無事に上映会とトークイベントが終了しました。
●みなさまのお陰で、多くの方が感動し、中東への関心を深めました。
みなさまのご協力があって、「アラビアのロレンス」の上映会とトークイベントは、3月4日に無事に終了しました。合計45名の方の参加があり、半分以上の方がトークイベントまで残ってくださいました。
映画を鑑賞できたことはもちろん、トークにより映画だけでなく中東を身近に感じることができたという意見を多く頂戴できたことへ感謝の言葉を、多くの方から頂戴できました。
●素晴らしい映像
今回は、ディジタルリマスター版を上映したのですが、映像がたまらなく美しかったです。時々刻々と変わる沙漠の風景。色や質感が一様ではないにもかかわらず、沙漠が持つ雄大さと普遍性が伝わってきたものです。また画面いっぱいに広がる青空、その下に立つラクダに乗った少年、陽炎の中から準主役のアリが登場するところなど、強い印象を持って目に焼き付けられました。
2年半もかけて、実際に沙漠で撮られた映画。現代であれば、CGで作られるのでしょうが、あの時代だからこそできた迫力とリアリティは、大きな画面で味わう価値が高かったです。
●「アラビアのロレンス」から見える中東の悲劇
トークの時間では、熊岡路矢さんと山本直輝さんそれぞれから、興味深いお話を聞くことができました。熊岡さんは復刻版の裏側など、映画作りにまつわるお話から、ご自身がNGOで体験してきた紛争地のリアリティ感などをお話いただきました。一方山本さんはご自身がヨルダンに留学していた時に体験したお話をユーモアを含めてお話いただいた上に、アラブ地域やトルコがどのようにロレンスを評価しているのか、あの映画自体がヨーロッパの視点に立って作られた面があるところなどもご指摘くださいまいた。
情勢が不安定といわれる中東情勢は、当時、列強国によって国境が引かれたことに起因しているところは多くあり、外の国が持ち込もうとした民主化がいかに押しつけがましいものであったことを痛感しました。しかし、では他に何ができたのか・・・? そのあたりもロレンスの苦悩から考えたところです。
映画の最後の方の場面で、アウダ・アブ・タイが「アラブ人であることは、思う以上に棘のあることなのだ」と叫ぶのですが、この言葉がアラブ蜂起から100年以上経とうとしている今も通じることは、皮肉を含めて感じ入ることでした。
しかしお二人とも、そういうドロドロとした歴史的背景や、そこに関わった人間(ロレンス)の苦悩や揺らぎなどが素晴らしく描かれている映画だと、改めて絶賛。
お二人のトークは改めてアーユスのウェブにアップし、皆様と共有したいと思います。
●名作を映画館で見て深めること
参加者の方から寄せられた感想には、
・普段みたいと思ってもなかなか手が出ない名作をみるきっかけになった、
・メディア報道でしか接することのなかった中東問題のいろいろな面を学ぶことができた、
・立場の違う人たちが集まって鑑賞し、かつ話を聞くことができたのは刺激的だった、
・地理的にも時間的にも遠いところの話を、ぐっと身近に引き寄せることができた、
などがありました。名作の鑑賞とトークというのは、名作を残していく上でも意義があるのかもしれませんね。

●収支報告
このたびみなさまからは、合計412,000円ものご寄付を頂戴いただしました。ありがとうございました。このうち手数料を引いて、336,357円が使える予定となっています。全額、今回のイベントに使わせていただきます。
会場料に103,680円、映画上映に130,300円、講師謝礼等に60,000円、チラシ制作費におよそ10,000円、リターンに約50,000円、当日の軽食に25,600円、その他発送費等がかかりました。また、当日はスタッフ3人により、会場での受け付けや誘導、トークの司会など、みなさまが快適に過ごせるよう努めさせていただきました。
●現在、リターンを取り寄せているところです。個別ご連絡を取っている方もいらっしゃいますが、遅くとも来週の半ばまでにはお手元に届くと思います。
●今回のイベントは、単に映画を楽しむだけでなく、そこから見える中東問題にも触れて行く点で多いに好評でした。4時間近い上映の後で、1時間近いトークであっても短かったという声があったくらいです。
また別の映画で、同様の企画をして欲しいという声も聞かれています。今後も、多角的に国際問題を考える場を作っていきたいと思います。どうぞ今後とも宜しくお願い申しあげます。


















