
9-10月のミニ展示「『勧進帳』百八十年」展
お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。
館内整理休館中はご不便をおかけいたしましたが、昨日8月31日(月)より開館致しました。そして、昨日から、閲覧室の新しいミニ展示が始まっております。今回の展示は、「『勧進帳』百八十年」展です!
数ある歌舞伎の演目の中でも、人気があり、また上演回数も多いのが『勧進帳』ではないでしょうか。その『勧進帳』が、1840(天保11)年に初演されてから、今年は180年にあたります。
題材となっているのは、『義経記』などにある、源義経一行が鎌倉方の追討を逃れ、奥州平泉へ落ち延びる話をもとにした能『安宅』ですが、七代目市川團十郎はこの『安宅』から題材だけでなく、能の様式も取り入れて、歌舞伎の『勧進帳』として上演しました。
圧倒的な人数の山伏が、富樫主従に迫り、安宅の関を突破していく『安宅』に対して、歌舞伎では、武蔵坊弁慶と富樫の知略を尽くした駆け引きと緊張感の中に、互いの立場と心を思いやるドラマが生まれ、終幕、弁慶が飛び六法で義経一行を追っていくまで、息をもつかせぬ展開となっています。
七代目團十郎の息子で、若くして亡くなった八代目團十郎のあと、市川宗家を継いだ九代目團十郎は、この『勧進帳』を生涯で20回ほども上演し、1887(明治20)年4月に井上馨邸で上演された天覧歌舞伎でも披露しました。絶品とされた九代目の弁慶を、その逝去後に継承していったのは、二代目市川段四郎、七代目松本幸四郎、十五代目市村羽左衛門、六代目尾上菊五郎などといった九代目團十郎の弟子たちと、その子孫でした。七代目幸四郎は当たり役として生涯に1600回以上も再演を重ね、その三人の息子たち、十一代目市川團十郎、八代目松本幸四郎(後の初代松本白鸚)、二代目尾上松緑、さらにその息子たちと、“弁慶役者”と言われる俳優が各世代に現れます。
そのドラマ性と"弁慶役者"の魅力から、時代を超えて観客をひきつけてやまない『勧進帳』。当館では、スチール写真、プログラム、台本その他、数多くの『勧進帳』の資料を所蔵しておりますが、今回の展示では、『勧進帳』のスチール写真を中心に、“武蔵坊弁慶”の雄姿をご覧ください。
さて、今回の新着情報では、ネットで見られる『勧進帳』の資料をご紹介いたします。過去のクラウドファンディングで当館の資料をデジタル化し、検索閲覧システムを公開した、
で『勧進帳』の資料を検索し、閲覧することができます。
まずは、第3弾でデジタル化を行った《松竹大谷図書館所蔵・芝居番付検索閲覧システム》。
当館が所蔵する芝居番付を検索・閲覧することができます。
[題名漢字]の検索項目に、「勧進帳」と入力し、検索してみてください。53件ヒットします。
その一覧の一番上に表示されるのが、1840(天保11)年江戸河原崎座、『勧進帳』の初演の辻番付です。
右真ん中に「天保十一年三月」、その左側の演目一覧に、『楼門五山桐』に続いて『勧進帳』とあります。番付の左下には、薄くなっていて見えにくいですが「こびき町河原崎座」とあるのが見えます。『勧進帳』初演を伝える貴重な資料です。
次は、第4弾でデジタル化を行った《松竹大谷図書館所蔵・GHQ検閲台本検索閲覧システム》です。
[資料名]の項目に「勧進帳」と入力し、検索してみると、1946(昭和21)年6月東京劇場の上演のGHQ検閲台本がヒットします。
台本の表紙には、赤字のローマ字で、上から「Shochiku Tokyo Theatre Kanjincho subscription Book Kabuki Play I act」とあります。左下には「3 May 46」と検閲日があり、その上には「CP」(検閲通過)印が押印されています。
台本は全21丁で、まさに1946(昭和21)年6月東京劇場公演のために検閲を受けた当時の台本を画像で読むことができます。この公演では、武蔵坊弁慶を七代目松本幸四郎、源義経を六代目尾上菊五郎、富樫左衛門を初代中村吉右衛門が演じています。
このコロナ禍でなかなかお出かけも難しくなっておりますが、是非お家のパソコンやスマホで検索し、デジタルで見られる『勧進帳』の資料をご堪能ください。
今回の「『勧進帳』百八十年」展の閲覧室展示は、10月28日(水)までとなっております。現在当館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入館は予約制となっております。展示をご覧になりたい方は、ご予約の上ご来館ください。
℡:03-5550-1694(平日:10時より16時)
松竹大谷図書館の開館日はカレンダーでご確認ください。
リターン
3,000円
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■4月末に報告メール
■松竹大谷図書館HPに名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします
- 支援者
- 57人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年4月
5,000円

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)
3,000円のリターンに加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)
当プロジェクト限定 歌舞伎台本『曽我綉侠御所染』と、映画台本『男はつらいよ』第一作の表紙デザイン!
※デザインは全て一緒です
- 支援者
- 57人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年4月
10,000円

オリジナル文庫本カバー+台本カバーに名入れ
5,000円のリターンに加え、
■台本カバーに支援者様のお名前をお入れします
※【歌舞伎・新派台本】【映画台本】【寅さん台本】の3つの作品リストより、ご希望の作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントにお書き下さい
※作品リストはプロジェクト本文「リターンについて」の台本カバーの説明部分にリンクがあります
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします
- 支援者
- 108人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年4月
30,000円

オリジナル文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ
10,000円のリターンに加え、
■組上燈籠絵『富士之牧狩』のオリジナル文庫本カバー
- 支援者
- 15人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年4月
50,000円

松竹大谷図書館見学会(歌舞伎記録映像上映付き)+オリジナル文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ
30,000円のリターンに加え、
■松竹大谷図書館見学会にご招待
【2019年11月28日(木)開催 午前(15人)/午後(15人)】
「午前」「午後」のご希望を応援コメントにお書き下さい
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします
※11月28日に見学会に参加出来ない方には予約制で、松竹大谷図書館の書庫を1時間ご案内するガイドツアーへの招待券をお送りします
有効期限:2019年12月~2020年7月の平日
(開館日及び整理休館中)
- 支援者
- 15人
- 在庫数
- 13
- 発送完了予定月
- 2020年4月