ご寄付のお礼と活動報告
※本プロジェクトの活動報告は2021年2月27日にお送りしておりますが、PDFが閲覧できない方もいらっしゃる為、こちらのページにも同じ内容を記載しております。
レバノンの子どもたちへ、
あたたかいご支援をありがとうございました。
2020年9月28日から2020年12月25日まで受け付けておりました「ベイルート爆発|災害や人道危機から子どもたちの命と未来を守る」のプロジェクトは、94人の皆さまからご寄付をいただき、総額869,000円となりました。
レバノンの子どもたちへ、あたたかいご支援をありがとうございました。
レバノンの現状
2020年8月4日に発生したレバノン・ベイルートでの大規模爆発により7万2,265戸の住居が直接的な被害を受けました。また、家族や友人を亡くしたり、住居が損壊したりしたことにより10万人の子どもたちが心理的な負担を抱えているとされています。
大規模爆発の影響を多くの子どもたちが受けている状況の中、レバノンでは新型コロナウイルス感染症の影響が追い打ちをかけるように人々の生活を苦しめています。
レバノン政府は、新型コロナウイルス感染症の感染者数の急増を受けて、2021年1月14日から1ヶ月のロックダウン、また特に1月25日までの10日間は全国に緊急事態宣言を発出しました。これは、24時間外出禁止令を意味し、10日間はスーパーマーケットでさえも完全に閉鎖すると考えられています。
その後、ロックダウンは2月22日まで延長され、さらに厳しい状況が続いています。
スーパーマーケットの閉鎖は、11日に発表されたパンの価格引き上げという発表とともに食料危機に拍車をかけることになるでしょう。
特に、パンへの政府補助金の減少と食料価格の上昇により、すでに深刻な食料不足に苦しむ貧困層の家庭は、外出禁止令によりスーパーマーケットが閉鎖する前に食料を備蓄する経済的な余裕がありません。推定220万人[1]の子どもたちは、すでに飢餓に陥る危険に晒されています。
レバノンに暮らす家族は、過去1年間、通貨の切り下げと経済危機により、食事の量が減り、栄養価の低い食事を余儀なくされていると話します。現在のロックダウンは、家族の食事量がさらに減り、特に脆弱な状況に置かれた子どもたちの身体的、精神的な健康はさらに危険に晒されています。
さらに、子どもたちは、教育の長期的な中断にも直面しています。学校は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するために、少なくとも2021年2月までの閉鎖が決定しており、数十万人の就学年齢の子どもたちが2020年3月以降、教育を受けることができていません。そして、学校に通っていない子どもたちは虐待を受けるリスクが高くなる恐れがあります。
また、多くの貧困層の子どもたちは、学校がオンライン授業を提供していなかったり、インターネットや電気、パソコンなどの機器の利用が限られているなどの理由で、遠隔学習を全く受けられない状況に置かれがちです。貧困層の子どもたちはすでに学習の継続に困難を抱えていますが、今回のロックダウンは家計を支えるために働くという選択をせざるを得ない状況に子どもたちを追い込み、二度と復学できない恐れもあります。
さらに、減少していく収入と比較して、私立学校の授業料が手の届かないものになっていると話す親もいます。さまざまな技術や機器の利用ができないことや、公立校での学習継続に難しさを感じていることにより、親は子どもたちを学校に通わせないという選択をすることも考えられます。
[1]レバノンの総人口の55%にあたる400万人の子どもを含む680万人が貧困の中で生活しているという国連のデータに基づく推計値です。
セーブ・ザ・チルドレンの活動について
2020年8月4日にレバノンの首都ベイルートで起きた大規模爆発から2週間が経過した頃、被害の状況が少しずつ分かってきました。セーブ・ザ・チルドレンは、最も支援を必要としている人たちのために、ベイルートでの支援を拡大しました。損傷が激しい住居に住む734世帯にシェルターキットを提供しました。また、子どもたちが安心して遊んだり友人と交流したりすることができるように「こどもひろば」を開設したほか、245人の大人と子どもたちに対して心理的応急処置(こころのケア)の提供と、最も脆弱な状態に置かれた人々に4,800食のあたたかい食事と食料ボックスを提供しました。
このほか次のような支援を実施しました。
・パートナー団体と連携し、保護者と離ればなれになった子どもたちの親を探す、一時的に預かれる親族などを探す支援
・子どものこころのケアの提供(親や子どもたちの周りの大人に対して、子どもたちのこころを傷つけずに対応するための方法を伝えるなど)
・食料品の支援や、がれき撤去や修繕工事を通したシェルター支援
・子どもたちの学習に遅れが出ないよう遠隔学習や学校の修繕の支援
・被災した家族の生活を支えるために、商売を営んでいる人への少額の給付金の提供
・脆弱な立場に置かれた家族に連絡を取り、負傷していないか確認するほか、子どもたちが安全に過ごせるよう支援
また、2020年11月13日からセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとして大規模爆発で住居を失った世帯への家賃給付、大爆発の影響を受け心理的負担の高い状況に置かれた子どもやその養育者を対象とした心理社会的支援(こころのケア)、子どもへの個別支援も行っています。
寄付金の用途について
「ベイルート爆発|災害や人道危機から子どもたちの命と未来を守る」のプロジェクトを通し皆さまからお寄せいただいたご寄付は、被災した子どもへの支援活動の一部として活用させていただきました。
領収証について
領収証はご登録の宛先に2021年2月下旬にご指定の宛先に発送を行いました。
セーブ・ザ・チルドレンの緊急・人道支援に関する活動情報は今後もアップデートをしていきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
今後ともセーブ・ザ・チルドレンの活動をご支援くださいますよう、よろしくお願い致します。