「妻からの手紙」

ゲストハウス ELEVEN VILLAGE

 

ゆめものがたり
 

 

2009年、私はひとりの青年に出逢いました。
「原石の塊」
磨けば光る!これが、私の最初の印象でした。
素直で誰にでも優しく、みんなが喜んでくれるには…をいつも考えながら行動する彼。
でも、どこか寂しそう…。ぽっかりと穴が開いてそう…。

 

う、その時の彼は、本当にやりたいことをやりたいけどできず、人間関係にも悩み、もがいてました。

 

そんな中、彼はひとつの夢物語を私に語ってくれたのです。

 

「村を作るのが僕の夢なんです」

 

初めて聞いた瞬間、??マークがとびましたが、彼は本気でした。

 

みんなが自分の好きなことをしていて、自分が作ったものや自分の技を物々交換し合い、人と人とのつながりが深く、みんな本音で付き合い、まるで大きな家族みたいな生活を共にしている。

 

それが彼が考えたひとつの「村」でした。

 

そんな夢をキラキラした大きな目で語る彼を私はいいなぁと思い、「この人の夢の一番の応援者になる!」と決めました。

 

そして
「そんな思い描いている夢があるなら、一枚の絵にしてみたら?」と言うと、なんと!10分ほどで描けたと言い、次の日見せてくれました。

 

そこには、畑があり、田んぼがあり、山があり、川があり、真ん中にはグラウンドがあり、自分たちの住む家、そして、いろんな特技の人たちの家がいくつかありました。

 

これには本当に驚き、色鉛筆を渡し、色を塗ってみるとさらにワクワクしたひとつの絵になりました。

 

そして、この夢の絵をラミネートして、持ち、会う人会う人に見せて夢を語る日が始まったのです。

 


そうすると、いろんな人からアドバイスや情報をいただきました。

 

(ちなみに、その時言われたので一番多かったのが「岡山いいよ」でした。)

 

夢に共感する人や仲間も少しずつですが増えていきました。

 

余談ですが、
私は彼の夢に魅かれ、彼との結婚を決めました。
親に「結婚した人がいる」と言い、「どんな人?」を聞かれ、初めて仕事の内容や年収など、何も彼のことを知らないと気づいたのでした。(苦笑)

 

大阪でこの村の実現のために、たくさんの活動をしました。

 

交流会、物々交換会、本音で語る会、講演会、映画の自主上映会…などなど。

 

知り合う人もどんどん増え、人脈もどんどん出来上がりました。

 

しかし、夢にはちっとも近づかず、表面上の付き合いの人たちも多く、離れていく人もでてきて、悩む日々が長く続きました。
そんな中、彼がある自給自足をしている方のところへ、夢の絵を持って相談をしに行きました。

 

そうすると
「田舎へ行きなさい。田んぼや畑があれば、君のしたいことは叶うよ」と助言されたそうです。

 

帰宅し、すぐさま
「田舎へ行こうと思う」と言われました。

 

あぁ~、やっと決断したんだなぁ。新しい挑戦をするために決めたんだなぁ。

 

と彼の想いに感動して、嬉しくて泣いてしまいました。

 

そして、その日の夜、
以前から「高梁いいよぉ~」と田舎暮らしを誘ってくれていた、高梁市に住む知人に連絡。

 

そして、何回か高梁に通い、素敵な家にも恵まれ、子供も産まれ、私たち家族3人はこの山の上に移住したのです。


田舎の生活は最高でした。

 

初日から、トラブルがあったら助けてくれたり、お野菜を届けてくれたり、子供を可愛がってくれたりと、田舎の人は本当に温かかった。
モノをいただいたら、何かお返ししたり、いいことも注意することも全て本音で言ってくれる。

 

彼の描いていた村がもう、ここに存在していたのです。
これは、本当に想像以上でした。

 

そんな中、彼は移住してきた当初、働きに行く予定だった会社が急遽、過渡期で雇えなくなったと言われ、途方に暮れていました。

 

いくつか仕事を探したけれど、せっかく田舎まで来て、やりたくない仕事をするのはもう嫌だ。やりたいことをしたい!!

 

と思い、仕事に応募したけど、採用はされず。。。

 

こんなの大阪ではなかった。
面接で落ちるなんて。これは、もしかして、就職するなということ?

 

ということで、今、やれること。やりたいことなどを考えました。

 

そこで、ひらめいたのが『農家民宿』

 

都会で疲れている人がこの田舎に来て、ゆったりと過ごしてもらい、自然を感じてもらい、リフレッシュしてもらう。

そんなすばらしい田舎を体験してもらえる宿をしよう!と思いついたのです。

 

そこから、色々と行動し始めますが、なかなか上手くいかず…。

 

生活費も必要なので、やはり、働くことを決め、大阪時代にお世話になった会社からの紹介で、自宅から2時間半もかかるところへ毎日出勤していく日々が始まりました。


そうすると、なんと!彼の業績が中四国NO.1に!!

