ポストコロナ・アーツ基金|これからの社会をアーティストと探る

ポストコロナ・アーツ基金|これからの社会をアーティストと探る

寄付総額

5,226,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
132人
募集終了日
2021年4月30日

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プロジェクト本文

※11月4日(木)追記:
当初の6月開催予定を延期したPCAF展覧会について、各所のご協力のもと、11月13日〜28日の新会期で開催できる運びとなりました。詳細はこちらをご覧いただければ幸いです。本プロジェクトを見守り続けてくださる皆様に心より御礼申し上げます。また新会期決定に伴い、関連するリターンのお届け予定なども調整でき次第、適宜皆様にご報告していく予定です。何卒よろしくお願いいたします。

 

※5月31日(月)追記:

6月開催に向け準備を進めてきたPCAF展覧会ですが、緊急事態宣言の延長を受け、誠に遺憾ながら延期を決定致しました。新たな開催日程やリターンのお届け予定などは調整が済み次第、適宜皆様にご報告していく予定です。何卒ご理解いただければ幸いです。

 


クラウドファンディング達成のご報告と御礼

 

 3月3日の開始直後から予想を遥かに上回る多くの皆様からのあたたかなご支援をいただき、第一目標の300万円を達成、さらに以降もご支援を賜り総計522万6千円のご支援をいただきました。ご支援とあわせて皆様が綴ってくださる応援コメントにも、関係者一同、プロジェクトの意義を再確認し励まされております。たくさんのご支援に、心より感謝申し上げます。

 

皆様からいただいたご支援は、当初からの予定通り、プロジェクト総予算3,000万円の一部に充てさせていただきます。また、ご支援者各位に選択いただいたリターン(御礼)についても準備を進めて参りますので、楽しみにお待ちたいだけたら幸いです。クラウドファンディングの取り組みを通じ広がったてプロジェクトの輪を活かしつつ、「これからの社会を探る」という挑戦を多くの皆様と共にしていきたいと考えています。どうか今後ともPCAFの取り組みにご注目頂ければ幸いです。

 

PCAF実行委員会 5月1日(土)追記

 

 

 

「新しい成長」の提起

 コロナ以降の社会を創造するアーツプロジェクト

 

ポストコロナ・アーツ基金(PCAF: Post Covid-19 Arts Fund)は、文化芸術に関心の高い各界の民間有志によるPCAF実行委員会と、東京藝術大学との共同事業です。

 

今回のコロナ禍は、国境も世代も思想も超えて、世界に大きな影響を及ぼすとともに、「経済原理主義的な成長」の脆弱さを露呈させました。一方で、この苦境から生まれた新たな試みや多様な社会的支援があります。

 

私たちは、これらに最大限の敬意と感謝を抱きつつ、その延長線上の試みとして、次の可能性を探ろうと動き出しました。すなわち、今回の経験を、新しい生き方や社会に向けた提起につなげることです。コロナ禍はいまだ収束を目指す険しい道のりのさなかですが、そんな今だからこそ、私たち一人ひとりがこれからの社会において本当に大切なものを考えていくことには大きな意味があると考えます。

 

私たちはこの課題に、柔軟な思考力や創造力をもつアーティストたちと共に取り組みたいと考えます。コロナ以降の社会において重要なのは、日常を取り戻すことに加えて、これまでの経済原理主義的な考えのみにとらわれない、私たちの「新しい成長」のあり方を探ることではないでしょうか。

 

PCAFではこの課題に関する価値観・視点を、多様なアーティスト17組との協働プロジェクトにより創出し、展覧会等を通じて広く社会へ提起することを目指します。そこではたとえば、長期的でサスティナブルな社会構築や、そこにおける公共性と市民性、労働と時間、地域とコミュニティ、幸福観と死生観などが、新たな視点で示され、批評的かつ創造的な問いと考察がなされるでしょう。

 

 

2020年夏にプロジェクトが発足し、同年末には専門家による選考委員会によって参加アーティストが決定しました。今後は各アーティストがプロジェクトを提案し、その実施に向けて始動します。そして、適宜その動向もお伝えしながら、2021年夏の展覧会開催、さらに秋以降にはドキュメント映画の公開と書籍の刊行を予定しています。

