今日は、現代音楽の魅力や楽しさ、可能性の広さを2年半にわたって教えてくださった、桐朋学園大学 伊倉 由紀子先生からメッセージをいただきました。

 

音楽の道を志してから今まで、表現すること、またその探求は私にとって幸せなことであり、ごく当然なことの様に思い、過ごしてきました。

 

しかしそれは、たくさんの奇跡の上に成り立っています。

空気があって、水がある。明日の食べるもの、着るものがある。

たまたま、戦争のない地域に暮らしている。

その上、音楽に没頭し表現したいことを発信できる。

なんと贅沢なことでしょうか。

 

当たり前のことは実は当たり前ではなくて、たくさんの偶然が重なっている。

そう考えてから、音楽がより一層、愛おしく大切なものになりました。

 

MECPの皆さんとは高校の授業で初めて出会い、彼らのしなやかな感受性と音楽性に感嘆し、毎週嬉々と教室に向かったのを覚えています。

恐らく彼らは、私がようやく気づいたことを既にその時思っていた、

または肌に感じていたに違いありません。

 

己の道を模索しつつ、社会に目を向け、声を上げる。

高い意識と瑞々しい感性を持つ彼らが、今回の様なS.ライヒの作品に取り組むことに、私は深い感動を覚えます。

同時に、彼らもその次の世代も、伸びやかに表現できる社会であり続けなければ、と感じます。

 

「世界は今ここにある(Steve Reich)」以上、私たちは動かねばならない。

改めてその事を教えてくれたMECPの皆さんの活動が、より飛躍することを心より願っています。

 

 

作曲家・ピアニスト

桐朋学園大学ソルフェージュ講師

           

伊倉 由紀子