就学支援1年目を終えて、ご報告します!

マラウィから帰ってきて1年半、奨学プログラム(マラウィ・ガールズ☆プロジェクト)を初めて1年が経ちました。

たくさんの皆さんの支えのお蔭でなんとか1年目を終えることが出来ました。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。長くなりますが、今回は支援金の使い道内容も含めて、大事なことを書きましたので、お時間が許す方は最後まで読んでいただけないでしょうか。

 

 1年を振り返ると、様々な困難がありました。予想もしなかったことがたくさん起きたからです。

 例えば、アビゲイルが入学したマラウィ・アッセンブリ―・オブ・ゴッド大学の人材マネジメント学科では、電気も本も国の数パーセントの人口にしか流通していない、国の事情を無視して、レポートや提出物は全てパソコンでタイプしてプリントアウトしたものしか受け付けないというルールがあることを知りました。学内にも生徒用のパソコンがないのですが、そこはおかまいなしなところが不思議です。アビゲイルは家に電気がなく、もちろんインターネットもないため、原稿を手書きして、インターネットカフェに持ってゆき、タイプ専門の店員さんに1ページ150クワチャでタイプしてプリントアウト貰わない事には、単位が取れないということになりました。結果、生き抜くだけで大変な環境の中、これらをこなすためにアビゲイルの体力的負担と、ファンドへの予算的な負担が予想を超えました。

 こういった状況を打開するために、アビゲイルは自分でタイプしたいと言ってくれましたが、時間制のインターネットカフェ(しかも結構高い)で毎学期140ページほどのレポートや課題をタイプするのは、資金が幾らあっても足りません。困っていたところに、たまたま私が通う病院の近くのリサイクルショップで見つけた古いノートパソコンを見つけ、お店のオーナーがアフリカの貧しい子のためなら、なんと3500円で譲ってくれましたので、その優しさに感謝して送ってみることにしました。

 アビゲイルには、日本のパソコンは110V用で、マラウィは240V以上なので、変圧器を手に入れてから、コンセントに繋ぐこと。また、家には電気がないので恐らく学校で充電させて貰うことになるが、サポートが切れているのでタイピング用のみに使用することを、よくよく言い聞かせました。アビゲイルは生まれて初めてパソコンを所有できることに、興奮した様子で「わかった」と言いました。

 しかし、残念ながら私の言ったことを理解していなかったようで、変圧器なしでコンセントに繋いでしまい、なんとか届けることができたノートパソコンのアダプターが破損してしまいました。結局元の通り、インターネットカフェにてタイプして貰う方法をとることになりました。この件で、遠隔でコミュニケーションを取ることの大変さを知りました。

  

 アビゲイルもかつてない苦労をしました。まず、朝早くに家を出て、陽が沈むまで勉強をして帰ること、毎日たくさんの課題に追われることに慣れていなかったために、戸惑い、地元の友達と距離が出来てしまったことにストレスを感じていました。

 マラウィの中でも比較的裕福な生徒が多く通う学校を選んだ為に、本やインターネットなど、物理的に有利に勉強ができる周りの生徒達を見て羨ましく思ったり、自分の境遇をくやしく思ったりする日々だったようです。数か月前は、電話をかける度に、電話口でまとまりのない不満を大声でまくしたてたかと思うと、言い終わると同時に半べそになってしまうことの繰り返しでした。

 彼女の為と思って大学に出していることで、逆に苦しめてしまっているのであれば、いつ転校をしても、プログラムを辞めてもいい、と泣いているアビゲイルに伝えたことがありました。しかし、『学校は辞めたくない』、と嗚咽をこらえながら言います。しかし不満をぶつけることはやまず、私は困りました。今思えば、アビゲイルには両親をはじめ、甘えられる大人が周りにいないため、何処にぶつけてよいのか分からない葛藤や怒り、悲しみ苛立ちを、私に向けてくれたのだと思います。出来る事は、ただ一緒に喜んだり、怒ったり、悲しんだり、コミュニケーションを続けることだけでしたが、なんとか1年目を終え、慣れたのか自信がついたのか、落ち着いた様子になっていきました。

 アビゲイルの1年間の勉強のためにかかった費用は、入学手続き費1,091円、授業料124,800円、ミニバスでの通学費75,709円、課題の作成・教科書コピー費38,400円、(今はアダプター故障で使えていませんが)中古パソコン購入費3,500円、パソコン輸送費23,000円でした。

 

 

バレンティナは入学したベストン・カレッジのマーケティング学科で友達を沢山作り、学生生活を満喫している様子でしたが、1年目の終わりにはアビゲイルとはまた違った苦難もありました。

始めは、バレンティナの持前の明るさのせいか、直ぐに学校にとけこんでいるようで楽しそうでした。電話をかけると友達が自宅に来ていることがあり、周囲からキャッキャッと明るい声が聞こえていました。