 

アーティストたちとの一連の活動を通じて、私たちがこれからの社会に向けて共に踏み出していくためのビジョンと議論につなげることが、PCAFの目指すところです。また、全国の美術系大学生や卒業生がプロジェクトに参加する「実践的教育プログラム」も連携事業として実施を目指しています。このように、PCAFの活動は、賛同いただける多くの方々と共に実現していきたいと考えています。

 

 

みなさまへ |クラウドファンディング挑戦にあたって 

 

川村喜久 PCAF実行委員会 発起人 / 役員 / 事務局長
(一般財団法人川村文化芸術振興財団 理事長)


PCAFは、コロナ禍においても文化芸術の営みを消してはならないとの思いから始まり、そこから、コロナ禍以降の新しい生き方や社会についてアーティストと共に探る試みへと発展しました。さらに今回のクラウドファンディングでは、ご支援を募ることで活動の充実を目指すだけでなく、ご関心をもってくださる人々の輪を広げることで、みなさまと共にこの大切な課題を考えていけたらと願っています。ご賛同いただけるなら、ぜひともご支援をお願いできれば幸いです。

 

 

大林剛郎 PCAF実行委員会 発起人 / 役員
(株式会社大林組 代表取締役会長)


我々はコロナ禍を通じ、生命を守りながら今後も成長を続けるために、従来の価値観と生活様式を変えることを迫られています。年齢や職業、国籍といった属性を問わず、世界中の人々を広く巻き込みこれまでの生活を再考する今現在の毎日は、歴史上における社会構造の大きな変革点となっています。私自身も職業柄、都市と資源や生態系についてはこれまでも相当な時間をかけて考えてきましたが、コロナ禍を体験し、これまでとは異なったスケールで人間社会の問題をとらえ、考えるようになりました。誰しもがこういった問題について考え、考え続けることを求められています。アートワークやアートプロジェクトは我々に、これからの世界を考えるきっかけを与えてくれます。社会に幅広く発信できる力をもっています。PCAFを支援し、アートがこの世界のよりよい未来をつくる一助になれば素晴らしいなと感じています。

 

 

森佳子 PCAF実行委員会 発起人
(森美術館 理事長)


世界中に広がったコロナ禍によって人はこれまでの生活の仕方、生き方、考え方に大きな変化を強いられました。改めて日々の時間の使い方を見直し、仕事の仕方を変え、友人との交わりのありようを変えざるを得なかった中でアートからはどのような発信が出来るのか、アートが果たせる役割は何なのかを考え続けています。アートは常に時代を映しながら、生きていく上での可能性を広げ、生きていく力を与えてくれます。作品を見ることを通して考えるきっかけを作ってくれます。このような時こそアートから刺激を受け己の感性を磨いていかなければなりません。このたび立ち上がったPCAFの活動に加わり、応援する事によって一緒にアートを楽しみながら新しい世の中を作っていきましょう。
 

 

澤和樹 東京藝術大学 学長


昨年春以来のコロナ禍により、多くの展覧会やイベントが中止となり、活躍の場、発表の場を奪われた芸術家たちは大変な苦境に立たされております。そのような中ではありますが、コロナで疲弊した社会構造に芸術の力で新たな道筋を提起してゆかねばなりません。歴史的に見ても、奈良時代の天然痘大流行の後の天平文化、また中世ペスト大流行の後にルネッサンスが花開いたように、パンデミックの後こそ、芸術は必要とされています。天平文化には聖武天皇の庇護が、そしてルネッサンスにはメディチ家のようなパトロンの存在が不可欠であったように、今こそ、このポストコロナ・アーツ基金は必要とされています。芸術家たちが新しい時代への強いメッセージを発信できる取り組みを東京藝大としても、皆様とご一緒に推進してまいりたいと思います。クラウドファンディングで一人でも多くの皆様方からのご支援を若き芸術家たちに届けてまいりたいと思います。今後も全国芸術系大学コンソーシアムのホスト校という立場で、東京藝大の学生や卒業生に限らず、この活動を幅広く広げてまいりたいと思います。

