ハンセン病文学作品集1000冊をデジタル化!

ハンセン病文学作品集1000冊をデジタル化!

支援総額

2,140,000

目標金額 1,500,000円

支援者
193人
募集終了日
2020年10月30日

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プロジェクト本文

終了報告を読む

 

【達成のお礼とネクストゴールについて】
 

皆さまからのご支援のお陰さまで、第一目標の150万円を到達することができました。心より御礼申し上げます。

このプロジェクトは、2020年10月30日(金)23時までとなりますので、次の目標となるネクストゴールを
200万円と設定し、最後まで挑戦を続けさせていただきます。

ネクストゴールでいただいたご支援金は、引き続き、デジタル化に必要な費用に充てさせていただきます。引き続き、変わらぬご支援をよろしくお願い致します。

2020.10.15  株式会社 皓星社

 

 

はじめに:ハンセン病の患者作品1,000タイトルのデータベース化に向けて

 

ページをご覧いただきありがとうございます。株式会社皓星社(こうせいしゃ)です。

 

私たちは、詩人・評論家の、村松武司(1924-1993)の影響で出版をはじめ、1979年の創業以来、ハンセン病患者・回復者の作品集や、アジア・朝鮮関連の本を出版してきました。

 

『ハンセン病文学全集』(全10巻)や『海人全集』(全3巻)といった、ハンセン病文学をはじめ、社会性の高い文学作品や、書物の歴史に関する出版に、特に力を注いでいます。

 

また、「ざっさくプラス」という雑誌記事索引集成データベースを、大学・公共図書館を中心とする会員様向けに提供しています。

 

『ハンセン病文学全集』全10巻

 

『ハンセン病文学全集』は、1980年代の半ばころ新聞紙上で「われわれの文学全集が欲しい」という、ハンセン病回復者の作家・島比呂志さんの一文を目にしたことをきっかけに刊行されました。

 

この全集は、1,000冊におよぶ膨大な作品集から精選した、全10巻のアンソロジーであったため、ここに含まれない作品を読みたいという声もいただきました。

 

しかし、多くは数百部の少部数の出版で、関係者だけに配布されたために古書店にもなく、読むのは難しい現状です。

 

そこで今回、この『ハンセン病文学全集』の背景にある、1,000冊に及ぶ作品集を電子化し、後世に遺すため、このプロジェクトを始めることを決意しました。

 

このクラウドファンディングを機に、ハンセン病文学作品や、ハンセン病のもつ問題意識について、身近なものとして感じていただきたいと思っています。
 
どうか応援のほど、よろしくお願いいたします。
 

 

ハンセン病問題を考える:どのような環境下でも、尊厳を持って生きるために

 

ハンセン病は、聖書の昔から不治の病、「病の中の病」として特別に扱われてきました。

 

患者はケガレと差別の対象であり、近代の日本では辺地や離島の療養所に隔離され、子どもをもつことも許されず、その多くは療養所の中で生涯を終えることを強いられました。

 

昨今のコロナ禍の中でも、日本社会の負の側面、感染した人や医療従事者に対する、根深い偏見と差別の問題が浮き彫りになりました。

 

ネット上では、感染者の住所や職場や氏名に至るまで詮索し、さらそうとする動きが問題となりました。

 

また、営業や活動の自粛を求める非常事態宣言後は、営業している店舗や無観客でライブ配信を計画したライブハウス等にそれをとがめる張り紙をし、110番通報する住民が後を絶たず「自粛警察」という言葉さえ生まれました。

 

これらのことは、私たちの社会では強い既視感があります。危機に際して、偏見差別によって、朝鮮人や中国人を迫害虐殺した関東大震災の例や、患者を離島やへき地の療養所に終生隔離したハンセン病の例は典型的です。 

 

ハンセン病は、隔離政策が違憲とされた裁判以後も熊本の黒川温泉の宿泊拒否など偏見による差別問題が後を絶ちませんでしたが、コロナ禍によって、こうした社会の潜在意識が一気に顕在化した感があります。

 

「自粛警察」は、住民が率先して患者をあぶり出し、保健所などに通告し、療養所に収容させて、一人も患者のいない「無らい県」を目指した「無らい県運動」を想起させます。

 

印がつけられた患者の家(国立ハンセン病資料館提供)
ナチスのユダヤ人迫害を想起させる 

 

