前回プロジェクト、クハ481初期型への復元で、見えなくなってしまっているのが、クハ489-501としてのスカートの状態です。

実は、前回プロジェクトで既に整形までは概ね完了しています。

ですから、今回のプロジェクト寄付金の殆どは、塗装費以外は全て側面の補修に回され、前面に補修費用が掛からないのです。

連結器解放テコ、「協調」ジャンパ栓受は、台座の設置をするだけで組み立て可能ですので、大掛かりな作業にはならないのです。

スカートは現在溶接している状態です。 これを外すのは切断グラインダになります。 設置時の苦労から比べると、全く簡単な作業になります。

 

前回プロジェクトで、スカート設置前に実施した内容の、ビフォーアフターです。

上から、塗装剥離後、鈑金修正後、そして側面の様子です。

昭和48年から49年に発生したと思われる踏切事故の影響は、フレームの歪みにちゃんと残っていました。 また、鉄板も張り替えた跡がありました。

前回、この張り替えた方の鉄板の除去と、フレームの修正をミリ単位で施工して、見た目左右の歪みはもう見られません。 それからスカート板を張って、前回プロジェクトは完了したのです。

 

それだけではありません。

錆で劣化した部分の除去もかなり行っています。

上と中の画像をご覧いただくと、細かい部分まで鈑金溶接をしたことが分かります。 そして、ジャンパ栓が出ている開孔部の形状も、踏切事故前、原形の姿にちゃんと戻した状態まで施工を終えております。

一旦取り外したステップ板は、接合部分に腐食が進んでいたので、スカート部分は鈑金し直し、ステップは現在の原型スカートに設置した状態です。

 

運転席側の空気孔です。

上から、カバー撤去後、パッチ板切除後、鈑金溶接後になります。

塗装とパテで覆われていた部分には、本当に泣かされました。

前回プロジェクトでは施工費100万円を上限にしていましたが、残念ながらすぐにオーバーしてしまいました。

このように、ちゃんと錆の根本をブロックし、劣化部分を除去しつくさないと、10年単位の維持管理は出来ないからです。

オーバーした予算は、当会の普段の維持管理費=運転席見学の皆様からの寄付金で補填せざるを得ませんでした。 すぐには回収出来ませんので一旦会員からの借入金を充てています。

 

こちらは運転助士席側の前回補修内容です。

現役時代の苦労が偲ばれます…。

かといって、その経年を放置してしまっては後世に伝えられる遺産にはなりません。

 

これまでは、趣味の世界で許されるクハ489-501の補修でした。

しかし、これからは違ってくる面もあります。

それは、今までは小松市の補助金が補修費に含まれることは無かったからです。

所有者である小松市は、これまで金銭的負担が無かったからこそ、ある程度鉄道マニア目線で「改造」と言われる補修に目をつぶって、広告効果の高い当会事業を見守って下さりました。

それが今回プロジェクトでは、100万円を上限に補修費に補助を行います。 民間である皆様からのご支援と、行政予算がブレンドされるため、小松市側にも意見する立場になるということです。

 

当事業には、先述した「踏切事故の歴史を残すべきではない」という意味でも新製時代=スタートラインに戻り、クハ489-501の「現役時代の歴史」と「退役後の文化レベルの向上」の2つの要素を、今の子ども達から自然と理解していただきたいと願う次第です。

 

プロジェクト達成は早いに越したことはありません。

でも、多くの苦労の上に、念願が叶うと思うのです。

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