 

 

ポストコロナ・アーツ基金実行委員会、共同事業者の東京藝術大学、および参加アーティストによるキックオフミーティングにて(2020年12月、東京) 

 

 

ARTISTS|参加アーティスト

 

PCAFの参加アーティストは以下の17組。その選出はPCAF実行委員会等から推薦をもとに、専門家による下記の選考委員会により決定されました。

 

■参加アーティスト17組(五十音順)
青柳菜摘、雨宮庸介、池田剛介、遠藤麻衣、大和田俊、小泉明郞、SIDE CORE、サエボーグ、竹内公太、Chim↑Pom、中村裕太、西村雄輔、長谷川愛、布施琳太郎、毛利悠子、百瀬文、柳瀬安里

 

※各アーティストの紹介と選考委員のコメント全文はPCAFウェブサイトで公開されています。

 

 

アーティスト選出においては以下の選考委員3名のコメントにあるように、誰もが当事者となる未知の脅威に対し、固定観念にとらわれず、また個人と社会、文明と自然といった境界をつなぐ視点から、新しい価値観や可能性を提示し得ることが重視されました。

 

このようなことになるはるか前から、そのような思考実験こそ、アーティストたちの原動力ではなかったか(椹木野衣 / 美術評論家、多摩美術大学教授)

 

彼らの作品を通して、他者との新しい共有のプラットフォームが形作られるのを期待したい(藪前知子 / 東京都現代美術館学芸員)

 

自らの表現様式を確立している作家よりも、状況に対して柔軟に反応できる作家を選んだ(鷲田めるろ / 十和田市現代美術館館⻑)

 

 

青柳菜摘のアーツプロジェクト案「家で待つ君のための暦物語」

かつてドイツの詩人ヘーベルが編んだ庶民向けの暦「ライン地方の家の友」は、そこに歴史や庶民の日常を描く啓蒙的な物語を添えて人気を博しました。また劇作家のブレヒトによる『暦物語』は、こうした暦物語的(民衆的、娯楽的、教育的)につくられた短編集です。青柳はこれらの物語に登場する時代の「観察者」に注目し、不可視のウィルスと自分たちの身体の境界を探りながら生きるいま、誰が観察者となり得るのかを問い、「暦を創造する」ことから現在を考えます。

※本作は2018年に制作した《家の友のための暦物語》の展開として、2020年を経てより変化を遂げる「暦」を扱う、形式/内容共に新たな新作です。

 

雨宮庸介のアーツプロジェクト案(タイトル未定)

コロナをめぐる状況は「身体を顕著に伴ったマクロとミクロの(ダイナミズムの)話」だと考える雨宮は、一般公募による参加者とのワークショップを起点にした「あらためて現在をじっと眼差すことを促す作品」と、「個人的体験を超えた時空から現在を俯瞰するプロジェクト」で参加予定です。これらを通じて「新しい成長(なにを成長とするのか)」という問いといかに向き合うべきか、長期的かつ具体的に考える基礎づくりとなるようなプロジェクトを目指します。

 

池田剛介のアーツプロジェクト案「衝立と絵画(仮)」
コロナ禍において「私たちの身体がモノによって部分的に隔てられている今、隔離を全面化することで安寧を得るのでもなく、しかし隔たりを取り外してリアルな外部に出会うというのでもない、部分的隔離のただなかにある不確かな感覚の共有は可能か」と問う池田。スミッソンの作品から「ラバーハンド錯覚」まで多様な事象を援用し、制作と思考に臨みます。

 

小泉明郞のアーツプロジェクト案「解放されたプロメテウス」
国家、共同体と個人、身体と感情の関係性を、虚実を織り交ぜた映像やパフォーマンスで探る小泉は、自身のVR演劇作品『縛られたプロメテウス』の続編ともいえる作品で参加。失われた戯曲をコロナ禍の現代に接続し、儀礼的パフォーマンスとして再構築します。※本作は「シアターコモンズ’21」(2021年2月)で発表された作品を更新したVRインスタレーション作品になります。

 