ハンセン病問題を考えることは、差別に反対するという問題にとどまりません。

 

人として生きるということを、考えることでもあります。

 

離島やへき地の療養所に隔離され、そこで一生を終えるという境遇の中で、入所者は文学や創作活動を通して、自分の存在意義を確認し、生きる意味を模索していきました。

 

それらの作品は、人はどのような環境にあっても、尊厳を持って生きていけるのか、という問題に答えを提供しています。

 

そして、いわれなき差別がいかに間違ったことであるかを、深いところから私たちに気づかせます。

 

各療養所で発行されていた雑誌(国立ハンセン病資料館提供)

 

 

データベース化を考える:いつでも、どこでも、気軽にアクセスできる環境を

 

こうしたハンセン病の患者作品は、1925年ころから2000年までに出版された、個人や合同作品集合わせて1000冊以上に達していました。

 

『ハンセン病文学全集』は、編纂者の鶴見俊輔先生、加賀乙彦先生、大岡信先生、大谷藤雄先生によるアンソロジーとして、2003年から2010年にかけて刊行しました。2011年には、出版社に与えられる唯一の賞である、梓会出版文化賞を受賞しました。

 

その後、「『全集』に含まれない作品も読んでみたい」という声もいただきましたが、多くは数百部の少部数の出版で、近しい関係者だけに配布されたため古書店にも出まわらないことは、前述の通りです。

 

ハンセン病違憲裁判勝利をきっかけに生まれた「国立ハンセン病資料館」や、全国13箇所にある各療養所の資料室に行けば、それらの本のほとんどを手にすることができますが、自分の読みたい時に、気軽に読むのは難しい現状です。

 

国立ハンセン病資料館・東京都東村山市(国立ハンセン病資料館提供) 

 

復刻も望まれていますが1000冊の本を紙の本として復刻するには、仮に一冊30万の印刷費が必要となれば3億円を必要とします。また、所蔵場所の問題もあります。背幅3センチとして延べ30メートルの書架が必要になるため、これは現実的ではありません。

 

しかし私たちは、この問題は電子書籍化することで解決できるのではないかと考えました。

 

「ざっさくプラスのように、データベース化することで、いただいたお声に応えることはできないだろうか?」と、1年をかけてその準備を進めてまいりました。

 

完成イメージ。作品名、作者名などで検索し、画面上で本を読むことができます。

 

 

おわりに:ハンセン病文学を後世に伝え、日本の文学史に1ページを刻む

 

ハンセン病の患者作品1000冊をデータベース化し、インターネット配信することで「ハンセン病資料館」や各療養所の「資料室」に行かなくても手元で読む環境を整えることができるのではないか。そう考えて電子書籍化の準備を進めてきました。
 
その過程で今回の新型コロナ禍に見舞われ、大学や図書館などが閉鎖される中で、このような事態に対応するためにもデジタル化とネットワークによる資料提供の重要性が可視化されてきました。

 

デジタル化のスピードを上るための資金調達だけでなく、実際に運用して効果をはかる実証実験も、今回クラウドファンディングに挑戦している理由の一つです。
 
この取り組みを多くの研究者にご利用いただき、ハンセン病患者作品の全貌が明らかにされることによって、日本の文学史に1ページが書き加えられることも期待されます。
 
そして今回のクラウドファンディングで皆様からのご支援を通して、資料のデジタル化を加速させ、ハンセン病文学の歴史を日本の文学史の1ページに刻む第一歩にしたいと考えています。

 

たくさんの方々に知っていただくことで、ハンセン病を通して現在も根底に残っているいわれなき差別について考え続けていきたい。

 

生きる意味を探り、人間の尊厳を追い求めた患者さんの活動から、私たちもまた支援者の皆様と共に、学んでいきたいのです。

 

そんな想いで挑戦しています。どうか皆様からのご支援を、よろしくお願いいたします。

 

✔︎皆様からいただいたご支援の使いみち

プロジェクトの実施にあたり、1000冊の本のスキャン、書誌情報の入力、電子書籍ファイルの作成に、約300万円を要します。
 

まずは第一目標として、このうち半分の約150万円を、ご支援いただければ幸いです。主な内訳は、以下の通りです。

  • スキャン費用    500,000円
  • 書誌情報作成費用    320,000円
  • 電子書籍化費用    500,000円
  • 手数料    231,000円

 

