【Story】残り2週間と3日を残して今伝えたいこと

今、私はワシントンD.C. ダレス国際空港発 ANA１便 東京成田国際空港行の機上にいます。

世界有数の経済大国の首都圏を結ぶフライトコードNo.１の便ですが乗客は極めて少なく、1列9席仕様のうち、だいたい1名ないし2名しかいない状況です。前日にはCovid-19（コロナウィルス）対策としてトランプ米大統領が欧州からの入国を停止する発表をしたばかり。そのまた前日には、今回の出張の目的だった宇宙産業の展示会「SATELLITE 2020」の最終日3日目の開催が中止となりました。

 

伝染病の影響は少しずつ、宇宙スタートアップである私たちワープスペースのビジネスにも影を落とし始めています。

それでも、今回の出張日程では、SpaceXやBlue Origin、ARIANE SPACE、Virgin Orbitといった主要な打ち上げ事業者、いくつかのアンテナメーカー、北米宇宙産業コミュニティの代表など、想像以上に濃いコミュニケーションが出来、光中継衛星ネットワーク実現に向けて大きな成果を得られました。

 

キーノートにて、SpaceXのイーロン・マスクは、「今年は宇宙新産業にとって非常に厳しい年になるかもしれない。いくつものスタートアップが倒産するだろう。だが、衛星インターネット構想のStarlink計画は何があっても止まることはない。構想が完成するまで、事業を売却したり、他の人の手に委ねたりする気も全くない。私がこの構想を完成させる」と述べました。

確かに、そして思いがけず2020年がスタートアップにとって厳しい年になるだろうことは容易に想像できます。しかしそれは、宇宙スタートアップに限らず、さらに言えば大企業に関しても言えることです。ことウィルス対策については、大企業の方が手かせ足かせになっているでしょう。

大半の企業体が足を止め、縮小方向に目線を向け始めているなか、このタイミングでどう攻められるか、私たちの真価が問われています。

 

そう、私たちは攻めなければなりません。特に宇宙スタートアップは、事業開発を含むすべての開発に相当の時間がかかるセクターです。いつどんなときも足を止めなかった者が最後の勝利を掴みます。

 

 

私は確信を持って言えます。ワープスペースの光中継衛星ネットワーク構想も、何があっても止まることはありません。停滞することもありません。

今だからこそ私たちは他が出来ない進み方をします。私たちがこの構想を完成させます。何ものにも邪魔をさせません。

 

一点重要なポイントは、いくらこの十数年宇宙産業が民間に開放されてきたとはいえ、産業のその半身は安全保障上の様々な思惑、プレイヤーの上に立脚していることです。だからこそ、私は昨年1月にCEOに就任してから投資家の皆さんにずっと「仮にリーマンショック級のリセッションが起こったとしても、宇宙新産業に向かう投資の大きな流れは止まることはあり得ません。」と言ってきました。

仮定条件が現実になりつつある今、後段部分も立証されてきています。SpaceXはつい数日前、５億ドルの資金調達を実施、Starlink計画やStarship計画、Falcon9などの各事業領域において、他のコンペティターを引き離しに全勢力を傾けています。

スタートアップも大企業も、そして投資家も今の状況を恐れる必要は全くありません。むしろ今、他に追随を許さない投資決定を下すことで、5年後、10年後、20年後の世界を描く権利を手にすることが出来ます。

 

永遠に続く不況はありえず、明けない夜はありません。

必ず来る夜明けに向けて今出来ることを多少無理してでもやる。そんな強靭な精神力と、何があっても倒れない安定した足腰が求められています。

 

そして、何より私たちにとって重要なのが、いかな浮き沈みがあったとしても、長い目で暖かく見守ってくださる支援者の方々、一人ひとりの存在です。

本文にも書きましたが、現在ワープスペースには１７人の個人投資家から出資をいただいています。皆さんすべて、何があっても私たちを激励してくれる人たちです。このクラウドファンディングにおいても、すでに５８人の方に支援をいただいています。達成率も３０％を超えました。

 

ご支援の通知が来るたびごとに、私たちは本当に心強く、胸を熱くさせていただいています。社員・メンバー、業務委託先の方々、宇宙機関・行政・関係各所、全国の宇宙な方々などすべての応援して下さる人々がいてくださるからこそ、私たちの確信にも似た使命感が日々強固なものになっています。

 

 

映画「エジソンズゲーム」のなかで、交流電動機の開発者ニコラ・テスラはこう言っています。「電気は、食べ物、水、空気とならんで、人間が生きるための必需品になる。」電気革命の草創期、電線も発電所もほぼ整備されていないなかで、この予言をし、実行した人間たちがいました。（日本は明治初期！！！）

 

通信も同じです。通信なくしては人間社会や生活は成り立ちません。もはや空気を吸うのと同じように、何も特別な意識をすることなく通信を消費しています。
私たちワープスペースは、来る宇宙世紀において同じように必要となる宇宙空間の通信バックボーンを実現します。宇宙で運用されるデバイス（人工衛星含む）、宇宙で過ごす人間、暮らす人間が増大する未来において、私たちはその活動、利用、生活、娯楽を通信の側面から支えます。

 

ニコラ・テスラは、タッグを組むまえのウェスチングハウス氏にこうも言いました。「私はまだ、ただの移民だ。」

どれだけ高くみえるハードルでも、実現にかける思いが交錯することで必ず乗り越えられます。その想いの交錯が多ければ多いほど、大きければ大きいほど、乗り越えられる壁も高くなります。

 

 

Covid-19の影響で、多くの皆さんには先の見えない不安と恐れがあるかと思います。正直僕も、不安や恐れが全くないと言えば嘘になります。ただこれだけは言えます。

 

「目に見えないものを恐れるより、心に描くものに魂を使おう」と。

 

皆さんもぜひ、こういう時だからこそ、より良い未来を胸に描き、宇宙に想いを馳せてみませんか。その一助に私たちのクラウドファンディングと光中継衛星ネットワーク構想がなることを心から願っています。

 

残り１７日で目標金額達成まで３４０万４千円、現時点では非常に高いハードルです。皆さんの想いをぜひここに投じてください。All or Nothing形式（目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった支援金を受け取ることができる）を選択したのは、私たちがこのクラウドファンディングに本気になるためであり、そしてこのプロジェクトを応援していただける皆さんの一体となって、達成の瞬間を味わいたい、そう願ったからに他なりません。

 

皆さまのご支援を心から深くお待ちしております。

 

2020年3月14日
株式会社ワープスペース　CEO 常間地 悟