「モロッコの刺繍トートバッグ」でもっと女性職人に活躍の機会を

ラバトからは、一気に電車でマラケシュへ。

以前はラバトからマラケシュへ行くのに順調でも5時間、何度も謎の途中停車を繰り返して遅延すると6時間も7時間もかかっていましたが、昨年末に北の港町タンジェからカサブランカまでを結ぶ高速鉄道が開通してからは、今までの遅延が嘘のように時間ピッタリ運行。

しかもラバト-マラケシュ間は1時間短縮して約3時間半で行けるようになりました。やや値上がりした感はありますが、時間に限りのある観光客には助かりますよね。

日本からの観光客にも人気のホテル「La Ferme」

マラケシュに着いてまず訪れたのは、「La Ferme」という日本在住経験18年のシモさんが仕切るホテル兼レストラン。

マラケシュの旧市街で観光の一番の目玉ともいえるベン・ユーセフ神学校(現在は改装のため長期休業中)から近く、タクシーで乗り入れられる通り沿いにあり便利です。旧市街の大半の店やホテルは、迷路のような細い道を歩いて探さないといけないので、立地は重大問題。GPSもネットの地図もあてにならない樹海のような場所。

日本語でサービスが受けられるとあって、日本からのお客さんにも好評なこのお宿。

日本のクラウドファンディングによって出来上がったこの刺繍バッグなので、一ヶ所は日本と関わりのあるお店に置いてもらいたいな、と考えていました。なので、こちらへサンプルを置いてもらえないか押しかけ営業することに。

シモさんは何かを察知したのか、挨拶もそこそこに本題へ。経緯を説明すると、サンプルを展示することを快諾してくれました。

マラケシュでのホテル・飲食店の経営をしながら、日本とモロッコとの間の貿易も営んでいるシモさん。元々はマラケシュよりさらに南のベルベルの町の出身だそうです。

話しているうちに、テーマは“同じベルベル人でも、山側か海側(とくにアガディールあたりの南部沿岸地域)かで気質が異なる”という話に。山側に住むベルベル人たちは商売っ気がなく何でもサービスしてしまう傾向に。「来客がある時には、誰がもてなすのかを巡って喧嘩になる」、というのは田舎の山のベルベル人たちの様子をよく表した笑い話です。一方で海側に住むベルベル人たちは商売上手だそう。モロッコで一番のお金持ちもベルベル人だそう。

こうして色々な人と会って話すことで、モロッコの知らなかった面がどんどん見えてきます。色々な話を聞かせてくださったシモさんに感謝、そしてこんな経験をさせてくださっている支援者の皆様に感謝です。