サエボーグのアーツプロジェクト案「ステイホームはサヤエンドウの夢を見るか?/Slaughterhouseシリーズ/サエチキンローストレッグス」 

ラテックス製の着ぐるみを自作、装着するパフォーマンスで知られるサエボーグは今回、昨今の社会情勢や人々の心理を反映するような2プランを提案。睡眠ポッドのようなサヤエンドウの中で眠り、ツルで繋がる「サエエンドウ」や、食べる部分が多くなるよう人工進化させられた「サエチキンローストレッグス」を構想中。

 

竹内公太のアーツプロジェクト案「手紙と怪物」

竹内は2020年に福島県の帰還困難区域で自らの身体を元にフォントを制作しました。今回はこれを用いた「手紙」をレーザープリンターで出力、それらを素材に「怪物」のイメージを制作予定。そこには、命を守るために個人の権利が制限されるとき、個人の身体と「国家という想像上の身体」との混同が誘発される懸念と、そこでの情報のやりとりへの洞察が込められます。

 

中村裕太のアーツプロジェクト案「いかものの問題! 」

『日本美の再発見』等を著したブルーノ・タウトは1933年、建築学者・民俗学研究者の今和次郎と過ごしました。桂離宮などの伝統美とは対照的な浅草を今と歩いたこの日の日記には「いかものの問題」なる一言があります。中村は今回「いかもの」の内実を読み解き、また関東大震災以降の東京建築を俯瞰し、100年近くを経た現在の「新しい成長」のかたちを探ります。

 

西村雄輔のアーツプロジェクト案「yamajiorimono*works 2021──源の岩清水より果てに広がる河のほとりに」 

2006年から群馬県、桐生川のほとりの元織物工場で続く「yamajiorimono*works」は、建物の修繕等を通じて、かつて人々が生きた場を改めて「生きる場」へ向かわせる活動。今回PCAFへの応答として意識を拡張し、「地との対話」を通じて桐生市各所を巡り「まだ見たことのない光景」を求めていきます。

 

布施琳太郎のアーツプロジェクト案「ラビリンス|Labyrinth」

2020年春の緊急事態宣言から間もない4月30日、布施は1人ずつしかアクセスできないウェブページを会場に、展覧会「隔離式濃厚接触室」を公開しました(水沢なおとの二人展)。そこには、新しい孤独と共同性を考える視点がありました。今回、布施はインスタレーション、レクチャーパフォーマンス、ウェブサイトなどによる、複層的な試みを構想中です。

 

毛利悠子のアーツプロジェクト案「LP. by yuko mohri(仮)」

2020年夏、Ginza Sony Parkで毛利が挑んだ「SP. by yuko mohri」は、大勢の観衆が集う展覧会ではなく、この場をスタジオ=創造の場にする約1か月の実験でした。日々の制作や、山本精一、鈴木昭男、大友良英らのコラボ・パフォーマンスを通じ、彼女は「創造力は拡散(パンデミック)する」と発見しました。今回はその記録を再現可能な形に作品化します。

 

百瀬文のアーツプロジェクト案「フロース・パウォーニス(仮)」

今回、百瀬は彼女自身と、ポーランドに住むある活動家の女性との往復書簡のような形で進む映像作品を構想中です。ある効能を隠蔽された「花」を手がかりに、ときに内省的な独り言のように語られる言葉とイメージを行き来しながら、人類にとっての未曾有の危機の前で、国家に管理され、翻弄される身体器官としての「子宮」の存在を浮かび上がらせます。

 

柳瀬安里のアーツプロジェクト案「そこに、何が映っていても目に見えない(仮)」

ドイツのザールブリュッケン城へ続く石畳の裏には、ナチス時代以前に存在したユダヤ人墓地の名が刻まれているといいます。柳瀬はこの「2146の石—人種差別主義に対する警告碑」と呼ばれる石畳を撮影して布で再現し、「話をする場所」にしたいと語ります。そこでは、何かを重視した結果ないがしろにしてきた別の可能性や時間、自然についても考えることになるでしょう。

※本作は「ニューミューテーション#3」展(京都芸術センター、2020年)で発表した作品を起点に、その後の考察を反映した新たなインスタレーション作品になる予定です。