しかし、障害は突然やってきました。学期末の資格試験で、マーケティングマネジメントの試験を試験会場まで受けに行ったところ、手違いでビジネスマネジメントの試験を渡されてしまったのです。

試験のひと月前に、バレンティナの元へ受ける予定のないビジネスマネジメントの受験票が届いたため、試験協会へ訂正の連絡をして、マーケティングマネジメントを受験することが受諾されたのですが、マラウィ現地の試験協会が訂正連絡を確認していなかったため、このようなことが起きてしまいました。

 試験会場でそれを知ったバレンティナは、「私が受けるのはマーケティングマネジメントの試験です」と一生懸命主張したのですが、結局3時間の試験時間のうち、1時間半を教室の外で待たされた後、残りの1時間半のみで試験を受けるように強要され、結果的に不合格となってしまいました。勉強をして自信があっただけに、とても落胆した様子で胸が痛みました。

その後は、再試験登録を日本から英国へオンラインで直接行うことにして、半年後に無事受け直しましたが、さらに不運な事が起きました。

バレンティナのお父さんが畑仕事中に酔った暴漢に襲われたのです。丸太やパンガとよばれるナタで大怪我を負わされ、傷が化膿して灰色に膨れ上がった写真を見ました。熱が下がらず、一時は命も奪われんかの様子でした。バレンティナは普段は何事にもケロリとしているタイプですが、この時はお父さんをとても心配して、電話口から聞こえる声にはまったく力がありませんでした。今は回復して、左手が動かせない障害だけが残ったようですが、私も、改めてマラウィの生活の厳しさと、どういうわけかこう次々と悲しい事が起きる現実を思い知らされました。しかし、これからも負けないでバレンティナが自分の人生に立ち向かっていけるよう、応援したいと思います。

バレンティナの1年間の勉強にかかった費用は、資格試験代 45,072円、通学費18,327円、連絡が取れる携帯が近隣になくなってしまったために買い与えた中古の携帯電話2,618円、日本から送金した試験代をベストンカレッジスタッフが街まで取りに行った交通費122円でした。

 

 続いて、途中から急遽プログラムに追加しましたクリッシーについてご報告します。私のコンピューターのクラスでは一番頑張り屋だったクリッシーは、昨年リロングウェ・テクニカル・カレッジの経営学科に進学しましたが、とても残念な話です。クリッシーに限ってまさかと我を疑いましたが、通学費を一部不正に使用していたことが分かりました。

 私の管理不足のせいで、このようなことが起きてしまい、ご支援いただいた方には本当に申し訳ありません。横領金額は6,302円で、所在不明金額が2,727円です。不明分は確認中ですが、本人いわく6,302円は、田舎のお母さんが高血圧で倒れたため、お見舞いに色々物資を買って行った際に使用したそうです。そいうことなら見過ごしてあげたいところですが、問題はマラウィではこういった話で人からお金を取る嘘がとても多く、クリッシーがそうだとは思いたくないですが、またこういうことが起きないという保証がないことです。事前に、『お母さんが病気で会いに行きたいけれど、お金がないので助けてほしい』と相談してくれていたら、状況は変わっていたと思います。何故話してくれなかったかという問いに対して、クリッシーは「怖かった」と言いました。生活の変化や、混乱や、誘惑や、その他色々な状況で、思ったような判断が出来なくなってしまったのでしょう。私は、過ぎてしまったことを責めても、クリッシーが学ぶものは少ないと悟りました。

 お金の使い道がおかしいことに気が付いたのは、新しい学期の交通費を送金する際に、『前学期からの余りで繰り越せる分が幾らあるはずだから、今回は差引いくらだけ送るよ』というやりとりをした時に、『そんなに余ってないよ』という返事があり、一つ一つの支出計算を共に照合していったところ、使い込んでいた分があることがわかりました。

 このことから、余剰分のお金を持たせると、どうしても生徒達にとって誘惑が大きくなる、ということを学びました。こちらにとってはあまり大きな金額ではなくても、通貨価値が大きく異なる彼らにとっては、犯罪に手を出したくなるような額となるのです。よって、今後は一学期分を余りがないように渡し、可能であればそれも分割して渡せるように方法を調整したいと思います。また、このような不正が発生すると、プログラムの正当性が損なわれ、結果破たんしてしまうため貴方たちをサポートし続けることが出来なくなる。よって、目先の利益のために盗まないで欲しいこと、何か問題が発生した時にはすぐに教えて欲しいということを、繰り返し伝えていこうと思います。

 その後1週間あけて、再度話し合いをしました。そして、彼女への支援は停止することを伝えました。学費以外に使われた9,029円をクリッシーがビタミンファンドへ返却してくれたなら、もう一度学校へ戻ってこられるようにしたいと伝えました。