 

彼もこれには自信がついたようで、次こそは、自分のしたいことをしよう!!と決めました。

 

そこからは、農家民宿一筋。

 

会員集め、色々なプランや商品を作ったり、実際に田舎を体験したりと毎日、試行錯誤しながらがんばってました。

 

が…うまくいかない日々は続きます。

 

お金もなくなってきて、電気代も止まりました。

 

あいにく、お風呂は薪で、ご飯は釜戸で、お野菜はご近所の方からいただいていたので、何の問題はありませんでしたが、やはり精神的に辛い。

 

日が暮れる前に布団を引き、6時ぐらいから布団に入り、朝が来るのを待つ日々。

 

布団の中で「ごめんなぁ。本当にごめん。」と言われ、しくしく2人で泣いたのを今でも覚えています。

 

「色々、似たようなことは今まであったけど、今回は絶対乗り越えれるはず。だから、がんばろう!逃げずに乗り越えよう!」

 

と励まし、今できることを考え、2人で力をあわせ、自分たちで作った竹炭などを、電話を友人、知人にかけて、売ることに…。
そしたら、買ってくる人が現れ、少しずつ、少しずつ、ぐるぐると回り始めました。

 

 

 

そんな中、農家民宿でおいしいお魚を提供したいと思い、自宅から車で20分ぐらいの吹屋へある日行きました。

 

お魚屋さんは12時になると、下町にあるカフェ、紅やさんの駐車場に来るとのこと。

 

しかし、12時になっても来ない。
そこで、チラシに載っていた携帯番号に彼が電話をしました。
つながり、「魚屋さんが来ないんですけど」と言うと、すぐに魚屋さんが現れ、電話を切りました。

 

そして、おいしい魚を無事にゲット!
魚屋さんにも「今度、農家民宿をするので、よろしくお願いします」と一言言って、家へ帰りました。

 

そして、次の日。
彼の携帯が鳴りました。
知らない番号。思い切って出てみると、昨日行った吹屋のカフェ、紅やのマスターから。

 

「昨日、魚屋と話してるのを小耳に挟んだんじゃが、農家民宿したいなら、吹屋に国際交流ヴィラという建物が残ってるんじゃ。そこをやりたい人を今探してるから、やってみないか?」

 

あまりにも、急な話で、何?何?とパニックになりましたが、どうやら、昨日の魚やさんとの会話を、自転車でマスターが通って聞いてたみたいで、電話をかけてきてくれたのです!

 

こんなの、もう奇跡でしかない!(笑)

 

ということで、後日その建物を見に行くことに。
埃だらけのその建物は、吹屋ふるさと村のど真ん中に立つ建物で、期待以上のもので、ものすごく立派でした。

 

それよりも、何年も使われずに放置されているのは本当にもったいない!

 

家で農家民宿するを比べたら、そりゃあ、こっちの建物の方が何倍もいい!!

 

ということで、「やります!!」とその日に決め、伝えました。


ちなみに、
その時に「カフェもやりたいんですよね」と言ったら、マスターが「金子やがあいてるぞ」って言ってくれたので、電気が止まっていた私たち(電気止まったの2回目)は「じゃあ、次の日からやります!」と言ってやり始めたのが、今のオーガニック食堂 金子やなのです(笑)

 

そして、行政の建物でもある、旧国際交流ヴィラ。
市役所の方を初め、市長や議員さんと面談したり、プランを提出したり、委員会を作ったり…とほーーーんと沢山のことを、一歩進んでは止まって、一歩進んでは止まって…とコツコツコツコツとみんなの協力もありながら、進んでこれ、行政と契約を結び、
そして、掃除、片付け、最低限の宿泊用品を揃え、ゲストハウスELEVENVILLAGEとして、現在、プレオープンまで至っております。


ゲストハウスELEVEN VILLAGE。 

 

彼はゲストハウスをつくるのが夢なんでしょうか?

 

私は違うと思います。

 

彼の夢は「村」なのです。

 

なので、みなさんも、彼の夢がここで止まってほしくはないのです。

 

ゲストハウスの先に何が待っているのでしょうか?
ゲストハウスをオーガニックにする必要はどこにあるのでしょうか?

 

ゲストハウスをすることによって、宿泊プランが安いので、長期滞在の方が増えます。
また、移住希望の方が、地域や家探しのために滞在するようになります。

 

そうすることで、田舎を体験、体感することができ、ピタッと合った方は移住へ進むと思います。

そうすることで、この自然消滅都市とも言われている高梁市の空き家問題が解決され、人口が増え、過疎化もなくなると思います。

 

さらに、今年、食べ物をはじめ、衣類や生活用品などさまざまなものが大量生産、大量消費の時代により、身体や環境に悪影響あるものが増えてきました。
そんな時代だからこそ、本物のもの、昔から伝わるものなど、身体や環境に良く、地球に優しいものを中心とした、私たちが思うオーガニックのものを使用したゲストハウスにしたいのです。

 

そうすることで、それを求める方たちが集まってきます。

 

ニセモノよりもホンモノが好きな人。

 

そんな人がどんどん集まり、いいものをシェアしたり、その中で交換し合ったりしたり、中には住む人も出始め、みんながイキイキと好きなことをして、楽しく幸せに過ごしている地域になる。

 

…ということは

 

そう、彼の描いていたひとつの村、ELEVEN VILLAGEが完成するのです。

 

ELEVEN VILLAGE。

 

このゲストハウスはこの村というコミュニティを創る始まりの場所。
 

そんな始まりの場所を創るために、みなさんに協力してほしいのです。

 

6年前、ひとりだった夢が、私が加わることでふたりの夢になり、今では応援してくださる方も増え、どんどん大きくなってます。

 

『夢は見るもんじゃない。叶えるものなんだ。』

 

是非とも叶えさせてあげてください。

 

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


彼こと田川寿一の妻、美菜