おかげさまで、現在の達成金額1,239,000円(達成金額の64%)、ご支援頂いた方々の人数も100人を超えました。ご支援頂いた皆様、拡散などにご協力頂いた皆様、ありがとうございます!

残り半分を超えました。プロジェクトの成功に向けて、引き続きぜひお力をお貸しください!!

 

さて、今回の新着情報は「山谷の現状」第三回です。

連続三回のうちの最終回です。「無縁仏の現状」に続き、「山谷の現状」までまとめてくださった、山友会ソーシャルメディア活用プロジェクトチーム吉間慎一郎さん、ありがとうございました!

 

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山谷のいま

 

 戦後の焼け野原から復興を遂げ、高度経済成長を下支えしてきた山谷。山谷騒動や都の管理体制の強化、山谷対策本部の発足(美濃部都政)、そして高齢化を経て今に至ります。

 

 当会の無料診療所の患者さんも、かつては喧嘩をして怪我をしたとか、仕事で怪我をしたとかいう人が多かったようですが、いまでは、その多くは高血圧など高齢に伴う循環器系の疾患や関節系の疾患などだそうです。かつての活気は高齢化とともになくなっていき、現在の山谷は「都市型限界集落」と呼ばれています。

 

※弊会無料診療所患者の疾患統計(2007年度)

 

 

※弊会無料診療所ボランティア医師の本田徹さんは著書「人は必ず老いる。その時誰がケアするのか」(角川学芸出版)の中で、山谷地域が「超高齢社会の縮図」であると指摘されています。本田さんは国際保健協力NGOの「シェア=国際保健協力市民の会」の代表もお務めになられています。

 

 

 山谷では1か月顔を見せなければ死んだと思われるのだそうです。「便りがないのはよい便り」というわけではないのです。独り身で高齢の人が多い山谷は、以前にご紹介した孤独死が最も身近な地域の1つです。

 

 冬になると、テントや路上で寝泊まりをしている人などでは、寒さに耐えられずお酒を飲み、そのまま寝てしまって凍死してしまったということもあります。また、寒い夜では、一晩中路上では寒くてじっとしていられない、寝ていられないから夜通し歩いて寒さをやりすごしていたという話を聞くことがあります。そして始発電車が動き出す頃になると、駅の構内で少し暖を取る。寒さをしのぐ方法が、歩くことなのです。

 

 

 

 さらに、以前実施された、都内の別の地域のホームレス支援団体の調査によると、調査に協力した路上生活者の3うち、その6割の方に精神疾患が疑われ、また、3割に知能指数(IQ)70未満の方であったと指摘されています。(2010年3月2日 毎日新聞)
 これは、山谷や路上で暮らす人々も同じような状況にあると考えられます。
 

 つまり、きちんとした支援を受けることができずに路上生活を余儀なくされている人が多くいるのです。いろんな人と話していると、「路上生活者は何も努力しないでそのような状況になっているのだから支援する必要はない」ということを言う人もいますが、それがすべてではありません。 

 

 過酷な環境で労働して健康を害したり負傷しても十分な保障を受けることができないという人もいます。強調された一側面のみを見て「怠け者だ」と判断するのは決して正確な理解ではないでしょう。

 

 そして、ますます進む近代化。高度経済成長期がそうであったように、現代日本も多くの矛盾を抱えています。最近では東京スカイツリーの開業がありました。そして2020年には東京オリンピックがあります。こうした日本の発展の背景には、排除されていく人々がいることも忘れてはなりません。公共空間の整備に伴って、そこで生活する路上生活者が追い出されてしまうこともあります。スカイツリーの開業にあたってはそういった話も聞かれました。

 

 

 前回触れたように、高度経済成長期の東京オリンピックでも路上生活者の排除は行われました。今度の東京オリンピックの開催にあたって、再びそうした排除が行われないか、とても懸念されることです。華やかな近代化の背景に、その生命を脅かされている人々がいることは、これからの社会を担う私たちが考えていかなければなりません。
 

 

全3回にわたって山谷の歴史と現在をお伝えしてきました。少々長くなってしまいましたが、少しでも山谷がどういう場所であるかを知っていただけたらうれしいです。

最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。

 

【参考文献】

 今川勲「現代棄民考『山谷』はいかにして形成されたか」(田畑書店)
 山友会ブログ http://ameblo.jp/sanyukai1984/

 

※先日ご紹介させて頂いた新納翔さんに加え、現在の山谷の風景や当会の活動、当会に集う人々の光景を海外の写真家のDan RyanさんやNicolas Daticheさんもご自身のWebページでご紹介しています。

DAN RYAN'S SMALLSTORIES

Nicolas Datiche Photorepoter

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