 このままサヨナラをしてしまうと、他のところで同じ繰り返しをするだけだと思われるからです。使ってしまったお金を返す責任を果たし、正当なお金の価値を感じてもらう事ができたなら、その方が彼女にとって成長への学びとなるのではないかと思います。「この先の人生を、お互いおばあちゃんになるまで、見守り合いたいと思っているから、ちゃんと責任を果たして帰ってきて欲しい」と伝え、クリッシーが「帰ってくるよ」と言うのを聞いて電話を切った後は、やりきれない悲しい気持ちでいっぱいになりました。

 クリッシーの1年間の勉強にかかった費用は、入学試験代655円、入学手続き費545円、授業料27,273円、通学費39,671円(内9,029円は不正使用金のため、個人資金より補填する)、資格試験代28,516円、補助されていると思って購入したランチ数日分687円、資格試験IDエラーによる再発行費633円、図書館年間パス代1,091円、文房具購入、課題の作成・教科書コピー費2,165円、ブラウス・スカート各3着購入1,309円(あまりにも傷んでいる衣服しかなかったため、学校の衛生官より要請を受けたため)、でした。クリッシーに対する今回の措置に対しては、どうかご理解をいただきたくお願い申し上げます。ご質問や叱責は私の方で受けますのでどうぞご連絡下さい。

 

 もう一人、2年目から新メンバーとして入ったバイオレットは、リロングウェ・テクニカル・カレッジの会計学科で1学期目をスタートしています。どの生徒とも、入学手続きに取り組んでいる時は、色々と直接電話でやり取りをしますが、声からやる気が感じられ、若い彼女達の中に希望が光っているのを見られるこの瞬間が、大好きです。

 バイオレットの入学にかかる費用は、入学試験代1,091円、入学手続き費546円、授業料12,000円、通学費10,910円(158日分)、国際送金システムのエラーで間に合わなかった入学試験代を好意で立て替えてくれた学校の事務職員へのお礼545円でした。バイオレットが、優秀な会計士になる夢を叶えることが出来るようにサポートして行きたいと思います。

 

 その他、メンバー全体に対してかかった費用として、READYFOR?でファンドレイズをした際のギフト、ギフトラッピング、レター作成、送料46,945円(内ギフト代は個人負担とするためファンドへ入金することで補填済)、Skypeを使用した国際電話53,600円、国際送金Western Union手数料25,480円、Western Unionがマーケットの為替よりも悪いレートで設定しているために発生する為替損82,015円(これには私も驚きました!国際送金業者の利益は手数料よりも為替レートの設定によるものなんでしょうね、、、)

 

 マラウィ国内でフルーツを配る活動をしていた時と比べて、奨学金を支援することにしてから支出は大きくなりました。奨学金プログラムを始める前までにビタミンプログラムでかかった費用は86,352円でしたが、奨学金プログラム1年目にかかった上記トータルは668,316円でしたので、総費用額は754,668円です。皆様がこれまで個人的に支援して下さったお金と、READYFOR?を通していただいた支援金を合わせて、ファンド合計628,975円(こんなにたくさんのお金を託して下さり感激です、ありがとうございます)、上の総費用額をひくと、ファンド残額は-125,694円となっています。

 

 赤字にはなっていますが、何よりも良いことは、色々な困難があったものの、皆様一人一人の厚意のおかげで1年間少女達がそれぞれ勉強したかったことを勉強できたことです。残念ながら一人、支援停止になはなりましたが、マラウィで出会ったNGO等で活動をしている方々に聞いた話では、大規模な奨学金プログラムを行っても様々な理由で卒業できずにリタイアする子もたくさんいるということでしたので、たった2人から始めて、3人がまだ頑張っていることが奇跡のように思えます。皆さまの応援が彼女達に届いているからです。本当にありがとうございます。

 

 1年を終えることが出来、1年前よりも課題や必要な費用などが見えてきましたので、2年目は前よりも明確な計画を立てて、ルールやしくみを整え、すでに赤字となっているファンドをなんとかすることも含めて、より前向きに行動してゆきたいと思います。ファンドを集めることについては、1年目のREADYFOR?のプロジェクトを強力に引っ張ってくれたプロジェクトメンバーのリマちゃんが遠くコロンビアへ行ってしまい、残された私は不安が尽きないですが、READYFOR?プロジェクトの再開も含めて、皆さまとつながってマラウィの少女達を助ける奨学金プログラム2年目を継続できる方法を考えているところですので、ご協力いただける方はどうぞよろしくお願い致します。

 本当に本当に、ありがとうございました。

様々なご協力をいただいた皆様、ここまで読んでくださった皆様全てにたくさんの幸運がありますようにと、マラウィの少女達と一緒にお祈りしています。今後とも彼女達の応援をどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

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