ポストコロナ・アーツ基金｜これからの社会をアーティストと探る

 

ポストコロナ・アーツ基金のクラウドファンディングも、今週金曜、4月30日までと残りわずか４日間になりました。折しも3回目となる緊急事態宣言が25日から4都府県に発令され、文化芸術をめぐる環境も大きく影響を受ける中でのクラファン最終週となります。改めて現状のご報告と御礼、そして最後の応援のお願いです。

 

おかげさまで現在、多くの方々から計400万円を超えるご支援をお寄せいただいています。改めて関係者一同、厚く御礼申し上げます。ネクストゴールに掲げた600万円を目指し、あと４日間、最後までご支援を呼びかけて参りますので、ご支援および、情報拡散のご協力をどうかよろしくお願いいたします。皆様お一人おひとりのお力添えが、このプロジェクトにとって大きな力となります。

 

先週に実施した公開オンライントークでは、発起人、アーティストや選考委員が登壇し、PCAFが目指すものと最新状況を発信しつつ、ご支援を呼びかけました。いよいよ展覧会も決定し、具体的なアクションが形になってきています。皆様からのご支援は、プロジェクト総予算3,000万円の一部として、大切に、有効に活用させていただく予定です。
 

クラウドファンディングを通して、ご支援金はもちろんのこと、皆様の応援コメントに、関係者一同、プロジェクトの意義を再確認し励まされております。「これからの社会を探る」という挑戦を多くのみなさんと共にしていきたいと考えています。どうか最後まで、応援をよろしくお願いいたします。

 

付記：４都府県を対象にした緊急事態宣言を受け、少なからぬ数の文化施設が臨時休館等を発表しています（苦渋の決断かと拝察し、早期の再開実現を心より願っております）。他方、現在も観賞できるオンライン展、また十全な対策を期して開催を継続している催しもあります。これらのうち PCAF参加アーティストに関連した情報を、関わる作家たちや関係者への応援の思いも込めて、いくつかご紹介します。

 

＊こうした状況ゆえ、各展の開催状況も変化する可能性はあると思われます。ご訪問時は事前に公式ウェブサイト等で最新状況のご確認をお願いします。

 

オンライン展覧会「距離をめぐる11の物語：日本の現代美術」

5月5日（水）まで開催中

https://11stories.jpf.go.jp/

 

国際交流基金が企画したオンライン展。11組の多彩な作家陣のなかに、小泉明郎、毛利悠子も参加しています。

 

小泉の作品《自由ノ暗示催眠実験》は、催眠術師・研究者とのコラボレーションで制作された、鑑賞者が参加可能なオンライン・パフォーマンス作品。先日のPCAFオンライントークによれば、小泉は6月のPCAF展覧会にも同作を発展させた作品を構想しているとのことです。

 

毛利の作品《For the Birds》では、日本のある森の風景がライブストリーミングで配信されます。現地ではスピーカーから流れるコロナ禍に関連する文言が、周囲の音と交じり合い、マイクで収音されます。さらにこれが音声自動認識プログラムにより奇妙な言葉に変換されることで、音声出力→収音→誤変換の過程が繰り返され、フレーズは変化していきます。

 

りんご宇宙 ―Apple Cycle / Cosmic Seed

弘前れんが倉庫美術館

8月29日(日) まで開催中
https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/apple-cycle-cosmic-seed/

 

PCAF参加アーティストでもある雨宮庸介が参加するグループ展。国内外のアーティストによる、現地とのゆかりも深い「りんご」をめぐる豊かな思考と想像に着目した作品が展示されます。雨宮は従来から、りんごをモチーフにした彫刻作品やパフォーマンス作品などで知られており、今回はりんごと普遍性についての作品で参加しています。

 

 

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 個展「under pressure」

国際芸術センター青森

6月27日（日）まで開催中

https://acac-aomori.jp/program/2021-1/

 

PCAF参加アーティストでもあるSIDE CORE（サイドコア）による、匿名アーティスト集団「EVERYDAY HOLIDAY SQUAD」（エブリデイ・ホリデイ・スクワッド）の個展。本州北端・竜飛岬の強風に吹かれながら、青函トンネルに関するリサーチを行った彼らは「『環境の循環』をキーワードに、アートセンターの巨大な建築に強風を吹き込む＝換気をする展覧会」を企図。パンデミックで私たちに押しかかる大きな圧力（プレッシャー）に対峙しつつ、この時代のアートや展覧会という制度に風穴を開けるような内容を目指したそうです。

 

 

長谷川 愛 展　Ai Hasegawa– 4th Annunciation –

TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F（東京）｜

5月6日（木）まで開催中（予約制）

https://tokyocanallinks.com/ai-hasegawa/

 

PCAF参加アーティストでもある長谷川愛の個展。「私はイルカを産みたい…」（2013年）、「（不）可能な子供」（2015年）、「シェアード・ベイビー」（2011、2019年）など、最新の科学技術も参照しながら、子供や家族をつくることへの新しい想像力を広げてきた彼女が、今回は「生」に加え「死」についてもより考察を深めた展示となります。なお本展は、運河によって東京の歴史や文化をつなげ、国際的なTOKYOへの架け橋となることを目指すアートプロジェクト「TOKYO CANAL LINKS」の一環として実現しています。