 

 

HOW|なぜクラウドファンディングに挑戦するのか

 

PCAFはまず、その趣旨に賛同する各領域からの有志が発起人となり、基金の原資を持ち寄るかたちで動き出し、この試みに共鳴する東京藝術大学との共同事業として実現を目指すことになりました。続いて「一般会員」という形でも、ご寄附や制作環境のご提供を募っています。なお、このご寄附の窓口は「東京藝術大学基金」(藝大基金)の中に設けております。

 

それぞれの想いがつながり前進するなか、今回クラウドファンディングにも挑戦したいと考えた理由は主にふたつあります。

 

まず、ご支援額やリターンに複数の選択肢を用意できるクラウドファンディングを通じて、より多くの方々へご支援を呼びかけ、 プロジェクトを一層充実させたいという点。さらに、クラウドファンディングという「想いでつながる場」を通じてプロジェクトの輪を広げ、「これからの社会を探る」という挑戦を多くのみなさんと共にしたいという願いがあります。

 

「新しい成長」に向けた新たなビジョンとアクションを提起する試みに、ぜひ多くの方にご参加いただけたら幸いです。
 

実施内容:

集まった資金をプロジェクト総予算3,000万円の一部に充て、2021年12月31日までに以下の活動を行うこと
①17組の選出アーティストたちによるアーツプロジェクト制作
②展覧会制作・開催
③ドキュメント映画制作・上映
④書籍の出版

 

第一目標金額:300万円

 

※本プロジェクトはAll in形式です。万が一、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、目標金額分を自己負担するなどして、必ず上記の実施内容の通り実行致します。

 

SCHEDULE|スケジュール

 


BACKGROUND|背景

 

今回のコロナ禍は、世界中で私たち人間の営みに混乱や喪失をもたらしてきました。ただ、この苦境を前に、あらゆる領域から新たな試みが生まれてきたのも事実です。PCAFはその中において、文化芸術と社会のつながりに関心の高い民間各界の有志が集うことで始まりました。関わる事業を通じて芸術の社会的意義を実感してきた者、人々が芸術と出会う場を支えてきた者、あるいは何よりも自身が芸術を通じて大切な経験をしてきた者など。それぞれの立場は多様ながら、共有しているのは、芸術がもつ豊かで柔軟な発想力を通じて、これからの社会を皆で考える試みができないだろうかという思いです。

 

そこから、この社会の「新しい成長」のあり方をアーティストたちと探りたいという、PCAFの軸となる考えが生まれました。そして、これに賛同する東京藝術大学のような教育研究機関が共同事業者となり、また参加アーティストの選考委員には美術の最前線で活動する専門家の方々がご協力くださるなど、活動の輪が広がっています。私たちはこの輪がさらに、寄附をしてくださる一般会員のみなさんや、今回のクラウドファンディングを通じて関わってくださる人々へと広がることで、より意義あるものになることを目指せればと願っています。

 

アートは未来を預言するものではありません。しかしアートには、普段は見えにくい物事を浮かび上がらせ、またはあり得る世界のかたちを想像させることで、人々に豊かな気づきを与え、新たな思考をうながしてくれる力があると、私たちは考えます。今回のコロナ禍において世界各地で生まれた文化芸術への諸支援も、背景にそうした力への期待と信頼があったのではないでしょうか。PCAFがアーティストたちとの協働を軸にすえた背景にも、同じ期待と信頼があります。そして今回のプロジェクトが、ほかでもない私たち自身の「新しい成長」のあり方について、一人ひとりが考え、育んでいく契機になればとも考えています。

 


MESSAGES|応援メッセージ ※五十音順

 

相馬千秋(アートプロデューサー)
 

 

「ポストコロナ時代の持続可能な社会創造」を目指すことは、今や人類全体の共通課題とも言えますが、それを様々な制限下でアートプロジェクトとして実装するのは容易ではありません。私も日々格闘しています。この困難な課題に取り組むPCAFの実践に心から期待し、連帯し、応援したいと思います。 

 