✔︎デジタル化スケジュール

8月 電子書籍化の許諾申請、書籍のスキャン、書誌情報の作成、電子書籍ファイルの作成
   検索・閲覧プログラムの構築
9月 プロトタイプ完成、内部検証
10月 リリースに向けて最終調整
11月 「ハンセン病文学の杜」としてリリース

 

 

リターンについて

 

①5,000円     お礼のメール+ハンセン病文学全集 好きな1冊
②10,000円      お礼のメール+半年間読み放題
③30,000円      お礼のメール+半年間読み放題+10冊ダウンロード
④80,000円      お礼のメール+半年間読み放題+10冊ダウンロード+ハンセン病文学全集全10巻
⑤50,000円      お礼のメール+1年間読み放題+50冊ダウンロード
⑥100,000円    お礼のメール+1年間読み放題+50冊ダウンロード+ハンセン病文学全集全10巻

※5000円のリターンをご購入いただく場合、ハンセン病文学全集の上記目録からお好きな1冊をお選びください。目次等の詳細はリンク先サイト

 

第1巻 小説1 加賀乙彦 編 
第2巻 小説2 加賀乙彦 編 
第3巻 小説3 加賀乙彦 編 
第4巻 記録・随筆 鶴見俊輔 編 
第5巻 評論・評伝 大谷藤郎 編 
第6巻 詩1 大岡信 編 
第7巻 詩2 大岡信 編
第8巻 短歌 大岡信 編
第9巻 俳句・川柳 大岡信編
第10巻 児童作品 鶴見俊輔 編

 

 

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プロフィール

1979年11月 村松任康・藤巻修一が創業。最初の仕事は村松武司『遥かなる故郷ライと朝鮮の文学』。社名は「白い星」の意。 1994年11月 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』配本開始。 1999年7月 『日本人物情報体系』配本開始。 2001年5月 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』(全120巻)完結。 2002年1月 『日本人物情報体系』(全100巻)完結。 2002年9月 『ハンセン病文学全集』配本開始。 2008年 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』をデータベース化し、「雑誌記事索引集成データベース(のちに「ざっさくプラス」)」としてリリース。 2010年7月 『ハンセン病文学全集』(全10巻)完結。 2010年12月 出版梓会新聞社学芸文化賞受賞。 2017年9月 代表取締役に晴山生菜が就任。

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リターン

5,000


alt

お礼のメール+ハンセン病文学全集 好きな1冊

・お礼のメール
・『ハンセン病文学全集』(全10巻)のうち、お好きな1冊(リターンオプションから選択していただけます。)

申込数
122
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

10,000


alt

お礼のメール+半年間読み放題

・お礼のメール
・半年間読み放題権

※今回のプロジェクトで制作する「ハンセン病文学の杜」にアップロードされた書籍が対象となります。
※「ハンセン病文学の杜」にアクセスしていただき、サイト上で読んでいただけます。
※必要なパスワード等は、支援者様にのみご連絡いたします。

申込数
47
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

5,000


alt

お礼のメール+ハンセン病文学全集 好きな1冊

・お礼のメール
・『ハンセン病文学全集』(全10巻)のうち、お好きな1冊(リターンオプションから選択していただけます。)

申込数
122
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月

10,000


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お礼のメール+半年間読み放題

・お礼のメール
・半年間読み放題権

※今回のプロジェクトで制作する「ハンセン病文学の杜」にアップロードされた書籍が対象となります。
※「ハンセン病文学の杜」にアクセスしていただき、サイト上で読んでいただけます。
※必要なパスワード等は、支援者様にのみご連絡いたします。

申込数
47
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年12月
1 ~ 1/ 9

プロフィール

1979年11月 村松任康・藤巻修一が創業。最初の仕事は村松武司『遥かなる故郷ライと朝鮮の文学』。社名は「白い星」の意。 1994年11月 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』配本開始。 1999年7月 『日本人物情報体系』配本開始。 2001年5月 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』(全120巻)完結。 2002年1月 『日本人物情報体系』(全100巻)完結。 2002年9月 『ハンセン病文学全集』配本開始。 2008年 『明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成』をデータベース化し、「雑誌記事索引集成データベース(のちに「ざっさくプラス」)」としてリリース。 2010年7月 『ハンセン病文学全集』(全10巻)完結。 2010年12月 出版梓会新聞社学芸文化賞受賞。 2017年9月 代表取締役に晴山生菜が就任。

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