プロジェクト概要

 

児童福祉施設の子どもたちが自立できる道をつくる。社会的スキルを学ぶセミナーを増やしたい!

 

はじめまして、NPO STARSの春田 真樹と申します。私たちは、日本各地の児童福祉施設等で働く職員で構成され、主に施設や里親宅で暮らす子どもたちを支える活動をしています。また、それに伴い子どもたちを育てる人材の育成にも力を入れています。

 

児童養護施設などで暮らす子どもたちは、一般家庭の子どもたちが暮らしの中で自然に学ぶ社会の仕組みや、その中で生きていくための具体的な知識やスキルを十分に体験しないまま、社会自立しなければならない状況を迎えてしまうことが多々あります。なかには施設を出てからトラブルに巻き込まれることも……

 

 

私たちはこの課題を解決するべく、就職や進学で自立するときの準備として、5年前より「自立支援セミナー」の開催に取り組んできました。

 

今では少しずつ認知が広がると共に、企業や団体からの支援が得られるようになっています。また、これまでは1日開催を基本構成としておりましたが、2016年度に愛知会場において初めて2日開催したところ、参加者のニーズにより具体的に応えられるようになり好評を得ました。当会場では翌2017年度も2日間の日程でセミナーを開催し、ノウハウの積み上げを行ってきました。

 

そして、今年は茨城会場と岐阜/滋賀会場(※当会場は両県の施設に在籍する子ども達を対象とし共催する)において例年より1日多い2日間の日程でセミナーを開催することにしました!しかし、財源的にも人材的にもまだまだ私たちだけでは力が及ばず、ましてや、将来的には全国の施設の子どもたちに十分な学びをと思っておりますが、機会を創出することができていないのが現状です。

 

今回皆さまにご支援いただくことで、今よりもセミナーを充実させ、子どもたちの自立を応援するとともに、セミナーに参加する施設職員等の学びの場となるよう質の向上にも力を入れていきたいと思っています。どうか、皆さまの温かいご支援をお待ちしております。

 

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd
2013年に組織化され(それ以前は約20年間、資生堂児童福祉海外研修修了者の同窓会組織として活動)、今年でNPO STARSは6年目を迎えました。

 

 

誰かに頼りづらい背景。自立するためには、彼らは自分を頼るしかありません。

 

以下は、実際に施設で暮らした子どもたちが社会に出て体感・経験した事例です。

 

●憧れの和食料理人になるため、高校を中退した当時15歳の少年

「施設の生活は三食昼寝付き」 施設では自立の意味も考えず、文句ばかり言っていました。反面、職人の世界は絶対的な上下関係。理不尽なこと(例えば、掃除した厨房の床を舐めろ等)を言ってくる先輩方に対し、どう関わっていいかとても悩みました。たまたま自分は「こんなヤツに負けたくない!」の一心で耐えましたが……だから、事前にイメージできるような場がほしいです。

 

●障害者雇用枠として就職した18歳(非正規雇用)

やってみたかった介護の仕事に就くことができましたが、自分は非正規雇用でした。周りの同年代の人たちは全員正規雇用で、自分を格下のように扱ってきて……仕事のちょっとした不満や不安を聞いてくれる先輩はいても、ドロドロとした自分の本当の想いまでは話せません。仕事の悩みをどこで解決していいかわかりません。

 

社会で自立して生活していくためには、適度な支えが必要不可欠です。何か困ったことが起きたり、不安が生じたりしても、陰となり日向となる人がいることで、子どもたちは自分自身の可能性に気づき、自身の持つ力を発揮し、社会の一員として生きていけます。

ところが、保護された子どもたちの多くは親に頼りづらい背景を持っています。そのため、自立するまでの準備を自らが行い、施設を退所していきます。それは施設に入所したその日から将来必要となるお金について、考えていかなければならないことを意味します。

 

実際に、金額の差はあるかもしれませんが、「毎月のお小遣いのうち○○円は使わずに貯めておきましょう」「(アルバイトが認められた場合)稼いだお金の何割かは必ず貯蓄に回しましょう」などの指導があるはずです。私が所属している施設では、自立のための目標金額を*100万円に設定し、子どもたちに説明しています。

 

但し、これだけでは社会で生きていくことはできません。経済的なことだけでなく、就労・住居・各種契約・コミュニケーションなど、さまざまな知識・経験・スキルが必要です。しかし、社会的養護下で育った子どもたちのほとんどは、それらを十分に学ばないまま社会に出ていってしまうのです。

 

*一人暮らしを始めるための準備と、2ヶ月程度の生活を維持するための費用として換算した額

 

 

 

施設で前を向いて頑張っていても、社会で孤立しドロップアウトに陥ってしまう。

 

児童養護施設では一人暮らしをイメージさせるため、様々な取り組みが行われています。

 

例えば

 ▷施設内に独立した家屋やスペースを設け、自活訓練を行う

(衣食住すべてのことを実践させる)

  ▷他団体が行うSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)セミナーに参加させ、具体的な指導を受けさせる  など

 

しかし、これだけでは十分とは言えません。なぜなら、子どもたちは自立するための経済的な部分を自分たちで負担しなければならず、施設にいる間にさまざまな知識・経験・スキルを学ぶ余裕がないからです。

 

また、施設の暮らし自体に構造的な課題を抱えている場合があるためです(例:施設内の備品倉庫に生活を送る上で必要な日用品等が完備されているため、自分で買わなくても困らないし、生活が維持できる。様々な福祉サービスが利用できるため、サービスの対価として現金を支払うという体験を得にくいなど)

 

その結果、知らない・学んでいないゆえに施設を出てからトラブルを起こし、結果として孤立しドロップアウトしてしまうことが少なくありません。(以下、NPO STARSが集めた事例から抜粋)

 

仕事

・職場の人たちとうまくやれない。馬鹿にされているような気がする

・求人票の見方が分からない(健康保険やその他の雇用条件の理解)

 

 

人間関係

・卒園生の○○にお金を貸したけど返ってこない。どうしたらよいか?