相馬千秋プロフィール:
アートプロデューサー/NPO法人芸術公社代表理事。国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」初代プログラム・ディレクター (F/T09春〜F/T13)。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。2016年より立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授。2017年に「シアターコモンズ」を創設、以後現在まで5ヵ年継続でディレクター兼実行委員長を務める。2019年には「あいちトリエンナーレ2019」のパフォーミング部門のキュレーターも務めた。

 

福住廉(美術評論家)

 

 

現在進行形の世界的なパンデミックは、わたしたちに現在の世界の成り立ちについて根本的に再考するよう促しました。新型コロナウイルスのグローバルな拡散と蔓延は、運動と交通、そして接触といった人間の基本的な活動に同伴しているからです。しかし、自らが所属する世界の構成原理を根本的に問い直し、物質を造形したり関係を組み直したりすることで、新たな世界のイメージを提示してきたのが現代美術のアーティストでした。今や誰もが等しく未来の世界について自問自答を繰り返しているなか、果たしてアーティストはどんな新しい世界のイメージを描くことができるのか──。従来の批評言語や鑑賞態度では捉えきれない新しい表現の登場を期待したいです。 

 


福住廉プロフィール:

1975年生まれ。美術評論家。著書に『今日の限界芸術』(BankART 1929、2008)、共著に『日本美術全集第19巻拡張する戦後美術』(小学館、2015)、『どうぶつのことば』(羽鳥書店、2016)ほか多数。企画展に『21世紀の限界芸術論』(ギャラリーマキ、2005〜2011)、『今日の限界芸術百選』(まつだい「農舞台』ギャラリー、2015)ほか多数。現在、東京藝術大学大学院、女子美術大学、多摩美術大学、横浜市立大学、和光大学非常勤講師。東京ビエンナーレ2020/2021」のソーシャル・プロジェクト「アートライティングスクール」のプロジェクト・ディレクター。 https://note.mu/fukuzumiren

 

茂木健一郎(脳科学者)

 

 

かつて、パンデミックのあとにフィレンツェでルネサンスが生まれたように、芸術は苦しい時代にこそ人間の可能性の中心を探り当てる大切な道具になる。アーティストたちは自分の表現を見出そうと模索するけれども、そんな活動に滋養を与え、大きく育てるのは他者からの関心であり、支援である。アートの大輪の花が咲くためには、世間から降り注ぐ陽の光や私たちが生きる社会から滲み出る水や人々の多様な個性が織りなす栄養分が不可欠である。ポストコロナ・アーツ基金(PCAF)は、この困難な時代にアーティストを育てる大切なグリーンハウスになる。しかも、この温室には、ガラスの天井はない。見上げれば無限の青空が広がっているのだ。現代のダヴィデを見い出せ!

 


茂木健一郎プロフィール:
1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組む。2006年1月~2010年3月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『脳とクオリア』など著書多数。


 

TEAM|組織

 

PCAF実行委員会(氏名五十音順)
発起人 / 役員
井上智治 一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン 代表理事
大林剛郎 株式会社大林組 代表取締役会長
須藤 潮 吉野石膏株式会社 代表取締役副社長、公益財団法人吉野石膏美術振興財団 評議員
遠山正道 株式会社The Chain Museum 代表取締役社長
御立尚資 公益財団法人大原美術館 理事
山本誠一郎 Y-Labs 株式会社 代表取締役
川村喜久(事務局長) 一般財団法人川村文化芸術振興財団 理事長

 

発起人
浅生亜也 株式会社サヴィーコレクティブ 代表取締役
安東泰志 ニューホライズンキャピタル株式会社 代表取締役会長
大西 洋 株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長
木越 純 バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店 副会長
倉田陽一郎 Shinwa Wise Holdings株式会社 代表取締役社長
小柳敦子 公益財団法人小田原文化財団 代表理事
寺田航平 寺田倉庫株式会社 代表取締役社長CEO
服部今日子 PHILLIPS Auctioneers 日本代表
藤波克之 FSX株式会社 代表取締役
松葉邦彦 株式会社TYRANT 代表取締役 / 一級建築士
水口 翼 サイブリッジグループ株式会社 代表取締役会長兼CEO
森 佳子 森美術館 理事長
山中 武 株式会社マルニ木工 代表取締役社長

