アートをより身近に。東京・西尾久にアート×食堂を開きたい。
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支援総額

1,575,000

目標金額 1,500,000円

支援者
87人
募集終了日
2019年12月23日

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2019年11月16日 21:35

トマトにゴボウ

 皆さまこんばんは!

 前回に引き続いて、オランダ時代の話をもう少しだけ。

 

 英語はめちゃくちゃでしたが、料理ができたおかげもあって順調に友達も増え、とにもかくにも私のオランダ生活がスタートしました。

とはいえまだまだ毎日見るもの聞くもの全てが新しい状態で、ひとたび外に出れば異国の街と異国の人々という感覚はまだまだありましたが、大学がスタートした以上カリキュラムは待ったなしでやってきます。最初の展示の機会はオランダに着いて3ヶ月ほど経った頃だったと思います。

 

"On Oct. 24, seven green tomatoes were found in a market in Amsterdam the next day five of them were brought to the South by foot supposedly until they would ripen but 3 days later they reached Rotterdam and they were still green even though a banana and an apple had already joined for support - they came back home and met two completely red tomatoes on the couch and two of them were eaten that night Oct. 27.", 2016

 

 この作品には、

「10月24日、7つの緑のトマトがアムステルダムの市場で発見され、次の日そのうちの5つが南へ向けて徒歩で運ばれたが、その間に熟すはずのトマトは途中バナナやりんごの助けさえ借りて3日後ロッテルダムに到着したが以前緑のままで、結局それらは帰路に着いたが帰宅後ソファーの上の2つの赤いトマトに出会い、そのうち2つは27日の夜に食べられた」

というとても長いタイトルが付いています。

 

 帰国して、よく日本の友人にオランダの食事は美味しかったか?と聞かれますが、私はいつも否と答えています。一般的なスーパーに並ぶ野菜たちはまるで工業製品のように形も色も揃っていていかにも美味しそうですが、食べて見ると風味が全然ないことに気がつきます。とくにトマトは最悪です。と言うと、オランダって農業大国じゃなかったっけ?と聞き返されることがあります。

 

 生産量や売上からいえば確かにそうなのかもしれません。オランダという国はその大部分が海抜よりも低く、いわば埋立地のようなものです。(アムステルダムの「ダム」その名の通りあのダムを意味します。元々アムステルダムがアムステル側を堰きとめるダムとして建設されたからです。)つまり元々の土地が痩せているために、そもそも作物を生産するのには向いていません。電車に乗って郊外へ出ると永遠に続く広大な土地は、田んぼに囲まれた私からすると休耕中の畑か何かのように見えますが、あれは実際は家畜のための放牧地です。

 

 伝統的に野菜などの作物を栽培するには向いていないオランダが現代農業の最先端を担っているというのはある意味では必然です。土地がないからこそ、水耕栽培をはじめとする工業的な農業の技術を磨いてきたわけです。いまでは海の上にも水耕栽培用のビニールハウスが建設されているそうです。

 

 アムステルダムの市場で見つけた未熟なトマトをポケットに入れて、追熟して赤くなるまで南へ向けて歩いたものの、3日かけて約100km離れたロッテルダムまで着いても赤くならなかったので帰ってきたという作品です。

 

"Timber Timbre", 2017

 

 いま改めて思い返してみると、トマトの作品の時にすでに、「料理を作るように作品を作りたい」という気持ちが芽生えていたのかもしれません。

 

 次に作った作品はやはりまた食べ物を使って、素材は今度はゴボウです。私はわりあい住めば都の精神でどこでもその環境に順応してしまうタイプらしく、最初からヨーロッパの食生活を楽しんでいましたが、と言っても時々日本食も食べたくなるので、そういう時は街の中心部にあるアジア食材店に行っていました。アジア食材店にいかないとどうしても買えないものの1つに、ゴボウがありました。私はゴボウの風味がとても好きなので、行くと必ず買って帰るものの1つでした。

 

 ある時なんとなしにゴボウについて調べて見て初めて、世界でもゴボウを食べるのは日本人くらいであるという事実を知りました。(台湾の一部でも食べるそうですが、日本の植民地だった頃に日本人が持ち込んだ習慣の名残でしょう。)さらに調べてみると、太平洋戦争中、日本の収容所において、外国人の捕虜にゴボウを食べさせたところ、外国人兵はそれを木の根か何かを無理やり食べさせられたものだと思い、戦後裁判によって当時の日本兵が処罰を受けているというにわかには信じられない事実も残っていることを知ります。

 

 考えてみれば、ある素材がある人には食べ物として見えてもある人からみれば食べ物ではないという状況は往々にしてあるはずです。虫を食べない人々が虫を食用とする人々を見て気持ち悪いと思ってしまうのは、ある意味では仕方のないことかもしれません。

 

 この作品は、ゴボウを食材としてではなく木か何かのような素材として扱えないだろうかと思って作ったものです。

リターン

5,000


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《ご来店可能な方向け》お得なドリンクチケット×10枚コース

■ドリンクチケット×10枚ご送付
1枚につきワンドリンクサービス券を10枚綴りで差し上げます。ソフトドリンク or アルコールどちらでも可。

※有効期限は発行より1年以内です。
※アルコールドリンクとの引き換えは20歳以上の方のみ可能です。

■お礼のメッセージ

申込数
40
在庫数
完売
発送完了予定月
2020年2月

5,000


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《ご来店可能な方向け》支援者様限定!内覧会ご招待コース

■支援者様限定・内覧会ご招待
支援してくださった方は、2020年に行われる展示をオープニング前にご覧いただけます。

※初回は2020年2月を予定しています。日時等詳細は後日ご相談となります。
※交通費は別途ご負担いただきます。

■お礼のメッセージ

申込数
9
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年2月

5,000


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《ご来店可能な方向け》お得なドリンクチケット×10枚コース

■ドリンクチケット×10枚ご送付
1枚につきワンドリンクサービス券を10枚綴りで差し上げます。ソフトドリンク or アルコールどちらでも可。

※有効期限は発行より1年以内です。
※アルコールドリンクとの引き換えは20歳以上の方のみ可能です。

■お礼のメッセージ

申込数
40
在庫数
完売
発送完了予定月
2020年2月

5,000


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《ご来店可能な方向け》支援者様限定!内覧会ご招待コース

■支援者様限定・内覧会ご招待
支援してくださった方は、2020年に行われる展示をオープニング前にご覧いただけます。

※初回は2020年2月を予定しています。日時等詳細は後日ご相談となります。
※交通費は別途ご負担いただきます。

■お礼のメッセージ

申込数
9
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年2月
1 ~ 1/ 10


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