・こじれた人間関係の修復の仕方について(謝罪の仕方がわからない)

 

 

アクシデント

・交通事故を起こした際の対応について教えてほしい

・大量服薬やリストカットをしてしまった

 

 

家族

・旦那と離婚を考えているが、どうしたらいいか

・親や兄弟に自分の進路についての理解が得られない

 

 

その他

・自分の知らない人が施設に増えてきて相談できない。施設にも顔を出しにくくなってきた

・住むところがないので泊めてほしい

 

 

私たちはこれらの事例を検証した結果、子どもたちへのサポートとして自立を支援する講座を開設し、円滑な社会生活が過ごせるような知識・技術を習得するセミナーの開催を決めました。

 

 

これまで全国8県6ヶ所、延べ約600名の子どもたちが受講。ほんの少しの自信を持ち帰ってほしい。

 

これまで全国に会員を持つNPO STARSの強みを活かし、日本各地でのセミナー開催を視野に入れ、その標準モデルをつくることに力を注ぎ、2013年11月には『電子書籍そらまめガイド』の制作に協力しました。

 

●そらまめガイド

施設を巣立った子どもたちから、退所後に困ったこと・悩んだこと・不安に思ったことなどを集め、これを4つ(⒈ひとり暮らしのギモン ⒉仕事のギモン ⒊カラダについて ⒋トラブルを避ける方法)に分類し、対処法を示した電子書籍。いつでも、どこでも、だれでも必要な情報に簡単にアクセスできるのが強み。社会福祉法人大阪児童福祉事業協会アフターケア事業部の藤川澄代先生監修の下、公益財団法人資生堂社会福祉事業財団が作成。2014年には、社会人編を公開。

 

さらに、その年から『そらまめガイド』の中のテーマに沿い、高校3年生を対象とした自立支援セミナーを開催しました。これまで全国8県6ヶ所、延べ約600名の子どもたちが受講しています。しかし、まだまだ、このような学びの機会が全国の子どもたちに届いているとは言えません。

 

だからこそ、今回皆さまからご支援をいただくことで、自立の覚悟とほんの少しの自信を持ち帰ってもらえるようなセミナーを開催したいと思っています。

 

セミナー内容

 

金融教育:1ヶ月のお金のやりくり

ビジネスマナー:挨拶、お辞儀、名刺交換、自己紹介、祝儀不祝儀

スーツの着こなしマナー:スーツを利用する場面の理解、TPOに応じたスーツ選びのコツ、ネクタイの結び方

洋服のコーディネート:似合う私服の選び方、洋服の合わせ方(コーディネート)、TPOに応じた服装選び

「こころ」と「からだ」の管理:怒りのコップ(心の内にある怒り=ストレスの構造的な理解とその対処法等)、性教育(性感染症の科学的な理解、人との付き合い方の理解=親密な関係(人との関係において自分自身が持っている尺度の違いを理解する等)

断るチカラを身につけよう!~トラブルに巻き込まれないために~:施設を巣立った子どもたちが巻き込まれたトラブル事例の紹介や対処法などの講習

グループワーク:参加児童は「自立することについて不安に思うこと」引率職員は「自立させることについて不安に思うこと」を出し合い、そこから話を深める

 

金融教育の様子。

 

平成30年9月8日(土)に群馬県において実施した、
グループワークの様子。

 

子どもたちが自立への階段を上れるように。将来的には全国各地で開催を。

 

先日、私が所属している施設にひとりの卒園生が近況報告にやって来ました。彼はこのセミナーを高校3年生のときに受講し、その後、施設を出て大学に進学しました。現在は教師を目指して大学生活を送っています。彼に自立支援セミナーのことを改めて聞いてみたところ、「一番印象に残ったのは、挨拶やお礼などのビジネスマナー。社会人として生きていくことについて真剣に考えた」と話してくれました。


私たちは毎回、セミナーを受講した子どもや施設の職員からアンケートを取っています。そのほぼすべての回答に「気づきを得た」「残りの施設生活に役立てたい」という言葉が寄せられています。私たち自身、『電子書籍そらまめガイド』の制作に携わり、その後セミナーを通して子どもたちが自信を持って生きている手応えを感じています。同時に、職員も学んだノウハウを活かし、子どもたちとともに歩んでいます。

 

ただ、支援が必要な子どもたちはまだまだ全国にたくさんいます。そのため、将来的には開催地を広げ、さらに子どもたちへのサポートを強化していく予定です。今回、プロジェクトを成功させ、その目標に向け一歩を踏み出したいと思います。皆さま、どうかご支援よろしくお願いいたします。

 

A17c9aaa61e80a1bf71d0d850af4e5baa9800bbd

 

 

リターンについて

 

社会的養護下にいる子どもたちは、さまざまな理由で保護されていることから、講座の写真や映像な、子どもたちの直筆のお礼状などは、居場所の特定につながる恐れがあるため、リターンとすることができません。

本来であれば、子どもたちの生の声を直接お聞きしてもらうのが一番なのでしょうが、非常にデリケートな背景を抱えていることから、私たちNPO STARSが作成した事業報告書をお届けし、お礼に代えさせて頂きたいと思います。

 

 


最新の新着情報

このプロジェクトを支援する
(※ログインが必要です)