叩いて糸と革を馴染ませます。
ヤスリで断面を整え
無色の部分に革用の染料を用いて色入れ
断面に「トコノール」を塗って、革の裏面を滑らかにする
各々、色々な組み合わせでコバ磨きを行いますが、僕がいつも使っているのはヘチマタワシ。
ご近所から頂いた生のヘチマ乾燥させてから、小さく切り分け、ハンマーで叩いて馴染ませてから使ってます。強弱をつけながらゴシゴシと磨き、摩擦で暖かくなるまで磨くと繊維が潰れてツヤが出てきます
染料等の水分が乾いてきたところで帆布(ハンプ)のハギレを使って更に磨き込む
木材を丸ノコで加工し、カンナで形を整え木型を製作
ケース内を水で湿らせ、ピッタリサイズで作った木型を押し入れると、一気に雰囲気が変わって立体的なケースに変身。完全に乾いてしまうと革が締まって木型が抜けなくなるので、革が木型の形状に馴染んだところで
抜き取ります。濡らした革は乾くと形状を記憶する魔法のような素材です
乾燥し、型出しの終わったものから現物に合わせてホックの位置を確認。
型出しによる伸び等の個体差が発生しやすいのも、天然素材ならではの特徴
革に穴をあけ、雌ホックをハンドプレスで取り付け
ほぼ完成。一つずつ仕上がりをチェックしながら、残す作業はオイルフィニッシュのみ
仕上げのオイルフィニッシュ。100%動物性オイルをシープウール(羊毛)に湿らせ革に馴染ませる
ホックの滑りが良くなるように、綿棒でホックにも同じオイルを与えます
ホックや扇子抜き差しの具合をチェックし、ついに完成です!

伊藤さん、扇子ケースのご制作と詳しいご解説、本当にありがとうございました!素材を無駄なく使い、とても丁寧にじっくりと取り組まれているご様子がうかがえただけではなく、革素材の特徴や器具の使い方までよくわかって、とても興味深かったです!長らくのご制作、おつかれさまでした!

 

伊藤さんによりますと、革製品を作り始めて20年が経ち、10年ほど前から過去に伊藤さんが作られたお品の修理依頼が来るようになったそうです。依頼内容は、主に消耗品となるボタンやファスナーの交換だとか。素晴らしいお話ですね。「買い替え」ではなく「修理して使う」ことは、かはほりあふぎのコンセプトと同じです。こちらの扇子ケースも本体の扇子と同様に、末永くお使いいただきたいと思います。革製品は使っているうちに『革が馴染んで使い易い』状態になりますので、ぜひ普段使いになさってください。そして扇子ケースに何かあったときには、迷わず京都の革工房Takuまでご連絡ください!

 

これから伊藤さんから扇子ケースを受け取った後に、皆様へのお届けを準備させていただきます。もうしばらくお待ち下さい。お届けまでの間に、次回の投稿として、扇子ケースの使用方法についてお伝えします!

 

(次回に続きます)

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