コロナで外出できない子どもたちへ。施設のアドボカシーを継続
===================== プロジェクト終了報告 ====================
【感謝の気持ち】
2020年3月、「施設訪問をして子どもの声を聴こう」と子どもアドボカシーセンターOSAKAを立ち上げた頃に、新型コロナウィルスの感染が拡大し、施設の子どもに会えなくなってしまいました。外出も自由にできない施設の子どもたちにさらなる不自由さが加わり、わたしたちはなんとか会いにいこう、活動の継続のためになにかしようとクラウドファンディングに挑戦しました。
期間中の応援・ご支援が本当にありがたく、わたしたちの大きな励みとなりました。
新しい年度を迎え、コロナの不安はなくなりませんが、これだけの応援をいただいたことをしっかり胸に刻み、活動を進めています。気持ちの面でも金銭面でも、どれほどみなさまからのご支援がや役に立ったか、計り知れません。
ありがとうございました!
「子どもの声が届く社会」をめざして、着実に歩んでいきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
【結果報告】
このプロジェクトを通して、さまざまな地域のアドボカシーに興味のある方、子どもを支援しようという方、子どもの声を聴こうとする方たち計111名に出会うことができました。
目標の1,500,000円を上回り、1,794,000円ものご支援をいただきました。
2020年3月~6月
施設訪問アドボカシーの継続! たくさんの子どもの声を聴きたい!と希望いっぱいでスタートしたのですが、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言まで出てしまって、訪問は行けなくなるし、予定していた報告会などもできなくなってしまいました。
なにかしなくては! 訪問再開と同時に直実に動き出せるように準備をしなくては! とクラウドファンディングに挑戦! 人とのつながりを再確認しながら、あたたかいご支援、おことばに励まされ、この時期を乗り切りました。
施設の子どもたちには、お手紙をはじめ、あれこれ届けました。
6月
6月の終わり 待ちに待った訪問再開。障害児施設に訪問できることになりました。
マスクして、検温して、消毒して、時間も短く… 制約はあるけれど、子どものところにいき、アドボカシーの活動ができることはうれしい限りです。
「学校はじまってましになった」「おでかけしたい」「元気やったよ」などの子どもの声
なにも言わずに抱きついてくる子、手を握りにくる子、遠くから見ている子… 子どもそれぞれの意見表明があります。
7月 8月
今年の夏休みは短く、例年楽しみにしているキャンプも夏祭りも、施設の子どもたちは、なにもありませんでした。訪問して、近辺に外出してアイスを食べたり♪ ご支援のおかげで楽しい時間が持てました。
9月
新型コロナウィルス、感染防止に留意しながら、なんとか訪問は継続できました。近くの
お店、公園などにも外出できるようになり、外で個別に子どもの声を聴く機会も持てました。
10月
ひさしぶりの「子ども委員会」を開催。子ども委員会では、子どもからアドボケイトは活動についてのアドバイスをいただくのですが、その前にいつも「アドボケイトの役割」を子どもに説明しています。今回は、パネルシアターで説明しました。
パネルシアターでアドボケイトの説明を終えて、「そうそう、そんな人たちだったね」とは言わないけれど、なんとなく子どもたちからそんな感じが伝わってきたから、今日の子ども委員会はうれしい時間でした。受け入れてもらえている安心感が持てて、子どもの声なき声の力はすごいです。
ハロウィ~ンの日、施設の子どもといっしょに地域を歩きました。
「トリックオアトリート」でおかしをもらって、公園で食べて、おしゃべりして♪
アドボケイトは、こんな時間を持てることがとてもうれしいです。
11月
訪問を続けながら、じわじわ増え続ける新型コロナウィルス感染者の数。
中高校生は、進路のことが今まで以上に気になる時期になってきて、その声を聴かせてもらいたいと思うアドボケイト。たくさんのアドボケイトで訪問して、小さい子どもとあそび、小学生とお出かけし、中高校生の声を個別に聴く。そんなことを描きながら、訪問の人数制限をせざるを得ない状況になってきました。
「なんで○○ちゃんばっかりなん?」「わたしはいつ?」
そんな声が子どもから聴こえてきます。
12月
ついに、訪問中止になってしまいました。
クリスマスに予定していたトーンチャイムもできなくなりました。
おうちの人に会いにきてもらうこともできなくて、おうちに帰ることもできない子どもたち。いい年が来ることを祈らずにはいられません。
3月に退所の子ども、地域移行についてのお話を聴かせてもらっている途中でした。
期限のあることでもあり、訪問できなくても、なんとかつないでいかなくては。
2021年1月
緊急事態宣言が出され、訪問中止は続きます。
そんな中、地域移行についてはこの時期、動きはとめてはならないと訪問することになりました。訪問できるアドボケイトは1人~2人のみ。クラウドファンディングでも「ほしい~」と叫んでいたタブレットを活用して、施設内に入れないアドボケイトは、zoomでおはなししました。みなさんのご支援で、施設の持ち込めるタブレットを購入すえうことができました。
2月~3月
施設退所に向けて、子どもが「会いたい人がいる」「その人にききたいことがある」とアドボケイトに伝えてくれました。コロナ禍ですが、意見実現支援に向けて何度も話し合い、Z00Mにより実現しました。
児童養護施設の訪問も3月中旬に再開しました。ここでもzoomを使ったり、子どもたちに動画を届けたり、みなさんのご支援で購入したタブレットを活用しました。
【収支報告】
みなさまからいただいた支援金は、子どもへのアドボカシー活動のために全額使用させていただきます。
内訳
アドボケイト6人の手紙・物品お届けと訪問の交通費と諸経費:289,640円
子どもとの外出(ファストフォード店、コンビ二、100円ショップ、ファミレスなど):84,765円
アドボケイトの活動費とタブレット等必要ツール購入費:523,567円
アドボケイト研修費:277,050円
アドボケイトスーパーバイズ謝金:140,000円
クラウドファンディング手数料:335,478円
消費税:143,500円
【これから】
みなさまからご支援いただいたおかげで、資金ゼロからスタートしたわたしたちの団体も、施設訪問アドボカシーをコロナ禍にいても継続することができました。
訪問の経験を重ねることができ、退所の子どもの地域移行などにも取り組めるようになり、活動の幅が広がりました。わたしたちの団体にしかない施設訪問の活動実績を社会に発信するよい機会にもなり、ご支援していただいた方、支えてくださったレディフォーのキュレーターさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
訪問する施設を増やし、いずれはすべての子どものアドボカシーが実現するように、着実に歩んでいきたいと思います。
当面は、アドボケイトの養成に力を入れながら、「子どもから学んだこと」を「子どもの声を聴くおとな」に伝えていきたいと思います。
子どもの声を大切に受けとめることによって、きっと、今よりだれもが生きやすい社会になることを信じて歩んでいきたいと思います。