 

監査
桶田大介 弁護士

 

東京藝術大学
澤 和樹 東京藝術大学 学長
日比野克彦 東京藝術大学 美術学部長

 

選考委員
椹木野衣 美術評論家、多摩美術大学教授
藪前知子 東京都現代美術館学芸員
鷲田めるろ 十和田市現代美術館館⻑

 

 

 

税制上のメリットについて


■個人の寄附の場合:
個人で2,000円以上の寄附をされた方は、本学の発行した寄附金領収書を添えて確定申告を行うことにより、以下の措置が受けられます。

(所得税)
下記の金額が、その年の所得税の課税所得から控除されます。
課税所得の控除額=寄附金額(所得の40%を上限)-2,000円

(住民税)
所得税のほか、次の自治体にお住まいの方は住民税が一部控除されます。
・東京都足立区、神奈川県横浜市にお住まいの方
都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
市区町村民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×6%控除
…合計10%
 ・神奈川県横浜市にお住まいの方
都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×2%控除
市区町村民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×8%控除
…合計10%
・東京都、神奈川県にお住まいの方
都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
…合計4%
※確定申告を行わない方は、上記自治体に住民税の申告を行っていただく必要があります。

■法人の寄附の場合:
寄附金は、全額損金に算入することができます。【参考】国税庁HP

 

■寄附金領収書の発行について
本学にご寄附いただきましたら、後日「寄附金領収書」を送付いたします。確定申告の際、証明書としてご活用ください。
・領収書名義:READYFORアカウントにご登録の氏名を宛名として作成します。
・領収書発送先:READYFORアカウントにご登録の「リターンの発送先ご住所」にお送りします。
・寄附の受領日(領収日):READYFORから本学に入金される2021年6月10日となります。

 


●ご寄附確定後の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。

●支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの広報のために利用させていただく場合があります。
●銀行振込にてご支援いただく際、返金先口座情報をお伺いいたしますが、All-inのため原則返金はいたしません。ただし万が一ページで約束していたプロジェクトを実施できなかった場合や、振込金額が予約金額より超過している、もしくは不足しており追加で振込まれない場合に返金先口座を利用いたします。お手数ですがご入力をお願いいたします。

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ギフト

3,000


alt

PCAFライトサポーター

●寄附金領収書
●お礼のメール

寄付者
16人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

10,000


alt

PCAFサポーター(スタンダード)

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)

寄付者
58人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

15,000


alt

PCAFサポーター(+オンラインイベント)

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)

寄付者
11人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

30,000


alt

PCAFサポーター(+ギャラリートーク)

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)

寄付者
21人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

50,000


alt

PCAFサポーター(+図録)

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF図録

寄付者
6人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

100,000


alt

PCAFブロンズサポーター

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF図録
●映像、図録にクレジット掲載・小(希望制)

寄付者
17人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

400,000


alt

PCAFシルバーサポーター

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF図録(サイン付き)
●映像、図録にクレジット掲載・中(希望制)
●PCAF一般会員権限を付与

寄付者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

1,000,000


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PCAFゴールドサポーター

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF図録(サイン付き)
●映像、図録にクレジット掲載・大(希望制)
●PCAF一般会員権限を付与
●アーティストによるギャラリーご案内(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します。アーティストの選出はPCAFにお任せいただきます。)

寄付者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

3,000,000


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PCAFプラチナサポーター

●寄附金領収書
●お礼のメール
●PCAFサポーターカード
●活動報告書
●ホームページと報告書にクレジット掲載(希望制)
●アーティストオンラインイベント参加権(2021年6〜7月開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF展覧会ギャラリートークご招待(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します)
●PCAF図録(サイン付き)
●映像、図録にクレジット掲載・特大(希望制)
●PCAF一般会員権限を付与
●アーティストによるギャラリーご案内(2021年6〜7月、東京藝術大学にて開催予定、詳細は5月中にご案内します。アーティストの選出はPCAFにお任せいただきます。)
●アーティストのドローイング(アーティストの選出はPCAFにお任せいただきます)

寄付者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

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